ワニの死よりも怖かったこと
100日後に死ぬワニが今日死んだ。
このタイトルと言葉で「あの話だな」ってわかってくれる人しかこの記事をクリックしていないとは思うけど、何の話かよくわからない人、ネタバレして欲しくない人は読まないでね。
死ぬことがわかっているのに熱狂していく人たち
私は100日後を迎えた今日までやっぱりきくちゆうき先生をフォローすることができなかった。
きくちゆうき先生が嫌いとかじゃない。単純に怖かった。
タイトルの通り、100日後に死んでしまうとわかっているワニの生活を毎日見続けるのが怖かった。だってワニの毎日に寄り添ってワニが死んじゃったら絶対悲しいじゃん。
そういう理由でペットを買うのも怖いんだ。自分より先に死んでしまう命は悲しい。
ということで私は100日全部のワニくんを知ってるわけじゃない。なのにこんな考察書いてごめん。
いつの間にかスタートした100日後に死ぬワニの連載は、実は1日目から知っていたわけじゃなくて、それでも比較的最初の10日目くらいからはちょこちょこツイッターのタイムラインに現れるから存在を知ってた。
フォローしていないのにタイムラインに誰かがリツイートしたものや誰かがいいねしたものが流れてくるから存在をずっと知っていた。でもやっぱりきくちゆうき先生のアカウントに飛んで今までアップされたワニくんの日常を全部追う、ということはできなかった。愛着が湧いたらいけない。
でももう死ぬまで80日目を切ったあたりからは毎日のようにタイムラインにワニくんが流れてくるようになった。フォローしてないのに。
気になるから見てしまう。
そうやってきっとみんなも見てるんだと思う。
でもそれって怖くないか?
みんな死ぬってわかってるワニを見て熱狂している。怖い。
書籍化に怒る人たち
死ぬ前日かな、100日後に死ぬワニの書籍化が決まったというニュースが流れた。
「ツイッターで連載していたものが書籍になるなんてすごいな〜〜!」なんて思ってたけど、そのニュースツイートにぶら下がっているコメントを見ると、「金儲けとかしらけるわ〜」的な批判ツイートが多かった。
そもそもきくちゆうき先生は漫画家さんで、絵を描いてお金を稼いでいる人のはずなんだ(きくちゆうき先生を知ったのはワニくんからなので私も知ったかぶりなのだけど)
でも怒ってる人が結構いた。これも怖かった。
無料で読めていたものが有料になると怒る人がいるんだ…
別に今までのツイッター連載を読んでた人全員が絶対本を買わなきゃいけないわけじゃないのにね。
100日目の予想に怒る人たち
100日目の予想がどんどん出てきた。
サスペンスドラマの最終回予想と似ているなと思った。
でもその予想に怒ってる人たちがいた。
100日目の朝にはテレビでの特集もしていたらしく、そこでも100日目の予想が披露されていて、それに怒っている人たちがいたの。
「100日目の予想をするなんてナンセンスだ!」と。
でもそういう予想をする余白があるからこそこういうコンテンツは面白いんじゃないかな?と思った。何に怒っているのかよくわからない。
「きくちゆうき」というアカウント名で同じようなタッチで100日目のワニくんをアップしている偽アカウントもあった。騙されかけた。これはちょっと怒ってもいい。
フォロワー数が少なかったのと、そのツイートのリプ欄に「偽物ですよ!」というコメントを見つけて偽物だと気づいた。一瞬信じかけた。だってワニくんの100日目だもんね。…ハッ!フォローしていない私もまんまとワニくんんの100日目が気になってしまっている…湧かないようにしていた愛着が湧いてしまっているのかもしれない、怖い。
インターネットリテラシーを問われていると思った。
「死なないで」と言っていたのに「早く死ね」と言い始めた人たち
どうやらワニくんの日常は毎日19時にアップされていたらしく(今日知った)、19時になる前からタイムラインが騒がしかった。
「あと何分で…」「ワニくん死なないで…」「19時になったらワニは…」というコメントが見られた。
ワニくんの最期にドキドキしたくなかったので、帰り道に買い物をした。気を紛らわしながらツイッターを開いたら19時8分だった。
なんとまだ100日目のワニくんは更新されていなかった。
「更新しない、ということでワニくんは死んだことになるor死なないことになる」「100日後に死ぬのはワニじゃなくて作者だったのか…?」みたいなコメントが見られた。
そして衝撃的だったのが、さっきまで「ワニくん死なないで」と言っていた人たちが「早く死ね!」「ワニマダァ??」と言い出していた。
みんな今日死ぬワニくんの最期の様子が知りたくて、うずうずしていた。これも怖かった。
追悼ポップアップショップ
ワニくんの最期は無事更新された。
一回読んだだけでは意味がよくわからなかった。
ツイッターで色々な考察をしている人がいて、「多分こういう意味なんだろうな」という答えにやっと辿りつけた。
思えば今までのワニくんの連載も「これどういう意味だ?」というところが結構あって、だからこそ色々な憶測が生まれたんだろうと思う。
リアルタイムにワニの死までの時間をみんなで見守るという狂気と、この憶測することができる余白がきっと社会現象と言っても過言じゃないほどコンテンツをバズらせた。
そして衝撃だったのが…
もう追悼…
追悼としてのPOP UP SHOP…
POP UP SHOPっていうか追悼がポップすぎる。死んだその日にポップに追悼されてる…怖い。開いてみたらグッズ多すぎた。
悲しい最期がわかっている怖いコンテンツだったけど、それ以上に怖いことがいっぱいあったな、って話でした。
内容とは別に、コンテンツマーケティングとして非常に勉強になるところが多かったです。
おしまい。
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