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2023 旅日記 島修行編 4

今日も昨日と同じ7:30出勤。
昨日はお仕事をやりながら覚えてくださいね〜という場面が多かったけど、今朝はもうワンオペ。一人の従業員として認められた気分で嬉しかった。
部屋のお掃除も、昨日よりテキパキ終わらせることができ、女将さんを早めに休ませてあげることが出来た。お洗濯物とお風呂掃除をして午前中のお仕事はおしまい。
今日は欠航している船が多いためお客さんが少なく、午後の仕事はお休みだそうだ。明日の朝も休みらしい。

部屋に戻って少し休むと、先輩から電話がかかってきた。
私はこの先輩に履歴書の添削をお願いしていた。最近は東京と家を往復したり、この修行の支度に追われていたりと忙しく過ごしていたため、履歴書の締切は目前に迫っていた。

ここで、この先輩について少し紹介しておきたい。この先輩は、私と同じく先生の教え子で、今は東京で働いている。
この先輩は、かなりの変わり者で、今まで積んできた人生経験や賢さにおいては、そこら辺の大人にも勝る点がある。
先輩と先生と私は、宿泊業の視察で共にタイへ行ったのだが、その際に仲良くしてもらい、東京を色々案内してもらったり、お勉強や将来についての相談に乗ってもらうようになった。(タイ編もかなりすごい旅だったので後日投稿したい。)

先輩は本をよく読んでいて、履歴書の指導が終わったあと、「芥川龍之介の桃太郎面白いから読んでご覧」と言ってた。
どうやらネットなどで、無料で読むことが出来るらしい。

平和な鬼ヶ島を血の海にし、殺戮を繰り返すイヌサルキジと、鬼たちに憎しみを植え付ける美しい顔立ちの桃太郎。大虐殺の物語。あまりにも酷すぎて笑ってしまった。

電話を終え、履歴書を提出し終えた私は宿から自転車を借りて、スケッチブックとペンを持ち海へ。海は相変わらず青く美しい。こんなに穏やかで綺麗なのに、船は全部欠航しているらしい。果たしてこれからどう荒れることやら。

堤防とそこに並ぶ建物をスケッチし終えたあとは、音楽を聴きながらご機嫌で浜辺を歩く。まるで自分が何かの主人公になったかのような気分。最高だ。

ひとしきり砂浜に足跡をつけた後は、自転車にまたがり宿へ戻る。この自転車はブレーキがやや壊れていて、坂が多いこの島で乗るには向いていない。手がつりそうになるほど強く握りしめても、坂道では全然止まってくれない。対向車が来ないことを願うばかり。

宿に戻ると、女将さんから連絡が来た。どうやら明日も船が全便欠航なようで、一日中お仕事はおやすみらしい。

仕方の無いことだ。明日はどこかへスケッチにでも行こう。外食してみるのもいいかも。
しばらくはお仕事の無い日々が続くが、今のうちに島ライフを満喫しておくのも悪くないかもしれない。

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