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【琥珀色の告白-Playlist】ピアニスト片山 柊

実はプレイリストを作るのが趣味のひとつです。好きな曲を集めて曲順を決める作業が楽しくて、例えば「架空の蕎麦屋BGMプレイリスト」や、普段ディグっていて気になった曲をどんどん入れていく「備忘プレイリスト」は始めて2年半経ち約350曲になりました。

プレイリストって多分初めはカセットテープやMD、ウォークマンやiPodなどに「マイベスト」みたいな感じで作り、あくまで個人で楽しむものだったと思いますが、昨今はサブスクも普及してユーザーの音源ライブラリが拡張かつ画一化されたことで、よりプレイリストを楽しむ環境が整ったと思います。

僕は普段クラシック以外の音楽もすごく好きで色々聴くのですが、なかなかそういう趣味を発信する場面が無かったので、今後この場で色々共有していきたいと思っています。趣味全開なので読んでくださる方がついて来てくれるか心配ですが…(笑)

今月のテーマは「琥珀色の告白」という事で、安直ですが「愛にまつわる」曲を集めました。とはいえ、僕は音楽を聴くとき歌詞や内容に引っ張られない様にしています。『本当に「音」を聴いているのか』と、冷静な時には思うものの、歌詞に励まされる時もしばしば…。時と場合によって良いですよね。ここからは一曲ずつひとこと、プレイリストの流れで意識したことを書いていきたいと思います。

M1:My Foolish Heart - Tony Bennet & Bill Evans

このプレイリストはジャズスタンダードで始めてみました。Bill Evansは確か高校生の時札幌のHMVで、かの有名な「Waltz for Debby」のアルバムを買って聴いたときから好きで、そのアルバムの一曲目が「My Foolish Heart」なのです。今回はTony Bennetのダンディーな歌声が加わったヴァージョンを選びました。歌詞では恋の始まりや臆病になる気持ちを歌っています。

M2:Minnie Riperton - Inside My Love

Minnie Ripertonはすごく好きなヴォーカリストの一人です。この「Inside My Love 」が収録されているアルバム「Adventure In Paradise」はどの曲も渋くてよく聴いています。ぜひライブ映像も見て欲しい。冬になるとソウルやジャズを聴きたくなります。生音の温かい響きから暖をとりたくなるというか…。内容はオトナなラブソングです。

M3:UA - リズム

ここでUAが登場です。実を言うとこの「リズム」がサンプリングされた曲を先に知っていて、後々原曲を知りました。流れとしてはジャズ→ソウル→R&Bとブラックミュージックの変遷を意識してみました。90年代日本のR&Bって良いよね…。

M4:Jessie Ware - Step Into My Life

Jessie Wareは今まで聴いてなかったのですが、去年リリースされたアルバム「What's Your Pleasure?」がすごく良くて個人的2020ベストアルバムでした。ジャケからもろDiana Rossのオマージュかな?という感じなのですが、その収録曲で特に好きな「Step Into My Life」を選びました。

M5:Patrice Rushen - Remind Me

Patrice Rushenといえばディスコクラシック「Foget Me Nots」(TOWA TEIの別名義:Sweet Robots Against The Machineによるカバーもありますね)がありますが、「Remind Me」もその一つだと思います。この2曲が収録されているアルバム「Straight From The Heart」はブギーなベースラインがたまらない一枚。

M6:Cornelius - If You're Here (Recorded at Spotify Studios NYC)

コーネリアス先生はアルバム聴きまくっているしライブも行っており、ただのファンです。「あなたがいるなら」はファンからすれば言わずとしれた名曲ですが、今回はオリジナル音源で無くスタジオセッションの方を選びました。このヴァージョンの方が人間っぽくて僕は好きで、今一度聴いてなんて繊細な歌なんだ…と思いました。

M7:James Blake - Godspeed

James Blakeは1stが色々なところでレコメンドされているのを見て、これも札幌のHMVで買って聴いたのが出会いでした。特に1stは内容が暗く複雑で最初は馴染めなかったのですが、今まで体験した事ない音響に引き寄せられて何回も聴いた思い出があります。すっかりAppleのCMにも出る様な有名アーティストになりましたが、今回選んだのは近作の弾き語りアルバムからFrank Oceanのカバー「Godspeed」。

M8:ガクヅケ木田 - 後輩君

芸人・ラランドのサーヤが出ているニートtokyoの動画を観たのがきっかけで知りました。この曲は芸人・ガクヅケの木田が同性の男の子に初恋をした体験をラップしているのですが、それがすごく正直で鮮明なストーリーを持ったリリックで…本人にとって相当な体験だったんだろうな…と想像します。MVも良い。

M9:中村佳穂 - AINOU

実を言うとこの曲は他薦です(笑)今回プレイリストを作ってみて自分はラブソングをあまり聴かないんだな〜と思い、友人に「好きなラブソングある?」と尋ねいくつか提案してもらったうちの一曲です。中村佳穂は僕自身も好きで、今一番ライブを観たいアーティスト。

M10:クラムボン - 以心電信

ゴールはクラムボンによるYMOのカバーです。この曲は自助運動が背景にあります。「人を愛することも大切だが、自分を愛することも大切」

というようなメッセージのあるこの曲でプレイリストを締めてみます。

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いかがでしたでしょうか?奇しくもインストが無く歌モノが集まってしまいました。今後もこんな感じで続けていきたいと思います!

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片山 柊
北海道札幌市出身。小樽市で育ち7歳よりピアノを始める。東京音楽大学(ピアノ演奏家コース・エクセレンス)を首席で卒業し、現在同大学院修士課程2年在学中。第64回全日本学生音楽コンクールピアノ部門中学生の部全国大会第1位、第41回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、および聴衆賞ほか受賞多数。2018年ワーナークラシックスジャパンよりアルバム「Landscapes」を発表。日本各地のほか欧州でのリサイタルやコンサート、東京フィルハーモニー交響楽団ほかオーケストラとの共演も重ね、ソロに限らず室内楽の分野でも積極的に活動している。これまでにピアノを日向加代子、斉藤香苗、音楽理論を浅野宏之の各氏に師事し、現在ピアノを武田真理、東誠三、広瀬宣行の各氏、室内楽を藤原亜美氏、和声を土田英介氏に師事。
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