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LDKの役割は家族の人生にも影響を与える家の中心!

正確に言えばLDKではない。
我が家の場合は和室の居間プラスDKだ。
ここは家の中心とも言うべき場所だということは間違いないだろう。
家の中でも家族が集まり生活の中心になる場所だからだ。


LDKには生活の証しが存在する

田舎の家なので子ども部屋や普段は使わない仏間など多くの部屋があるが、家の中で最も大切な場所がLDKだ。
子どもたちが成長する過程での思い出もほとんどはこのLDKで作られる。

リフォームの仕事をしていた頃、LDKの床にはキズの付きにくい硬いフロア材を張ってほしいという要望もあった。
しかし私は柔らかくてキズの付きやすい床材をお勧めしていた。
床の傷は生活の証しだからだ。

床に着いた大きな傷も「あの時あの子が大きなお皿を落とした時に付いた傷だ」「よく怪我をせずに済んだものだ」といったようにそこには生活の証しが多数存在している。
もっと前なら居間の柱に子供の成長を残したりもした。
これらの証しも必ずLDKのどこかだ。

LDKの不満

まだ若かった頃にリフォームをした時は住宅に関する知識はまったくなかった。
地域の建築業者にお任せして改修工事をしたら和室の居間と区切られたダイニングキッチンになった。

当時はバリアフリーという言葉も知らなかったが、ダイニングキッチンのフロアに対し和室の居間は5センチ高い。
敷居と畳の厚みだ。

今になって何を言っても仕方ないことは分かっている。
しかし妻は事あるごとに不満を言う。
「やっぱり対面キッチンがよかったな」といったことだ。

その後建築知識が備わった私からすれば、このスペースで対面キッチンにするには無理があるということは分かっている。
壁付けキッチンの方が明らかに広く使える。

DKは8帖あるが居間は6帖で間取りが少し歪だからだ。
不満はキッチンだけではない。
当然年齢が高くなるにつれDKとキッチンの段差も気になってくる。

たまに足が上がり切らずに敷居で足の指を引っ掛けることがある。
打ち所が悪ければうずくまらなければならない時もあるくらいだ。
そのような屋内での小さな事故は妻ではなく概ね私の方だ。

コタツが消えた日

それに間仕切りの引き違い建具を撤去して、居間とDKをワンフロアにしたから冬は寒い。
一般的にはこのような田舎の家では、冬になれば和室の居間にコタツを出してくつろぐものだが我が家にはコタツがない。

結婚した当時はコタツもあった。
コタツは日本の冬の風物詩だ。
寒い冬に仕事で疲れて帰ってきた日も、コタツに潜り込んでくつろぐのが至福のひと時だ。
子どもたちが小学生くらいになると私と子どもがコタツの取り合いをするようになった。

これもどこにでもある田舎の他愛もない幸せな家族のワンシーンだ。
しかし妻の立場から言えば黙ってはいられない矛盾だったようだ。

自分は寒いキッチンで背を向けて洗い物などしているのに、夫と子どもたちはコタツに潜り込んで幸せそうにテレビを見ているのだから腹が立つのは当然だ。

妻のLDK不満の原点はこのコタツから始まったに違いない。
一度コタツに入れば誰も出ようとはしなくなる。
子どもにちょっとした頼みごとをしようが「早く風呂に入って」と言おうが動かない。
しまいにはコタツの中でうたた寝をする始末だ。

ある寒い日、仕事から帰ると居間からコタツが消えていた。
「コタツはどこに行った?」と子どもに聞くと「お母さんがどこかにしまった」と言った。
妻はコタツでの家族のだらしない振る舞いにとうとう業を煮やしたのだ。

その日、我が家からコタツが消えた。
それ以降、我が家にコタツというくつろぎがなくなったのだ。

くつろげるLDKを目指して

コタツはなくなっても家はくつろぎの場でなくてはならない。
特に子どもたちの成長期には家族団らんの場がLDKだ。

最近では家を建てる時、他の全てを犠牲にしてでもLDKに理想を求める人が増えているようだ。

しかし子育てが終わった我が家の場合、既にLDKの役割は終わったと言ってもいい。
本来のLDKの役割が戻るのは、子どもたちが孫を連れて帰ってくる年に数回の時だけだ。

高齢者と言われる年齢になればくつろぐ姿勢にも変化がある。
畳の上で座布団を敷いて座ることも立ち上がる時に辛くなる。

やはりこの年代になると椅子に座る方が何かと楽だ。
そこで数年前にダイニングテーブルを替えた。

以前は食事をするためだけのテーブルと椅子だったが、次に買ったのは椅子にクッションが付いたソファー的ダイニングチェアだ。
テーブル高も以前の70㎝に比べ、数センチ低い設計だ。

要するにリビングとダイニングを兼用した作りのテーブルセットだ。
そして多少の段差解消と断熱を兼ねてDKの床に厚めのジョイントマットを敷くことにした。
床材を柔らかいマットに替えて、もし躓いて転倒しても怪我のリスクが減ったのだから安心だ。

私もお手伝いはしたが、これらの作業は全て妻が行った。

LDKは家族の心の拠り所であると同時に、この場所は家族をまとめる人の居場所でもあるからだ。

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