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玉手箱を開けたら…「この春サラリーマンを卒業する人たちに」

おそらく日本ではこの春に定年退職を迎える人が多くいるはずだ。
そんな方々に「サラリーマン卒業おめでとうございます」と言ってあげたい。
そしてこれからの人生を明るく羽ばたけるようなメッセージを送りたい。


新しい人生を夢見ることができる定年退職者

浦島太郎が玉手箱を開ければ急に髪が白くなっていき、顔のしわが深くなり老人になるというおとぎ話の一節がある。
助けた亀の報恩として竜宮城で夢のような体験をし、帰り道で開けてはならない玉手箱を開けてしまう話はまるでSF映画のストーリーだ。

玉手箱を開ける決意

私もサラリーマンをしていた頃は、少しばかり服装や見た目を気にしていた。
年を重ねるにつれ筋肉は落ち顔はたるむが、深くなるほうれい線にも朝ひげを剃る度に顔の筋肉を動かし抵抗していた。

白髪は真っ黒に染め、ズボンも無理をして細めのノータックを選んだりした。

そのような努力もあり年齢よりは少し若く見られることも多かった。
人から若く見られることは悪いことではない。

特に私のように年を取っているというだけで、威厳の欠片もない人間にとってはそれだけが救いだと感じていた。
本当の年齢を言ったら驚かれることに快感を得ていたが、実際は相手の話術が巧みだったというだけだ。

定年退職をして人付き合いが減ってくると、独りよがりの若作りを見せる相手すらいなくなった。
つまり玉手箱を開けて本来の自分に戻る時が来たという訳だ。

前にも書いたが、見栄を張ることも承認欲求も必要ない新しい人生に入ったのだ。

しかしそれに気付いて玉手箱を開けたのは定年退職して数年経ってからだ。

玉手箱を開けると…

いつも行く理髪店で「今日は染めないでください」と言った。
「えっ、本当に染めなくていいんですか?」と理容師は聞いてきたが「はい」と答えた。

後になってこの時に玉手箱を開けたんだと気が付いた。
見る見るうちに髪が白くなっていったからだけではなく、本来の自分の姿が鏡に映し出されたからだ。

鏡は見た目だけではなく心の中にある感情も映し出しているように思えた。
「もう何も恰好を付けて生きる必要はないだろう」と鏡の中の自分が囁いた。

誰かが白髪染めは漂白剤を塗っているようなものだと言っていたが、髪を染めなくなって2カ月もすれば私の髪も見事に真っ白に変わった。
まるでこれまでの色の付いた人生を一度消し去ったようにだ。

今は少し黒い髪も生えてきて、いい具合のグレーヘアーまで戻ってきた。

白髪染は私にとっては最高の若作り戦術だったが、それをやめたからと言って生活に何か支障があるはずもない。

それどころか細くなっていた髪も白髪染めをやめてから太くなった気がする。
もちろん鏡を見るたびに本来の自分の年齢を確信することもできる。

そして過ぎ去った自分の人生は竜宮城と同じに思えた。
この年齢になって振り返る過去の時間は、浦島太郎が竜宮城へいた時間とさほど変わらないと思えるほどだ。

過ぎればあっという間だったということだ。

たぶん楽しいことばかりではなく辛いことも沢山あったはずだが、記憶に残っているのはほとんど美しい思い出だ。
辛いことすら記憶の中では美しい話に変換されているほどだ。

過ぎた人生は美しくも短いということだ。

玉手箱は新しい人生が誕生する切っ掛け

白髪や顔のシワは普通なら老化と捉える。
そのように一般的な捉え方をするなら、終盤を迎え残り少なくなった人生と言うことになる。

しかし実際には人の命に順番はない。
白髪になった人が黒い髪の人よりも人生が少ないという決まりもない。

浦島太郎が玉手箱を開けた後すぐに死んでしまったという記事を読んだことはない。
そのように楽観的に捉えるなら玉手箱は新しい人生の始まりに過ぎない。

それまでの人生は見栄を張り人目を気にして過ごしたが、新しい人生はそんな虚栄心も捨てて本来の自分の姿で生きる人生だ。

これから始まる未来の人生を想像すると、ラフでカジュアルをモットーとした人生が見えてくる。
もちろん何かに縛られることなどない自由で楽しい人生だ。

もう無理をして人生を送る必要はない。
これまで我慢していたことに目を向け、人生を楽しめばいいのだ。

まるで大学の卒業生がこの春から新しい人生に向かって羽ばたくのと同じように、サラリーマン卒業生も自由で明るい未来に羽ばたいてほしいと思う。

合わせて読んでほしいブログの紹介

この春定年退職する人のほとんどは私と同じしらけ世代だろう。

私が定年退職した頃に書いていた自分を戒めるためのブログを紹介する。
しらけ世代の特徴や強みを書いた紹介文なので興味のある人は合わせて読んでみてほしい。

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