死んで一人っ子になった父

父の死後
父の末の妹は訪ねてきた
自分だけには知らせて欲しかったと述べていた。
父の遺言に特段この妹へ言葉は無かった。

みんな
自分だけはとか
思いたいものだ

これを機に私は
とにかく気分を落とさないよう
努めている

落とすと
海底まで届きそうで
気持ちが沈み切ると
浮き上がれないのではと
考えた

父は自身を死して解き放てたが
私は死ぬ前に
解き放したい

長男としての責務を全うし
最後の最後で
自己主張を遺言で示した父

これからは
違う土地の誰も知らない所で
眠ってくださいな

墓守をし
土地に住む事を望んだ祖母言葉を守り続けた

生きてる時に嫌は嫌と言えば良かったね
言ってよかったのに
逃げても良かったのに
しなくても良かったのに

嫌を言えなかったんだろうなと

今は思ってあげられます

まだ思い出は
思い出せないですが

私は
嫌を言う人になる
お断りしますを
言う
助けても言えるようになる

まだどれも
出来ないから
五十路からの挑戦


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