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よく道を聞かれる私

私はしょっちゅう道を聞かれる。
それ以外にも話しかけられることもあるがだんぜん道案内が多い。
問い合わせ内容はダントツで駅の方向とバスに関することだ。

よっぽど地元顔なのだろかと思いきや出張先や旅先でも聞かれる。
しまいには私も迷ってきょろきょろしている最中に聞かれたこともある。
友達と歩きながら「よく道を聞かれるんだよねー」と話していた矢先にバス停を聞かれて「ほらね?」となったこともある。

外国人にも聞かれる。
幸い私の英語戦闘力はゼロではない。
ペラペラを100とするならば30くらいはある。
日本での嫌な思い出にならないよう頑張って案内する。
コロナ前に訪日外国人数が急激に増えていた時期は、念のため観光地図を持ち歩いていたほどだ。
こんな小さなことでも戦争を防ぐ一粒の種になるかもしれない。
即席的に外交官となり、彼らの国と友好関係が続くよう、なるべく親切にしようと頑張っているのだ。

だが人気があるのは大人の迷子だけで子供には人気がない。
親切にしようとしても未知の生物を見るような目で見られてしまう。
子供がいない私はせめて何かしらの貢献を小さな子にしたいと思っている。
おそらくその前のめりな意気込みを子供たちは敏感に感じ取り怖いと感じるのだろう。

こんな善良な市民の私だが、親切にできなかったことがある。
めちゃくちゃ具合が悪い時に道を聞かれたのだ。
病院で痛み止めの点滴をしてもらっても数日間腹痛が治らず全身に蕁麻疹まで出ていた私の歩行速度はカメさんほどの超スローペースで、やはり歩くのは困難なので病院まであと5分の道のりをタクシーに乗ろうかと迷っていた矢先に、陽気なおじさんが道を聞いてきたのだ。
しかもざっくりとした聞き方だったので、一言添えて指をさす程度では会話を終わらせそうもない。
「(多分わかるけど)わかりません、、、」
目線は合わせず、ひきつった笑顔でそれだけ答えて死に物狂いで病院まで行った。

血液検査の結果が出るやいなやそれまでクールだった看護師さんがものすごく親切になるほどの悪い数字だったようで、医師がすぐに紹介状を書いてくれたので大きな病院へ入院となった。

結果、腹痛の原因は虫垂炎で、蕁麻疹は点滴によるアレルギー反応だった。盲腸のまわりの臓器にも腫れがあり「相当痛かったでしょう」と入院先の医師に言われた時、病院に来てもいい痛みだったことへの安心感でほっとしたのと同時に、「虫垂炎、臓器の腫れ、アレルギー反応」という3重苦を抱えていた私に道を聞いてきた空気を読めないおじさんの顔が浮かんできた。

これほど具合が悪くても道を聞かれる私である。
何か思わず聞きたくなるような要因があるのか考えてみたがよくわからない。
暇そうにしているからと思われるかもしれないが、普段の歩くスピードはかなり速い。
女性で170cmという高身長なので単純に目立つからだろうということでいったんは納得はしている。
まあ、悪いことではないだろう。
危険人物には見えないということだ。

みなさんはどんな人に道を聞きたくなりますか?


サポートしていただけるなんて夢のまた夢、、。 でも桃鉄では「夢のまた夢カード」でいいことが起こったことがあったような気が、、、。 夢のまた夢を目指してゆめの夢子は頑張ります。