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大好きしか出てこない

大好きだ大好きなんだ
それ以上の言葉をもっと上手に届けたいけど
どうしようもなく溢れ出す想いを伝えると
やっぱ大好きしかでてこない


そんな歌詞を昔、聞いたことがある。
「告白」という題名だった。

その時はわけがわからなかった。

大好きという言葉は、両親と姉妹、そしてものことや趣味に対するもの。わたしにとって大好きという感情の対象は、そんな感じのものたちだった。だから、それらに向ける大好きという思いは「告白」という言葉とは結びつくわけもなかった。

だから何をもって大好きで、どういう環境が整ったら告白というのか、当時のわたしは知る由もなかった。

人を好きになるという感情も、真っ直ぐに持つことができないほど幼かった。青かった。未熟だった。

そんな過去を経てきた今だからわかる。大好きしか出てこないと思える人がいることの有り難み。この感情の素晴らしさ。

もっと丁寧に、抱えている想いを言葉にして、しっかりと伝えたい。だけど、それらを遮って出てきてしまうものがある。どんなに堰き止めようとしても流れは収まらず、底が尽きないほど湧き出てきて、わたしの中から溢れ出す。

やっぱ大好きしか出てこない。

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