Eveくんの凄さは、「ネット界を牽引するシンガーソングライター」なんてチープな言葉では表せない
※2019年2月6日のブログ記事より。
音楽業界の皆さま、もっとEveくんの音楽を聴きこんでおくれよ!
「ネット界を牽引するシンガーソングライター」だとか、「MV の総再生回数は1億回!」だとか、そんなコピペしたチープな言葉でEveくんの凄さを表現しないでおくれ。
Eveくんとは。
元々は歌い手として動画をアップロードしたのが始まりで、その活動歴は2009年からと結構長い。
作詞・作曲も始めたのは、第2次ボカロブームが起こった2015~2016年頃。もちろんボカロ歌唱バージョンでも楽曲は発表しているけれど、歌い手としての実力もあって、魅力的なのは自身の歌唱バージョンだ。
個人的にとにかく衝撃が走った楽曲は、2017年5月に発表された「ナンセンス文学」。
イントロから始まる、キャッチーなのに不可思議な旋律。
ふざけたような言葉選びなのに、何故か陰鬱さも感じる歌詞。
淡々と歌詞を読み上げているだけなのに、どこか狂ったように感情的な歌声。
Mahさんが描く、可愛さと不気味さが同居しているキャラクターたち。
たった3分半で、まるで映画を見ているかのような没入感を味わえる、独特の世界観だ。
そこには、かつてのニコニコ動画特有の閉塞感はない。
むしろ現実よりもだだっ広い“Eveワールド”が待っている。
自身で全曲の作詞作曲を担当するようになったのは、2017年12月に発売された4thアルバム「文化」からだ。
その前の「OFFICIAL NUMBER」まではナユタン星人提供の楽曲もあって、それこそボカロP・歌い手感も残っていたけれど、「文化」からは“Eve”というジャンルが確立された。
Eveワールドは、画面の向こう側だけに収まっていない。
ファッションブランド「harapeco商店」を立ち上げて、ポップアップショップを随時展開している他、2018年には初のワンマンツアー「メリエンダ」を開催した。
そのライブの完成度の高さは、以前記事にも上げた通り。
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最新アルバム「おとぎ」は、トイズファクトリーからのリリース。
大きく銘打ってはいないものの、つまり“メジャーデビューアルバム”だ。
しかもたぶん、トイズファクトリーは本気で仕掛けに来ている。
タイアップもついたり、露出も大幅に増えている。
でもまだ一部音楽メディアが、コピペしたチープな言葉で簡単に済ませてしまっているのが残念で他ならない。
もう1度言う。
「ネット界を牽引するシンガーソングライター」なんて表現に、Eveくんは収まりきっていない。
米津玄師が紅白歌合戦に出場してお茶の間を代表するアーティストになっている時代に、Eveくんを「ネット界」なんて小さな世界に押し込めるのは間違っている。
Eveくんは、「日本を牽引するシンガーソングライター」なんだ。
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