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2023 旅日記 島修行編 5

日付をまたいだ午前二時。
ふと悪寒がして目が覚める。なんだか喉が痛い。咳も出る。嫌な予感がして、急いで荷物のポーチをあけ、風邪薬を飲む。のど飴を口に入れ、マスクをして横になる。体温計がないので、熱があるかはわからない。

正直、心当たりは色々ある。ドライヤーが弱すぎて髪が完全に乾いてない状態で寝たこと、女将さんと親父さんがちょっと体ダルそうにしてたこと、お客さんのお子さんが体調を崩していたこと...幸い風邪薬はいっぱいあるので、飲んで療養するしかない。島到着数日で早速風邪をひいてしまったみたい。
今日は終日休みだから、しっかり治さなくちゃ。

朝起きる。仕事に慣れたせいか、6:30くらいにふと目が覚めた。のどの痛みや咳は悪化している。
今日はスケッチに行きたかったけど、終日寝てるべきだろう。かなり腰もだるい。女将さんには申し訳ないけど、船が欠航でよかった。

寝てると先生から連絡が来る。どうやら早めに食料を買い出しておかないと、船が来ないのでスーパーの在庫が無くなってしまうらしい。
こんな風邪っぽいのに、炎天下の中、坂道チャリか...本当に行きたくなかったが、まだそんな働いてもいないのにお宿の人に迷惑はかけられない。
なんとか自転車漕いで郵便局へいき、スーパーにて買い出しを行う。パンがない。在庫が入ってこないようだ。うちには電子レンジがないので、食べるものが限られる。とりあえずカップ麺をいくつか買い込む。

外に出ると、改めて絶対体調が万全じゃないことがわかる。そんな頻繁に体を壊すタイプでは無いんだけど、思い返してみると、ここぞという時に限って体を壊しがちだ。
こないだ体を壊したのは、家族で札幌旅行に行った帰りの日。お母さんの心配そうな顔が脳裏に浮かぶ。
あの時私は、熱にうなされながらも気分だけは楽しくいたいと、サブスクでディズニーランドの音楽を流して唸っていた。

私が修行に出ると、試練ばかり降りかかる気がする。実は昨年は島根県へ、2人の男子生徒と修行に行ったのだが、この二人がなかなかに問題児で苦労したものだった。
この2人も先生の教え子で同級生なのだが、とにかくノリが軽くて、地域のお祭り行くために仕事を放り出したり、パスポート取りに行くとか言って修行中に島根から関東に帰ったりする。私はその尻拭いをしつつ働く日々だった。さらに、この修行の後にはベトナムのプロジェクトも控えており、その準備も進めなければならなかった。(今年はカンボジア)本当に、昨年から楽しい夏休み続きでなによりだ。

午前中のうちに宿に戻り、ずっと寝ていた。
明日も船がほぼ欠航でお客さんが来れず、終日お休みになってくれた。女将さんには申し訳ないが、ありがたかった。

本当は言いたくなかったけれど、体調の件を女将さんに伝えると、女将さんは体を冷やすものを持ってきてくれた。少し話を聞いてみると、どうやらお宿の方にもう一人発熱した方がいるらしい。流行ってるのかな。私は絶対髪を乾かせなかったせいだと思っているが。

実はタイへ4泊の視察へ行った時、ドライヤーを使えたのは一日だけだった。でも、風邪をひかなかったから、少しくらい濡れたままでも大丈夫だと思っていた。しかしどうやらそれが致命傷となってしまったようだ。

先生が島の人に余ったドライヤーがないか聞いてくれて、私はなんとかドライヤーを借りることが出来た。ここの宿で私は22:00以降じゃないとお風呂に入れないので、ドライヤーを貸してくれた人の家でシャワーも借りる。髪をしっかり乾かして、部屋へ戻った。

夜になると、体温計なくても熱出てることがわかる。顔が熱いし、寒気もする。混乱して暖房をつけた。熱にやられてぼーっとしてると、かなり大きいカナブンが部屋に入ってきて飛び起きた。同居できないレベルの大きさ。私の試練は続きそうだ。今年の修行も、ある意味実りがたくさんありそう。

正直、お仕事はそんなに心配してないけど、一人で療養してると結構心細くて寂しい。誰か一人でも知り合いがいると嬉しいから、先生に早く来て欲しいのだけど、台風で飛行機や船は動かなさそう。
お客さんが来れない間に、早く治さないと。

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