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初めて映画を撮ってから考えたこと

先週の金曜日から火曜日まで、自分の初めての映画撮影をした。
本当に自分が好きな人たちに集まってもらったとてもいい五日間の記録。

最初に言っておくけど、

別にこれから自主映画を作りたい!と思ってる人が参考になるものでもないし、すごく長くなっちゃって読みやすいものでもないです。

タイトルの元ネタは

これなんだけど、最初の現場で撮りながら記録するとか作品以外の事を考えるなんて余裕は全くなく(元々は動画でどうやって作ったか撮ろうと思ってた。)スケジュールと撮って(から一週間たって)から考えた事、感じたことを書いておこうかと。

3/20(金)
8時ごろに起きる。前の日は「寝ても覚めても」と「ハッピーアワー」の予告編をずっと観てた。ロケは自宅で行うので掃除も。

午前中は備品と夕飯の買い出し。夕飯は手巻きずしにした。

13:30ごろに女優ふたりと制作の一人がウチに来てダラダラおしゃべりしてる。今回のメンバーは基本的に僕以外とは初対面の人たちだったからなんとなくだらだら話す時間がそれなりにあるといいなとは思っていたんだけど初っ端から割といい雰囲気で始められた。

15:00ごろに美術が来て、撮影するセットになる部屋を組み始める。
セット組むといってもほぼそのままで、壁に借りてきた写真を貼るだけなのだけども。5人で写真を選んで壁に貼っていく。

17:30ごろにカメラマンが札幌から到着。
早速、画角を相談したり機材の確認を。
自主映画を作るのを経験してるのは彼だけだったからこれから買えそうなもので必要なものとかを教えてもらって、ご飯会開始。

19:00ごろに東京から来た女優×2が到着したみたいなので車で迎えに行くことに。
20:00ごろに全員揃った。
監督、撮影、美術・音響、製作、女優四人、その付き人三人、家の家主。12人。もともとの知り合い同士は久しぶりだったこともあって盛り上がってたけど全体はあんまり。明日からいい雰囲気でやっていけるかな。
22:00に解散。カメラマンは家に泊まってたから最近観た映画の話とかを0:00くらいまで話して寝た。すごい風吹いてた。明日から大丈夫か。

3/21(土)

7:30ごろに目が覚めた。
朝ごはんを適当に作って、昼御飯用にカレーも作る。
正確に言うとカレーにもシチューにも出来るようにしてたんだけど、カレーが嫌いな奴もシチューが嫌いな奴もいたから僕の気分的にあとでカレーにした。

10:00過ぎにみんな集合。
本読みを始める。
シナリオを配ったのは2週間前くらいだったけどその間に絵コンテ書きながら変更もあったし、みんな修論書かなくちゃいけなかったからそんなに準備できてなかった。とりあえず一回通して読んで言い難いセリフとか気になるセリフを直していく。LINEで電話したりチャットで気になるセリフは言って欲しいと個別で連絡とってはいたけどやっぱり全員で声出して読んで、面と向かった状態でやると気づく違和感はいっぱいある。一回一緒に映画を作っていたりしていると違うのかもしれないけど初めてなんだしリモートじゃ厳しいなとすごく感じた。リモートワークできるようになるのすごくいいことだと思うけど新しい事を始めにくくなるんじゃないかなと、全く関係ないながら心配した。

ある程度、セリフがまとまってきたら(11:30位)何度もニュアンスを抜いてセリフを読み続ける。「カメラの前で演じること」に出てくるやり方を出来るだけ忠実にやろうとしたけど終わったから読み返すと「本に書いてあったのにやらなくてやればよかった」と思う事がいっぱいあった(スピードを変えてやってみる。等)

12:30位で一度区切りをつけてお昼タイムに。カレー作ったけどみんなラッピ食べに行っちゃった。

13:30からまた本読み再開。すぐにみんなおなか一杯になっちゃったのもあって眠くて全然集中できてなかったから、やってもしょうがないなと思って休憩にして買い出しに。テープと黒い画用紙と電球のソケット買いに行った。

帰ってきて16時くらいから部屋を実際に撮る状態にして動きを付けていく。
前もってコンテは書いてあったんだけどこの日に撮る予定の2シーンはバシッと思いつかなかったからカメラと相談しつつアングルも決める。それと並行して女優陣のメイクと衣装チェンジをした。とりあえず前半のシーンは8カットになった(二分くらいの想定)。決まった後に何度かリハーサルをして18:30に日が暮れてから撮影開始。

完全に初めての監督で指示を出すとかそういう次元じゃない。
目の前で起こった事を受け入れて、良かったらここは良かったと褒めるくらいで精いっぱい。そんな状況だったからいいものが来るまで待つしかない。
そもそも、何がいいものだかも分からない。困った。
今回の撮影のルールとして「22:00には絶対に終わる。」というのがあったので結局2シーン撮るはずが1シーンで終わり。(高校生がいたからここは変えられなかった。)
全部終わった後に、「これじゃ撮り切れないな」と思ったとみんなから言われた。

みんなが帰った後にPremiereで仮編集しながら素材を見ると意外とよかった。一安心はしたけどこのままじゃスケジュールがまずい。
方針としては
1、全体的にシーンの中のカットを少なくする。(一つのカットを長く)
2、この日に撮るはずだったシーンを翌日夜にして、そこで撮るはずだったものを夕方、日が弱まったらどうにか誤魔化して撮る。
3、最悪切ってもいいシーンを後回しにする(&打ち上げは無くなる)
の三つ。
女優陣は経験はほぼ無いけど、場の感覚を上手く捉えてたし普通に頭が良いからカットが長くなるのはあまり問題ないと思ってた。
夜のシーンを夕方にするのは一つは窓のない洗面所のシーン、もう一つは遮光カーテンのある寝室だったので(遮光は甘いけど)なんとかするしかないという事で決まった。
とにかく、監督として判断しなきゃいけないのはどこなら切っても成立するかは考えなくては。。。と思いながらも初めての撮影で頭も体も心もグロッキー状態だったからマジで明日どうすればいいんだ。。。とか考えながら2:00ごろ寝た。

この部分書いてて思ったけどこの日両親の結構記念日だった。
毎年なんかメッセージ送って気がするけど今年は一秒も思い出さなかった。ゴメンね!

3/22(日)
一回うなされて四時くらいに目が覚めて、二度寝して6:30位に起きた。
朝ごはんはカレー。
8時集合にしたけど8時には当然のように集まらない笑

今日は日中に4シーン(夜から回した分2シーンとロケ1シーン)、夜に昨日撮り切れなかった1シーンを撮る予定。
昨日の反省を活かそうと思ってやったことは2つ。
・腕時計を付ける。常に時間を意識する。
・シーンを撮り始める前にカット数を決める。多いなと思ったら減らす。
 (多いか少ないかの基準はあまりなくてフィーリングなのだけど)
・今は何の時間なのかを自分で意識して、出来るだけ伝えるようにする。
 (「カメラ、照明の位置決めたいから芝居して」等)

朝はアパートの二階と下の道にいる人が話すシーンを撮影した。
指示出して、画を見て、指示出してを繰り返して上ったり下りたりが大変だった。確かにこういう時にトランシーバーがあると便利なんだろうなと感じた。遠くにいる人たちに一気にコミュニケーションできるのはストレス減るなと思う。このタイミングでマイクの電池が切れて近くのホームセンターまで買ってきてもらった。
ここは階をまたいだ切り返しを撮らなきゃいけなくて7カット。
このシーンが11:30に終わって焼き鳥弁当注文して、ロケ地に移動。

車で10分くらいで着く海辺の公園に移動。撮影場所と何となくのカメラ位置を決めてお昼休憩。風が吹いててちょっと寒かった。午前中は暖かったからみんな油断して僕も上着持ってこなかった。失敗。
ここは5カット。二時に終わるといいなと思って二時に終わったから予定通り。外ロケでほぼ動きが無くて話すだけのシーンだったんだけどカメラに着くとあまりセリフが聞こえなかったのでそこは編集してないけどちょっと心配してる。動きはとりあえずこんな感じでやってみてーと指示を出したのが一回ですごくハマったのが時間が巻けた大きな要因だと思う。

二時にロケが終わって2時15分頃に帰って少し休憩して15時ごろから撮影。
セリフ無しの動きだけの狭い場所だったから勉強も兼ねて照明を習いながら一時間半位かけてゆっくりやった。電気付けたり消したり電球を一個いろいろな場所に動かしていく中で表情がすごく変わっていくのが面白かった。ここは3カット。予定通り。

16:00ごろからは寝室で二人のシーン(姉妹)。
薄暗い中で照明を少し明るめにしてカーテンから透けてくる光を目立たないようにしてから露出を下げて夜っぽさが出るようにした。
このシーンはカメラポジションをイメージしてあったんだけど、リハーサルやってるときにカメラマンが提案してくれたポジションがすごくよくてそこから長めに撮った。

このシーンは全然性的なイメージを持たせるつもりは無かったんだけど、さっきのカメラポジションがすごく良い上にエロいなと思って興奮してそこを採用したんだけどそれが作品の中で正しい(?)、適切な意味になってるのかは編集したときにどうなるかすごく楽しみ。
本番やってる最中に制作から「このあとどうすればいい?」と電話がかかってきたけど余裕なさ過ぎてぶっきらぼうに対応しちゃったの少し反省。

これが17:30ごろに終わって寝室がとりあえず今日は使わないからリビングのシーンを撮るためにリビングに置いてあるソファーとか個人の荷物を寝室に投げ込む。これトータルで四回か五回くらいやった。そのせいでいろんな物が無くなる。。。

今日の課題はやっぱり撮り切ることだったんだけど、意外と役者にもカメラにも指示出来ているような気がする。時間も予定通り。いいぞ、いいぞ。
ただ、ここからのシーンが一番セリフ多くて話の「転」になる部分。大事なところだなと思って気合を入れなおす。

18:00ごろからセットが組めてリハーサル始めた。
女性四人で話を続けるシーン。動きを付けるのも想像だけでは難しくてそこからやらなきゃいけなかった。動きはある程度付けたけどそれでも少しでも画面の強さが欲しくて切り返しで場面が持つようなカットをかなり悩んで工夫した。多分7時過ぎくらいにイメージが決まったような気がする。全部で7カット。カメラのポジションを決めるためにかなりリハーサルをしちゃったから芝居が何となく擦れちゃった気がした。上手になってるとは思うけど他の(あまりリハーサルに時間を割けなかった)シーンと比べると異質な雰囲気が出ているような気がした。この日は朝からずっと撮影してたし慣れてったのもあるかもしれない。すごく良いけど何か違うな、どうしようかなと思っていたんだけどカメラテストの時は力が抜けて異質さが無い事に気が付いたから、カメラと音響にだけ声かけて「テストー」って言いながら本番撮ってた。一応気づかれないようにそのあとに「本番ー」って言ってカメラ回したけど多分使わないと思う。頑張ってくれたのにごめんね。


意識してやったのは出来るだけリアクションから撮っていくこと。アクションはどっちにしろ意識が出ちゃうし、それならリアクションから撮った方がいいものが撮れるだろうと思ってた。けど実際に現場で見てる感覚だと逆だった。アクションは最初のテイクが一番良かったような気がしたし、リアクションは何回かやっても納得できなくて細かく指示出してOK出した。元々の考えは割と筋が通ってるなと思うけど何が違ったんだろう。。。編集しながら考えてみたい部分。

このあと脚本書きながら笑いどころだなと思って書いたシーンを撮った。やっぱり普段から何かボケようと考えている人間じゃないからどんな反応になるかドキドキしてたんだけど少なくとも現場ではウケた!(ような気がする)あぁ映像になってもウケるといいな、、、、

このカットでどうしても出て行く扉を映したくて、動きと扉の両方が入るようなアングルにしたら「扉入れるとちょっと弱いけどどうする?」っていう話になってそれでも扉を入れたんだけど終わってから見たらさすがにこれは使えないかもな。。。っていうクオリティだった。。。。もうちょっと拘れば良かったー

で!9:45分くらいには撮り終えた!予定通り!素晴らしい!
多分、この段階で僕も含めてスタッフもここで「これ、最後まで行けるかも」と思えたと思う。結構盛り上がって(僕だけかも)餃子やってご飯食べて少し(?)お酒も飲んだ。12時前にはみんな帰ったけどカメラマンと二人素材見ながらで飲み続けて二時前くらいに「そろそろ寝ないと体持たんぞ」と言われて止められて寝た。完全にアドレナリンでハイになっちゃって寝れなくてベッドに入ったけど少なくとも一時間くらいは寝られなかった。人生で一番興奮した夜だったと思う(まだ終わってない)。ああ、映画作るって楽しい!

3/23(月)
さすがに朝からパチッと起きられなくて7時過ぎに重ーい感じで目が覚めた。朝ごはん食べなかったかもしれない。ちゃっちゃと準備して片付けして女優迎えに行った。

今日は3シーン。昨日とりあえず纏められたから今日は余裕持ってできそう(だと思ってた)。

最初は寝室の朝のシーン。隣のビルの隙間からから良い感じに陽がさしていてそんなに照明をやらなくても絵になりそう(だった。)このシーンはこう撮りたいって言うのが割と具体的にイメージ出来てたからそれを伝えてパッと準備できたんだけど、部屋が狭くて引き代が無い&動きがつけにくかった。まあ三日目だったから割とスムーズにできたけどやってるうちに日が陰ってきた。さすがにちょっと暗すぎて撮れなくてレフ版とかで何とかできないかとしたけどダメで結局照明組んだ。そこで時間が結構あったから何回も何回もリハーサルしたんだけど、丁寧に演出しようと思ったらいろんなことが出来るしもっと良いものが作れるんじゃないかっていう感覚がフッとあった。ここでは4カット。11時目標で11時に終わって完璧!次は外ロケ!

30分くらい準備兼休憩をして、ロケへ。
最初は函館山の手前を歩いて横切る引きのカット。
パラパラ雨の中でカメラ位置が決まってさあ撮るぞ!と思ったら雨が雪に変わって風も強くてちょっとした吹雪。結局撮れたか撮れなかったか忘れたけどとりあえず家に帰ることにした。天気はすぐに良くなりそうになかったし、寒かったからストーブガンガン焚いてご飯炊いて長い休憩にすることにした。眠い人は寝てるし音楽かけておしゃべりしながら餃子焼いてダラダラしてた。日中にこんなにリラックスしてるのは期間中無かったから楽しかった。

13:45頃に空が明るくなってきたから再出発。さっき失敗したカットをもう一回。さっきと同じ場所にカメラ置いて、一応マイク組み立てて、俳優をもとの位置に、、、とやってたら函館山に雲が、、、これは逆にいい感じ!と思ったけどあれ?結構がっつり来たな、、、え?雪?みたいなことをやってカメラ回した瞬間に完全に雪になって撮ったけどここは使えるのかなぁといった感じに。で一回は回して急遽コンビニに避難。ここはあとで撮ろうと思ってたけど忘れた。どうしても必要だったら人なしで今度撮りに行こ。(見返したけどすげえ雪。)

コンビニで休憩して五分くらいで天気良くなって、次の場所に。
普通の道で撮ったけど思ったよりも車が来る。
一番大事シーンでちゃんとやりたかったけど、なかなか集中できない。
今回の中では比較的長く撮りたかったんだけど、周りが気になる!
パトカーも来て、「詐欺には気を付けましょう」的な放送を大音量でかけて過ぎ去っていくし。。。完全にパニックになって、ここだけは演出でどうにかしなきゃだよね~って話してたところすっかり忘れてこうなると厳しいよねっていうパターンになってた。現場では全く気が付かなかった~。集中力というか冷静さは常に持ち続けてたいよね。あと、もし警察とか地元の人に声かけられたときに対応してくれるっていう役割の人が(無理だけど)いたらもうちょっと落ち着けたかなとは思った。

ここあとから振り返ったらもう一個シーンを飛ばしてて、大丈夫だと思うけど疲れてたのかハイだったのかパニックだったのか分からないけどやっちゃった。道路の使用許可とかお守り的に取っておくといいのかもなとは思った。

最後引きの長めのカットは天気が神がかってたなと思うからつながったらどう見えるかすごく楽しみ。だけどAFで撮ってて一瞬でピントが奥に行っちゃってもったいなかった。。。カメラに着いてる小さなモニターじゃピント飛んだの気が付かなかった。

このシーンの後に車に帰りながらカメラを適当に回してもらったんだけどそこの映像がすごくよかった。どれか使えるやつ本編に入れ込みたいな。

このシーンに入らない人は四時に部屋集合にしてたけど気が付いたら4時10分くらいでめっちゃ電話来てた。申し訳ないー。

そのまま部屋に帰ってあったまりながらゆっくり休憩。お化粧したり、お菓子食べてだらだらしながら頃合いを見てアフレコした。あんまりアフレコもどうしていいか分からなかったし、これを使う!って決めてる画があったわけじゃ無かったからとりあえずセリフ読んでるのだけ録音しといた。どうやって編集するかはこれから勉強しないと。。。

最後はオープニングの3カットを撮って終わり。ただ電車との兼ね合いもあるしカット割は完全に未定だった。18:30ごろに外も寒かったからカメラマンと二人だけで外に出てアングル決めた。
19:00すぎに決まって人を呼んで撮影開始。電車が絡むところはタイミング的にも難しかった。何回も何回もテストして良いところだったなとは思う。一回撮って出来が良かったからOKにして、また時間があったら戻ってこようと思ったけどそういうのは絶対戻れないなと思った。ダメだったら粘らないと。

ラストのカットはマンションのエントランスで映り込みするガラスが沢山&ドアが動くとAFがそっちに行っちゃうので端っこにちっちゃくなりながらパンしつつフォーカスマン無しでMFという今回最難の撮影で結局ここが、一番リテイクした。フォーカス合わない、フォローしきれない映らなくていいものが映る等等、、、15回くらいトライして成功!クランクアップ!!20:30くらい!

このあとちょっとだけ声撮って、4:30くらいまで飲んでた。

書くの疲れたから全体を通して思ったこととか改めて書きます。

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