かたまりとしてのスケッチを考えてみたい
本日は絵に関する記事です。
スケッチに慣れる意味では、あまり輪郭の細かい部分に神経を注ぐより全体を塊りとして、この場合はシルエットとしての形を素早く描くことができれば良いと考えます。
普段絵を描いていて、いちいち下描きをしてあれこれと言うよりはいきなり描いてしまいたいことが普通にあります。アイデアスケッチなんかでは特にそうです。そういう時に、何から描こうとするでしょうか。余程変わった人でなければ大雑把な形から描きます。従って、なるべくは全体の大まかな形を印象的にとらえる練習が良いのではないかと思います。しかも、線描だけのスケッチでは目的の達成には限度があるように思われます。
するとやはりこの手の考え方はあるようで、そのような練習方法が存在するようです。見えている事物にはすべて正確性よりも重要な部分があって、そこに辿り着く工夫をしたいものです。
人を描く場合でも他のものでも同じことで、なるべくは大きな明暗の形を選び出して置く。これは言ってみれば面描と言えますが、突き詰めると点描と同じです。あまり細かい点でとらえていては素早くという訳には行きません。なのでなるべく大まかな明暗に分解するのです。トーンの幅は一般的には三段階もあれば十分だと私は考えます。後は成り行きでどうにかなるとの考えです。
しかし大雑把な形を選び出すのはそれなりの観察と訓練が要ることも事実です。単純化は複雑化よりも難しい理屈ですね。
船を描いてみたいと思います。ぼんやり全体の面を描いて、なんだこれって感じで良いのであれこれやってみましょう。ぼんやりで全然オーケーですね。
で、上に重ねる。それもなるべく細かくならないようにします。そう言うのは後回しで良いとの考えです。
見えている如く、これは軍艦です。子供の頃には良くプラモデルを作りました。安いのばかりでしたけど楽しかった思い出があります。でもこれはなんとなく日露戦争当時の軍艦に見えますね。あの時代の軍艦は割と面白い形をしていると思いますね。
同じようにして描いた戦車。言わずとも分かりますが、どこかのと似てますね。あれは砲身がもっと長いですけど、紙の都合ですねこれは。
これは精緻な絵を描くのとは別の練習ですが、不透明であればこの段階から細かい部分に攻めて行けます。もっとも、寸法までの正確性を必要とされる場合は違ったトライが必要です。それらの絵は図面としての意味を持ちますので、ここでやっているようなシーンとしての表現とは違った練習が必要でしょう。
しかしながら、大雑把な形がとれるということは絵を描くうえでは非常に重要だと思います。そこから入るのが理にかなっていると私は思います。描く人は必要に応じて、そしてその時の自分の立場から重要と思われる練習をすれば良いのだと思います。私としては、まず明暗で描けることと、形のそれらしさが描けることはとても重要だと考えますので、このような練習を普段やっております。最初は全然形にならなくても全然平気。とにかく細かくアタリをとって描くことから少し思考を変えることを試みたいところです。
多少の興味でも持っていただければ幸いです。なお、キャッチの画像は形ではなく不透明で明暗のイメージだけの絵です。それでも形と言うのは、ないようでいてあるのですけどね。
では良き日を。
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