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人の子よ、嘘のカーテンでツイートせよ!

~実名を使わないTwitterで個人を特定される理由とは?Twitterアイドルが斬る~

・はじめに

みなさんこんばんは、Twitterアイドルのゆめみがちです。今日も元気にTwitterを監視…もとい巡察していた所このような記事を見つけました。

簡単に三行で説明すると、
①現在就活を行っている企業は学生の「裏垢」を特定するよう動いている
②理由としては潜在的な危険性のある学生を除外するため
③第三機関である「企業調査センター」なる企業のサービスのようだがプライバシーの侵害であるという声もある

私がこの記事を見たとき、なるほどついに動き出したかという感覚でした。それは以前、リクナビがサイトでの応募状況や行動履歴から「内定辞退率」なるデータを作成して、企業へ販売していたという記事を見たからでした。

ここで重要となるのは以下のリクナビの弁明です。

「学生からは、リクナビ登録時に提示するプライバシーポリシーへの同意をもって、データの提供について同意を得ていた」

つまり、利用していい情報なら(採用の場以外から集めようと)問題はないと認識していた。という発言になります。

私は当時就活を終えたばかりの学生でしたが、

「なるほど、企業も馬鹿じゃないな」

と思ったものです。これ以前にも企業や学校が学生のデータを採用の場以外から集めているような事象がありましたが、ここでは省略します。いずれにせよインターネットの海に公開している情報は、本人が思っている用途だけに使われているのではない、ということにもっと敏感になるべきだと思います。それが一瞬の評価で人生を変えてしまうような場面なら猶更です。

話が少しそれてしまいましたが、ここで言いたかったことは、利用可能な情報なら企業はなんでも使うぞ、という点。そしてTwitterもまた、その利用可能な情報に該当してしまうという点です。次の章からその点について詳しく見ていきましょう。

・Twitterはオープンなのか?~君のツイートは誰のもの?~

はじめに申し上げます。あなたのツイートは「あなたの物」です。写真や動画、音声などについても「あなたの物」です。このことは不変です。

https://twitter.com/ja/tos

ユーザーのコンテンツはユーザーのものです。すなわち、ユーザーのコンテンツ(他のコンテンツに組み込まれたユーザーの音声、写真および動画もユーザーのコンテンツの一部と考えられます)の所有権はユーザーにあります。

なんだ、じゃあ権利者に許可なくツイートを情報として使うのは権利問題じゃないか、と思われた方、それは間違いです。

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社が、既知のものか今後開発されるものかを問わず、あらゆる媒体または配信方法を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります

つまり、あなたがTwitterを通じてツイートを行った時点で、そのツイートは(あなたの意思にかかわらず)パブリックとして世界に公開され、あまつさえ非独占的ライセンスをTwitter社に提供していることになります。

そしてTwitter社はTwitter社コンテンツに対しての利用を利用規約の範囲内で許可しています。つまりTwitterを介して入手した情報は先ほど述べた再利用ポリシーに乗っ取り、第三者が使用できてしまうわけです。

おわかりでしょうか、つまりあなたのツイートはあなたの意志にかかわらず「第三者が収集し、データとして利用することができる」ということを。もちろん引用形式での利用など守るべき条件はありますが、この一文に間違いはないです。これは鍵垢でも同じです。鍵垢はけしてパブリックな公開を制限するものではなく、あくまでAPIとして表示される条件が変わるだけです。もしフォロワーの中に調査機関が紛れ込んでいて、ツイートを利用しても何の問題にもならない、ということです。

ここまでお話すれば、「なるほど私のツイートは常にだれかに見られているのだな」ということがわかったはずです。どうかその気持ちを常に持ってTwitterを楽しんでください。

「うん。Twitterは利用されてしまうことがよくわかったよ。でもどうやって私のアカウントやツイートを探し出しているのだろう?」

なるほど、気になりますね。では次の章では企業がいかにしてあなたの情報を探し出しているのか、についてみていきましょう。

・急所は「キーワード」!あなたたりえる情報を公開するな!

※当方は専門機関でもあれば関係者でもありません。あくまで以下の調査方法はTwitterに長年いる個人の推察にすぎないことを念頭に置いて読んでください。

では企業や調査機関はどのようにあなたのアカウントやツイートを検索するのでしょうか。ここで大事な「三つの合言葉」をご紹介しましょう。

「N・T・S」

です。NTRではない。N・T・Sです。これはN(Name)・T(Time)・S(Situation)の略語です。私が今作りました。が、これが最もあなたをあなたと特定するうえで非常に重要なファクターとなります。詳しく説明しましょう。

まずはN、Nameですね。いやいや、本名なんかでTwitterなんてしないよwというあなた、Nameはただ単に個人名や企業名だけではありませんよ?場所名や店舗名、物の名前や事件名も立派な名前ですね。おや?思わずドキッとした方もいるのでは?

そうです、利用した駅や路線、昼食に立ち寄ったお店の名前、持ってる道具の名前、事故が起きた…これらはすべてあなたに関係する「キーワード」となります。一つだけなら該当者が多すぎて特定は不可能でしょう。でも二つ三つ、例えば「渋谷駅」を利用して、遅めの昼食を「蒙古タンメン中本」で済ませ、使用しているカバンは「ナイキ」とツイートから判断できる学生がいたとしたら?渋谷を利用する人間は数あれど、その手段からあなたを特定することは容易であると言えます。

これはすべての特定作業の基本です。まずはすべての母体集合からあなたへとたどり着けるよう考えうる「キーワード」を駆使してあなたを狙い撃ちに来ます。Nの重要さ、わかっていただけたでしょうか。

続いてT、Timeですね。これも重要なファクターです。先ほどの条件を見てください。渋谷駅を利用して蒙古タンメン中本を利用する学生なんて星の数ほどいます。過去からさかのぼればナイキを使っている学生の客などそれこそ星の数ほどいるでしょう。しかし、例えば「面接後一時間以内」だったら?面接の時間が13時半に終了した…。少し遅いけどお昼ご飯にしよう、時間も過ぎてるし近場で済ませていこうか…この思考はごく自然のことでしょう。もちろん企業もそう考えています。

そこに網を張ってキーワード検索をかけてくることは当然のことです。そして蒙古タンメン中本のツイートの集合体から、あなたが昼食をとりそうな時間帯に絞って情報を精査します。Nを駆使してここまでくれば、もはや見つかったも同然です。

しかしながら、もしかすると本当にあなたと同じような活動をしている人が他にもいるかもしれません。先ほども言った通り渋谷を利用して、蒙古タンメン中本を利用して、ナイキのカバンを持っている人なんて探そうと思えば複数人いるはずです。これだけでは情報としてなんの価値もありません。

しかし、今日だけ遅めの昼食をとっているのはあなただけの可能性が高いです。これがNTS最後の要素、S(Situation)です。つまり普段と違うことをしている、ということは普段にはない活動をしていたということの証明になります。先ほどのNとTを合わせつつ、今日に限っていつもと違う活動をする…Sによって見事、あなたのアカウントは特定されてしまいました。あとはゆっくりあなたのツイートを回収するだけです。

いかがだったでしょうか。公開されているツイートであればいかに情報を載せていない裏垢であっても特定されてしまうのです。

・特定されないために、嘘のカーテンを意識せよ!

それでは本題です。このように企業はありとあらゆる手段を使用してきます。その中で安全にTwitterを利用するにはどうしたらいいのでしょうか。それはずばり「NTS」を逆に意識することです。キーワード・時間・状況、これらによってあなたを特定してしまうのなら、これらに「嘘」を加えたツイートを行います。きたわね。

嘘をつくことに抵抗感を持つ人もいるかもしれません、嘘までツイートするぐらいならTwitterやめるわ、と言われるかもしれません。

しかし、そもそもこの記事をここまで読み進めてくれたようなTwitter好きなら、一時期Twitterから離れることができても、また戻ってきてしまうでしょう。そしてまたアカウントを増やし、気を付けてても次第に気が緩んだツイートをしてしまい情報が…。実際に経験した私が言うのだから間違いない。

まず、キーワードなりえるツイートは控えましょう。キーワードは隠す、濁す、切り替える、が大事です。手作業確認ならともかくスクリプトによる検索ならこれが一番効果的です。類似ワードにも限界があるため、Nをごまかされると途端に特定が曖昧になります。ちなみに授業名や講師名は検索すればすぐ学校が特定できますので気を付けましょう。特に授業コマや大学からのメッセージをスクショした際、URLを隠し忘れているケースをよく見かけます。検索すればすぐわかります。場合によってはポータルの「」で特定されるケースも…。投稿する前に、「この写真からはどんな情報が見つけられるか」を一度確認する癖をつけるべきです。

次にすぐツイートをするのを控えましょう。Tの項目でもお話した通りあなたの行動は予想され、幅を持って検索されています。その中でドンピシャの時間に予想されていたツイートがあれば、簡単に特定されてしまいます。食事の写真を撮ったら、場所から十分に離れたうえで時間をおいてツイートするなどが良いでしょう。写真ツイートは情報の宝庫です。過去に映り込んだメニューやテーブルクロスから店名を割り出されて凸された、ということもあります。切り抜く、モザイクを掛ける、などをして情報を絞ることも意識してください。

最後に、Sとして定期的なツイートは控えましょう。例えば朝9時から途端に呟かなくなり、12時にまた出てきて13時に消える、また17時からアクティブ…。これでは社会人と言ってなくてもわかります。大学生も同じです。起床時間や帰宅時間等が週ペースで固定化されると、シフトを組めばすぐ学生だとわかります。そして指定の日付にいつもと違う動きがあれば、それは確実にあなたであるという証明になります。「授業終わり~」などとは気軽に呟いてはいけず、した場合は折を見て定期的に削除するのがいいでしょう。

このようにNTSを逆に意識したツイートを心がけ、「嘘のカーテン」に隠れられれば、少なくともツイートからはあなたである、という確証に近づくのは難しくなるでしょう。難しい、と書いたのはもちろん企業はプロであり、ここに記した以外の方法を使ってくる可能性があるからです。書きませんでしたが誕生日やIDの文字列、言葉選びの癖など、あなたであると判別できる情報はNTS以外にもたくさんあります。インターネットに情報を公開する場合は、その情報からどんな情報が読み取れるか、常に意識をすることが大事です。

・さいごに

ここまで書いてきましたが、私は企業がTwitterを採用材料にすること、そしてそれを調査する第三機関が存在することに反対です。企業は例えば家族構成・出身地・宗教など、業務に関係しない情報を採用の際に収集することが法律で禁止されています。これは個人情報を守るためであり、プライバシーの領域に企業が踏み込めないことを示しています。

ならば一般向けに公開することを目的としていない裏垢は、ここでいうプライバシーの部分に該当するだろう、というのが私の意見です。言いたいことは沢山ありますが、こんなくだらないことが原因で就職活動を棒に振るなんて勿体ないです。そのためにも相手がどんな手段を講じてくるのか、しっかりと知識をつけて足元をすくわれないようにしましょう。

ここまで読み進めてくれたすべての人に感謝します。

どうか学生さんに良い出会いがありますように。

P.S

ここで紹介した企業はあなたのアカウントだけでなく、あなたの身辺のアカウントまで調査しています。あなたが気を付けていても周りが…ということもあります。くれぐれも言動には十分注意を…。

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