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居酒屋で酒を片手に物想いに耽る至福

居酒屋

いつの頃からか居酒屋に通うようになりました。酒などどこで飲んでも同じはずなのに、何故か居酒屋で飲むと美味く楽しいのです。私の場合、居酒屋には二つのスタイルがあって、居合わせた客同士がお喋りを楽しむ。それと、ぼんやり一人座って(なるべくならカウンターが良い)手帳を広げて考え事をする。この二つです。他に店のマスターと世間話をすると言うのもありますが、私の場合これは少ないのです。

池袋ふくろ

この二年三年の騒動が始まってからは、他の客とワイワイガヤガヤがなくなりました。一度二度、都内の行き着けの店に行ってみたのですが、アクリル板の仕切りができていて、以前とはちょっとばかり雰囲気が違っていました。私は埼玉で、都内はそれなりに遠いので、この騒動がある限りはその店にも気軽には行けなくなっています。その行き着けとは、池袋ふくろ

都内に在住していた当時は週に二度はここで飲んでいました。朝から飲めて、徹夜で仕事をして納品しての帰りはここで必ず飲みました。おかげで医者に肝臓を注意されたりもしていました。ここは三階まであって、昔は二階三階はともかく一階は色んな客筋があって、素人にはちょっと難しい店でした。今はそんなことありません。普通の女性が飲んでいます。尤も女性は昼間っから飲まないでしょうがね。

もう一つの楽しみは、比較的近い街の、これまた行き着けなのですが、私のような居酒屋通でない者でも割と飲みやすい店がありまして、そこでひとり孤独に考え事を楽しむのです。この店では他の客と喋ることがありません。そこで手帳を広げて、時折メモをしながら酒と料理に手を運ぶ。今のところ、これが私の至福の時間です。周りがいくら騒がしくても関係ありません。上記のふくろでは客と話が弾むも良し、その両方ができました。

居酒屋のある路地

部屋別になっているところは妙に落ち着きません。周りに客が居る感じが良いのです。一人個室に居ると何だか家で飲むのと変わらない。何故かは知れませんが。居酒屋の不思議ですね。

手帳

手帳のことを言いますと、私の場合は手帳マニアの皆さんが持つような立派なものではなくて、つまりは余白さえ残っていれば良いのでして、従って日付も無関係。日付は自分で記したものが優先です。そんなのですから百均でも大丈夫なのです。好みで言えば、インディイージョーンズがずっと昔から持っているような擦り切れてボロボロになっている手帳の雰囲気が好きです。

そして大事なことは、手帳をのそのまま置いて開いたままであることです。片手で酒ですので、押さえていなければ閉じてしまうのは都合が悪いのです。随分むかし、表紙が皮のようにデザインされた割と高いシステム手帳を買ったことがありましたが、この点でどうしても使えないままで終わりました。私のような人間にシステム手帳そのものが不要でした。

手帳で無駄にしたと言えば、後に気まぐれで購入した電子手帳でしょう。あれ程の失敗はありません。

筆記具に関しては居酒屋のような場所で万年筆は遠慮されます。水気が多いのでインキはちょっと辛い。それにインキでテーブルを汚す可能性もないではないし、さらに言えば落っことすこともあり得る。万年筆はペン先が弱いですからね。それらを思うと、居酒屋での筆記具はボールペンかシャーペンの二つです。

道具を持つ喜び、使う喜びと言うのがもちろんあります。しかしこの場合は考え事をしてメモをすることが目的で、そこに至福を感じるのです。手帳もペンも、この場合はショボくて良いのです。手帳に関しては、ボロボロになるまで使いたい気持ちですので、毎年買い替えることはありません。

そんなですので、手帳に関してはとてもお見せできるようなものではありません。

何年も前ですが、上記のふくろでパイプをくゆらせながら如何にも高そうな万年筆を横に転がして飲んでいる人を見かけました。ああいうのも悪くはないなと思います。書いても書かなくて良い。その雰囲気が良いのだと。

写真は全て何年か前のものです。キャッチの写真は某駅前ですが、今は上の店は閉じていましました。私はしょっちゅう下の店で飲んでいます。

居酒屋は夜が待ち遠しい世界です。皆様に良き夜を

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