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街の個性よ、いずこへ‥‥全国のミニ東京化がちょっと淋しい。


原宿が爆発的なブームを続けていた(記憶では1990年代?)以降
各地を旅行して感じたこととは…

全国の観光地の原宿化


鎌倉小町通り、千駄木、谷中そして湯布院までがワンパターンで個性がどんどん失われてつまらなくなっていくという印象を受けた。
まるでひとりのデザイナーの企画で統一されているような印象。

ある時期からはインバウンドを意識した、彼らの求める日本的イメージを追っかけてるだけのような、取ってつけたにわか“和風“の氾濫。

いわゆる、小洒落た感じの店構え。お上品で綺麗になりすぎているのも少し疑問。


以下は勝手な私の感想で、都市研究家にはもちろん異論もあるだろう。
これらの現象は、原因の一つに、
東京の大学や専門学校で学んだ建築家や起業家がUターンして、地元の家業を継ぐというパターン。そして彼らは洗練された店構えへと、次々と変貌させていった。

そうした世代間の意識の変遷。
さらに情報伝達手段の革命的な変化による、地域間格差の解消。
一言で言えば、全国総ミニ東京化。
ついには日本国中、都市の駅前の風景が全く区別がつかないことになる。

これらとは対極にある例として、個性ある風景を守り続けている
月島もんじゃ通り。

決して外見のデザインのオシャレさはなくても、古い店構えでも、それぞれがバラバラな存在でも、地域に圧倒的な差別化としての個性がある。

かりもの、真似事、軽薄さ、媚び
など一切感じさせない。
そして、7〜80件あるどの店もリピート客で大繁盛。わかっている消費者は、みてくれなど気にしないようだ。

築地の場外市場も同様で、大地震にはとても耐えられなさそうな店が大半なのに、連日大変な賑わいである。
むしろその猥雑さに惹かれる側面があるようだ。

大規模開発が拍車をかける
無個性化


実はこれと全く同様の現象を、大手ディベロッパーの大規模開発に見る。
次々と街の風景を一変させる巨大ビルの下層階にひしめく商業施設、大半が聞いたことのあるチェーン店。
当然並ぶ商品も同じ。

開店したては、一か月ほど入場制限で、延々と並ばされる。一年もすれば、閑古鳥のフロアー。
大袈裟でなく、嫌というほど目にする光景。消費者もやはり「またか」という捉え方になってきてるのではないだろうか。

これに関しては、どういう構造で採算が成り立っているのか、不思議でならない。
単に私の知識不足なのか。
どこかに皺寄せがいっていて、しかし、そのさきの企業の中でも帳尻の合うような仕組みが出来上がっているのかもしれない。

こうした現象は学生の頃読んだ本に既に予言されていた。
『すべての小売店、飲食店は、いずれすべてチェーン店化する』

ホールディングスの隆盛など、微塵も感じられ無い時代の卓越した見解に今更ながら関心する。

いろいろ偉そうに言ってきたが、
私自身、代替案があるわけではない。きっと資本主義経済の宿命としての歴史を粛々と歩んでいるだけなのかもしれない。

ただ、国内で旅をするたび、なんとなくつまらなく寂しくおもう。
それだけなんだけど‥‥





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