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凪。

 だんだん夏に近づいてきていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私はどんな暑さであっても歩き続けています。

 今日はどこからも何の反応もない、いわゆる海でいう時の「凪」という状態でした。最近はあまり海釣りに行ってないですが、よく凪の状態の時は潮の流れが止まって、魚も釣れなくなります。こんな時は一応竿は置いてあるのですが、ご飯を食べたり他の釣り場を見に行ったりと、本来の魚を釣るという目的とはあまり関係ない行動をとることが多いです。

 おそらく人生でも凪の時間というのがあるのではないでしょうか。確かに凪になると不安な気持ちになることも多いと思います。私も実際「どうしてどこからも何の反応ないの?メールぐらいあってもいいのでは?」等と思ってしまいます。今までの自分であれば、「こんな自分ではダメだ。気持ち切り替えよう。」といってキツめのコーヒーを飲んだり、音楽をガンガンにかけて大声で歌ったりして、無理やりテンションを上げようとしていました。ところが、今は少し違います。ものすごく客観的に「あっ、今私は不安な気持ちでいっぱいになっている。人間らしくていいね。」等と思ってしまうから不思議です。おそらく私の身の回りで起きている現象は大きく変わっていないのにも関わらず、同じ現象でもその捉え方によって全く別の景色に見えてくるのは、人間の成長によってこんなに見方が変わるんだということを改めて実感できる現象でした。

 とはいうものの実際に私を不安にさせる現象は次々とやってきます。昨日役所に行って健康保険の減免を申請してきました。失業中なのでてっきり無料になるかと思いきや、何と月4万円弱も支払う必要があると聞いて愕然としました。担当者の説明によるとこれまで私は上限に近い健康保険料を払っていたそうです。(実際には大学から支払われていたのでほぼノーチェックでした。)なので、収入がなくなったとはいえ、急にゼロにはならない制度だそうです。がっくりしながら支払書を受け取って、これからどう払うか考えこんでしまいました。失業者にとってはなかなかきつい仕打ちで、となりのブースの男性は窓口でそんな額を払えないと言って立腹されていました。年金は減免になるので、同じように健康保険も一旦減免して働き出したらその分追加徴収するような仕組みにしてほしいですが、おそらく無理なんでしょうね。こういう小さなボディブローがダメージになります。

 少し嫌な思いをしているとJREC -IN Portalで学科を新設する大学の募集案内がありました。開設予定が少し先なのですが、文部科学省への届出が関係でその申請に見合う人材という条件がつけられていました。実は私は以前別の大学の非常勤講師をする際、新設コースのメンバーで申請された経験があります。その経験からおそらく今の経歴であれば、文科省の申請で使ってもらえると推測していますので、採用に有利に働くかと思いますので応募しようかと考えています。

 今日は電車に乗りましたが、途中大学前の駅があってそこで大学生がどっと降りていきました。その姿を見てやっぱり大学生はいいなと思いながら、次の駅で降りました。こんな何気ない日常の光景も素敵だと思えるようになった自分が、何となく好きになってきたので今日も良い1日だったと思います。

 これから大学教員になる人は、人生の凪でもその光景を楽しめることができる人になってほしいと思います。もし、大切な人がそばにいれば凪の風景もキラキラと輝いて見えるような気がします。

(最近筋トレにハマっている元准教授でした。行くぜシックスパック!!)

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