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2023 旅日記 島修行編 7

今日も朝5時頃に目が覚めた。
いつ寝たのか記憶が全くないが、久しぶりにぐっすりと眠れた気がした。
体調はとても良くなっている。熱が下がって体のだるさが無くなった代わりに、鼻水が時々垂れてくしゃみが出る。

島は今日もとっても穏やか。台風が来る気配が感じられない。
少しだけ外に出て空を眺めると、高い雲と低い雲が逆方向に流れている。
島は山もあるし、天気が変わりやすいけれど、今日は通り雨さえ無かった。だけど船が来ないので、もちろん仕事無し。
今日もすることは療養だけ。

夜になると、女将さんから連絡が来て、餃子を焼いたから食べに降りてこないかと言ってくれた。マスクをつけて降りると、食卓を囲む家族のひとりがおでこに冷えピタを貼っていた。
一緒にお仕事をしてくれた、女将さんの妹さん。
子供たちが熱を出してしまったらしいので、妹さんにもうつってしまったのかな。

餃子とゴーヤーチャンプルーをいただいたあと、洗濯物を持って洗濯場に行った。
ベランダを出たところにある建物。

※この先、Gの話、軽い怪我の話が出ますので苦手な方は注意。

洗濯場には、電気がない。
私はスマホのライトをつけた。
嫌な予感がするので、洗濯機に近づく前によく照らして目をこらすと....やはりいた...G。

正直、虫は触れないし殺せないくらい苦手だった。Gはもちろん、大きな虫は北海道にはあまりいないから。
それでも田舎にばかりインターンへ行っていたから、今ではティッシュの箱さえあれば大体の虫は仕留められるし、ダメだった虫は諦めて同居することが出来るくらいに成長した。

でも、大きめな虫だけはどうしても克服できない。視界に入るだけで心臓がヒュっとしてしまう。

洗濯機の足元で、Gはカサカサと往復する。
私は洗濯を回したいだけ....!
恐怖を抑える術がなく、怖...怖い...とブツブツ呟いてしまう。
とりあえずどこかに行ってくれればいい。
足元のスリッパを拾って投げる。
あれはサッと部屋の奥へ逃げていった。

ほっと一息ついた後、恐る恐る洗濯機へ一歩足を踏み出した時だった。
いきなり、ものすごい羽音とともに黒い影が私のスマホライトに向かって飛んできた。
この時ばかりは本当に声が抑えられなくて、夜だったけど叫んで逃げた。
しかも追ってくる!!

正体はカナブンだった。
本当にどこまでも私を悩ませてくれる。
Gは大人しくしてくれていたというのに...!
情けない話だが、私はこれがとんでもなくトラウマになってしまい、その日は洗濯を諦めて半べそで部屋に戻ったのだった。

私は一人部屋に戻って、しょんぼりしていた。
もう忘れて寝よう。
顔を洗うため部屋を出ると、廊下に一滴の血痕があった。
混乱して思考停止。
まだ赤くて明らかに新しい。

心当たりのない血痕に私はドキっとしながら慌てて原因を探した。
とりあえず体に傷が無いか確認した。
右足の指が血まみれになっている。

よく見ると、右足の小指が小さくえぐれていた。薬指から中指にかけても皮がめくれて血が出ている。
慌ててティッシュで抑えるが、なかなか収まらないくらいには出血してしまっていた。

初めは、なにか虫に噛まれたのかなと思った。
しかし、おそらく洗濯場から逃げ帰る時、本当に記憶にないのだが、どこかにぶつけてしまったのだろう。
Gと対峙した際のアドレナリンで全く気が付かず部屋まで戻ってきたのだった。
気づいてしまうと、ズキズキと痛む。
ティッシュを細く畳んで、包帯のように足の指に巻き付けた。

足の処置をしていると、脳裏にハナちゃんとののさんが過ぎった。
自己紹介記事にて、人物紹介があります。

この島日記を読んでいただいている方々は、察しがついているかと思うが、私はかなりポンコツなのである。
ゼミではそれをひた隠しにしていて、気づけばとりあえず頼れる女としてあらゆる仕事を引き受ける羽目に。
頑張ればこなせる仕事なので、周りにはこのポンコツさがバレずに済んでいる。(と思う)
しかし、ゼミ生のなかでもハナちゃんだけは

「ゆりかちゃんて、ダメだねェ」
「ほんとポンコツだねェ」

と、この本性に気づいており、実はそれがなんだか嬉しかったりする。
おそらくののさんも、この場にいたら

「あんた、バカだねぇ」

と、笑って言うだろう。19歳の頃の私は、ののさんによくそう言われていたものだった。

今日は何も無い1日だったはずなのに、やたら長くなってしまった。今日はこれでおしまい。
私の風邪と足の指、早く治ってください!

みなさんも、怪我にはお気をつけて。
おやすみなさい。

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