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街歩き--あてもなく坂戸

ちょっとした用事があって、その帰りにフラッと坂戸に降りてみました。といっても何度も訪れている街です。埼玉の坂戸です。昔ここにはキンカ堂があって、手芸をやっていた母がここに来るのを楽しみにしていました。かなりの昔です。坂戸は川越以北の東松山と並ぶ東武東上線沿線の拠点です。しかし今では隣りの若葉に追い越されそうな感じで、街はちょっと寂しそうに感じます。かつては駅近くにはみずほ銀行が支店を構えていたのですが今は端末だけになりました。

あまり天気が良くなかったのですが、来たついでに写真でも撮って記事にでもなればと思いました。

とはいえ、別に駅周辺にどこを歩いて何があるという訳でもありません。今回は駅の北口だけですが、南と比較するとどうでしょう。

坂戸サンロード商店街

サンロードと呼ばれる駅から続く商店街もあるのですが、あまり活気があるとは言えません。人通りも少なく、この辺りで買い物をする人は殆どがスーパーを利用するのでしょう。どこも同じと言えば同じなのですが、商店街が寂れている感じはちょっと寂しいです。この通りも商店街と言うより、通りにパラパラと商店がある程度のものですから元からこんな雰囲気なのでしょうね。

しかしこれと言って特徴のないこの街がイメージにぴったりだとかで過去映画になったこともあったように記憶します。これなんか廃墟っぽくアレンジしてやればイラストの雰囲気で面白いかも知れません。

映画館のあった場所か

聞けば昔はそれなりに賑わったそうです。とっくになくなった松本電気(PC関連をたまに買いに来ていました)からの帰り、細い道を母と歩いていたらなんとなく映画館のような建物に出くわしました。入場券売り場と如何にも映画館らしい扉が残っていまして、興味深く眺めていたら奥から奥さんらしき人が出てきました。元は映画館だったのですかと尋ねたら、無言で首を縦に振りました。物珍しそうにじろじろ見る奴はちょっと不愉快だったかも知れません。

その場所を探してみたのですが、心当たりのところへ来てももう風景が変わってしまっていました。これはマンションでしょうか、多分ここだったと思うのですがはっきりしません。しかし映画館がある程度にはかつては活気があったのでしょうね。今は時折パラッと人が通る。そんな雰囲気の街になっています。

サンロードを抜けて道なりに歩くとどこへ出るでしょうか。あまり飾り気のない大きな建物が見えます。一見病院かと思ったのですが、普通のマンションでした。どことなく共産圏を思い起こすようような建物です。

坂戸文化会館

更に行くと坂戸文化会館に出ました。ここはよく知っています。いつもは逆から来るのですが、絵画の展示会の案内を頂くことが度々あります。驚くなかれ、何年か前にベンチャーズがやってきてここで演奏したことがあるのですよ。私は後で知ったのですが、大勢集まれば良かったけど、どうだったかなと思います。

私も昔はベンチャーズに夢中になりました。ギターが弾ける訳ではありませんが演奏に痺れました。四人の名前を今でも覚えています。ノーキーエドワーズ、ドンウイルソン、ボブボーグル、メルテーラー。もっとも今はどうなっているでしょう。もしかしたら二代目でしょうか。掃除当番の時に箒で真似事をして叱られたこともありました。

北坂戸まるひろ

ここから先は熟知しております。この先にまるひろがあるのでちょっと買い物をして行こうと思ったら、やや!休日だったか。と思ったらどうも様子が変。

看板も外された外観。あまり客の入りが良くなかったのか、まるひろはこの店を閉じてしまったようです。全然知りませんでした。

これは増々寂しいです。もうあっちもこっちも景気の悪い話ばかりで情けなくなります。やっぱり今の騒ぎが効いているのでしょうか。ここはもう北坂戸に近いのですが、それでも駅からはやや離れているので条件はあまり良いとは言えません。色んな事情があるでしょうね。

かつての坂戸ヨーカ堂4Fレストランからの眺め

サンロードの一本隣りの筋ですが、坂戸にはかつてイトーヨーカ堂がありました。一階にはお好み焼きラーメン屋さんがあって、よく利用しました。母とキンカ堂に寄ってからそこでタコ焼きやお好み焼きを食べました。かなり賑わっていました。

母が居なくなってからも、坂戸へ来ると必ずヨーカ堂に寄りました。四階にレストランがあって、そこから外を眺めつつ食事をするのが楽しみだったのです。上の写真はそこからの眺めです。

しかしそんなヨーカ堂も閉店しました。東松山にもヨーカ堂がありましたがとっくに閉店です。多少の経緯の後今はマンションになっています。坂戸のヨーカ堂も流行っていたと思うのですが、グループとしてはダメだったのでしょうか。今はマルエツになっています。

思うのですが、ヨーカ堂の良かったところはレストランがあったところです。これはちょっとした余裕を感じさせました。買い物をして、時にはレストラン。この雰囲気が私は好きです。スーパーは物を売るだけです。これは特急列車から食堂車がなくなってしまった感触とどこか通じます。特急と言っても現在ではただの箱が走っているだけです。もう旅の雰囲気はありません。少なくとも私はそう感じます。

これはもう何年も前の写真です。食事が運ばれてくるまでの間、ぼんやりと外を眺めていた自分を懐かしく思い出します。店の名前は忘れましたが私にはなかなか美味しかったように記憶しています。


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