#8「"おいしい酒"を飲むために」
仕事のつまらなさは、工夫次第でなんとかなる。厄介なのは人間関係。「いじめはいけません!」って指導する人間が、陰湿ないじめをする。気が狂いそうな現実だった。
あなた、生意気なのよ
なぜ、ターゲットにされたのかは分からない。おそらく20代の小娘が生意気に!!って思われたのかな(本人からも"あなたは生意気なのよ!"って言われたし)。
当時の管理職(40代・女性)から1年間、あまりにも理不尽なパワハラを受けた。その管理職は順番にターゲットを決め、陰湿ないじめを繰り返していたのだ。
つらかったのは、やっていないことを「やった」、やっていることを「やっていない」と決めつけられること。例えば、彼女は"私が保健室登校の子を迷惑がっている"と言う。見ていないのは勝手だけれど、毎朝1時間早く出勤し、その子がいる保健室に行ってメモを手渡し、話をしていた(みんなに会いたくないからと、その子はかなり早めに登校していたの)。
クラスの子どもたちには、「算数の文章題が苦手、国語の漢字が苦手と同じで、少し教室に入るのが苦手なんだって。あと、見られるのも苦手みたい。みんなも苦手なことあるよね?だから教室に来たときには何も言わず、心の中で『ようこそ!』って拍手するのはどうかな?」と話していたのだ。
いやいや実は〜、と説明しようとすると「あなたは人の話を聞かない」「生意気」と、逆上する。そのほかにも、お茶入れや畑の水やりなど、毎日欠かさずにやってきたことについて「何もしない」「それぐらいしたらどうなの?」と怒鳴られる。どこに目、ついているんやろう。
✳︎
夕方、学年会やらが終わってようやく自分の仕事をしようとしたタイミングで「ちょっと来なさい」と呼び出される。
そこからほぼ毎日、1時間以上の説教タイム。朝出勤すると、デスクに貼られた付箋の嵐。そのほかにも、保護者からの電話をつながない(勝手に対応して連絡なし)やら、あいさつフル無視やら。陰湿なパワハラは続く。
ストレス発散!しているはずなのに
理不尽極まりない状況にあったけれど、お世辞抜きで「子どもたちがいたから」出勤できた。ただ、平日とんでもないストレスにさらされているせいか、土日どちらかは必ず熱を出す日々。
「ストレスをためるのは良くない」と思い、体調がいい日は友達と飲みながら語り合った。理不尽な現実。職場では言えない本音。ぶちまければぶちまけるほど、心は軽くなる!
はずだったのに。
なぜか、話しても話しても、飲んでも飲んでも、全然、心が楽にならないのだ。それどころか、休みの日まで「管理職とのいや〜なやり取り」が頭を、心を支配する。ずーっと嫌な気持ちがうずをまき、オン・オフを切り替えられない。
そこでやっと気付いた。
「もういや」「ほんまムカつく」「理不尽すぎるわ」
マイナスの言葉って、自分自身が1番聞いている。自分の吐いたストレスだらけの言葉が、自分の首をしめていく。
これはいかん、ほんまにやられてしまう。
考え方・受け止め方を変えてみる
休みの日は思いっきり遊ぶ!おいしい酒を飲む!
そのために金輪際、管理職のパワハラに振り回されないと決めた。デスクいっぱいに貼られた付箋は、目を薄ーくして要点だけ確認して処分。攻撃のワードを視界に、心に入れないようにする。
説教タイムは、小さなころからの得意ワザ「耳、休み」を使えばいいではないか。適当に相づちを打ちながら、違うことを空想する。まともに聞くから、ダメージが大きいのだと気付く。
あいさつフル無視は、「あーこの人の声、私にだけ聞こえへんようになっているんやわ。無視しているわけじゃないのね。そういうシステムね、了解」と勝手に切り替える。
よく電話のくる保護者には自分からこまめに連絡を入れ、できる限り学校に電話しなくて済むようにする(電話を取るのが早い管理職だったの)。
ただ、彼女のいいところを見つけるのは、めっちゃ難しかった。だって、攻撃しまくってくる相手。だから、「あー多分、この人もつらい思いしているんやな。パワハラはいただけへんけど、かわいそうな人やな」と、ちょっと高い位置から眺めるようにした。
苦しむも、楽しくするも「自分」
とんでもなく理不尽なパワハラやったけれど、多分、組織って理不尽なことだらけ。染まらず、辞めず、環境も変えられないのなら、考え方を変えるのがてっとり早い。
いったん変えた考え方は、ほかの場所でも応用が利く。あとは想像ね。よくやるんやけど、インタビューとか難しい案件とか「ちょっと気が重いな」ってときは、終わった後のことを考える。
仕事をやり遂げ、おいしい酒を飲んで笑っている自分。想像はプライスレス。人間だけの特権だ。
さぁ、次の案件。めっちゃ難しいんやけれど、私はやるぜ!すっきりした心で、おいしい酒を飲むために。笑
▼5月17日の午前7時ごろまで読めます!こちらもぜひ♪
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