理想の幸せをフィンランドから読み解く!
世界一幸福度の高いと言われる国がフィンランドだ。
その理由も伊達ではない。
ゆったりとしたライフスタイルや犯罪率の低さ、生活水準が高く教育制度も充実しているからだ。
私は昔からこの国に憧れていたが、いまだに行ったことはない。
おそらくもう行くことはできないだろうと諦めている。
フィンランドの人々はなぜ幸福度が高いのか音楽から探る!
サンタクロース、ムーミンと聞いただけでも幸せそうな国だ。
フィンランドは塾のようなものもなく宿題もない。
授業時間は短く、そして夏休みは2ヶ月もあり大人になっても基本的に休暇は長い。
それなのにOECD国際学習到達度世界一だ。
日本は嫌になるほど毎日塾へ行って勉強し、夏休みも返上して努力してもフィンランドには勝てないのだ。
シベリウスから感じとるフィンランド
フィンランドは北欧の国ならではのオーロラを見ることができる国だ。
湖や島も多く絶景に事欠くことはない。
フィンランドの人口は私が住む兵庫県より少し多いくらいだ。
首都のヘルシンキも美しい街のようだ。
フィンランドがあるのはロシアの西側だ。
ボスニア湾を挟んでスウェーデンの東側でもある。
ロシアとの国境が1300Kmにも及び、そのような地理的環境からスウェーデンやロシアに支配された歴史を持っている。
中立関係だったロシアと、ウクライナ侵攻が始まってからNATO加盟に向けて方向転換している。
音楽の話をするのを忘れていたがフィンランドの偉大な作曲家と言えばシベリウスだ。
交響曲や交響詩などの大作やフリーメイソンの作曲家とも言われたシベリウスは91歳まで生きた。
シベリウスが亡くなったのは私が生まれた1957年だ。
ただ私の誕生日よりも後に亡くなっていることから、私が彼の生まれ変わりでないことだけは明らかだ。
しかしこの辺りも何かシベリウスに引かれる理由だ。
シベリウスが作曲した中にはフィンランドの森や地名をモチーフに書いたものも多く、正にフィンランドの国を表現した作曲家だ。
フィンランドの歴史が分かるシベリウスの交響詩
シベリウスが作曲した中でも一番有名なのがフィンランディアという交響詩だ。
ロシアの支配下にあったフィンランドが、ロシアから独立をしようと立ち上がった頃に作曲されたのがフィンランディアだ。
フィンランドの人々の愛国心が強まるのを恐れたロシア政府は、この曲に対し演奏禁止処分を下したほどだ。
フィンランディアは苦難のモチーフから始まる。
重厚で重苦しい音はロシアの圧制そのものだが、それがどんなにフィンランドの人々に重く圧し掛かったのかこの音を聴くだけで感じ取ることができる。
その後にロシアと戦うことを呼びかける音が加わってくる。
序盤の重厚な弦楽器のハーモニーの後ろから、最初は弱々しく(やや遅いテンポ)もハッキリとした意思を持って鳴るトランペットが闘争心が芽生える様子を印象付ける。
私には「諦めずに立ち上がろう」とでも言っているように聞こえた。
そして闘争心を持った民衆が立ち上がる様子を低音楽器が表現する。
曲は勝利に向けて朝日が昇るようにポジティブなモチーフへと変わっていくが、その当たりの曲調の変化は見事だ。
シベリウス自身が編曲してフィンランディア賛歌と名付けられた美しいメロディがこの後流れる。
フィンランディアの中でも、フィンランドの美しい情景を想像することができるもっとも私が好きな旋律だ。
フィンランドに学ぶ幸福感
親日家が多く日本ともゆかりの深い国がフィンランドだ。
そのフィンランドが、世界一幸福度が高いのには理由がある。
幸福度ランキングが50位前後の日本との差は平等な権利意識にあるようだ。
つまり国民が平等な権利を受けていると思っているかそうでないかの差だ。
冒頭でも書いたように特に日本との差が大きいのが教育環境だ。
昨日中学生のこどもを持つ親に伺ったところ、以前と違って今の子どもたちには進学校よりも総合高校の方が人気が高いと言うことだった。
なぜかと理由を聞くと勉強ばかりを優先するのではなく、個性を伸ばすことができる自由度の高い教育を望んでいるのだそうだ。
この状況を例えるならフィンランドのような教育をこどもたちが望んでいるということでもある。
どうも何が将来幸せに繋がるのかを、政治家や大人よりもこどもの方が理解しているようだ。
ゆったりと落ち着いた生活や、心豊かな感性こそが幸福感に繋がると知ることだ。
日本人が不公平な社会だと思っている限り、いや実際に不公平感が高い限り幸福度ランキングが高くなることも期待できないだろう。
今の日本が参考にしなければならない国こそフィンランドだと言うことだ。
ロシアの隣国で怯えて暮らすのではなく、堂々と諦めることなく幸せを勝ち取った国だ。
ロシアと比較してもたった4%にも満たない人口のフィンランドが世界一幸せだと感じているのだ。
フィンランド人が幸せだと思う理由とお金は関係ない。
自然を心から愛することができる喜びを知っていたり、日常の些細なことにも喜びを感じることができるからだ。
私もそんな幸福感を持てるようになるのが理想だ。