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【嘘】雨が運ぶ音楽

屋根に当たる雨音のリズムによって、頭の中に音楽が流れ始めた。
懐かしいその音楽は、懐かしいという記憶だけがあって、なんの曲か思い出せない。
エンドレスで流れ続けるその音楽は、とうとう寝るときまで止まなかった。

夢の中では、やたらとドラマチックな展開に合わせてその音楽が盛り上げ、とても良い演出となっていた。
映画のような仕上がりに満足して目覚めると、外は晴れ、音楽は鳴り止んでいた。
二度寝をして観る夢の続きは、いまいち面白くない。なんだか物足りない。

また、雨が降ったら夢を観よう。

ありがとう