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気付いて欲しい人がいる

道で白杖を持ったおじいさんが
どこかに向かって手をあげていた

一度自転車で通り過ぎたが
気になってしまい
暫く後ろ姿を眺めていた

誰もその人に話しかけない
ヘルプマークの付いた白杖を持って
横断歩道を行き来しているのに
道ゆく人は見向きもしない

怖がらせないよう近寄って声をかける
タクシーを拾いたかったのだと言う
しかし一向にタクシーは止まらない

わたしが拾ってくるから
ここで待っているようにと伝えた

駅前に止まっていた
タクシーの運転手さんは
すぐに対応してくれた

そして運転手さんが
わたしに向かって
何度も頭を下げてくれた

今回はよかったかもしれない
だけど明日はどうだろうか
次も同じような人に出会えるだろうか

あのおじいさんのその後が
心配になってしまった

わたしたちにできることは
誰かの手を必要としている人が
街中には大勢いるということを知り
気付けるようになること

人々が支え合える世の中を願って

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