ドラフト候補分析~渡邉勇太朗~
5回目の分析となる今回は、浦和学院の渡邉勇太朗投手に焦点を当てていきます。
以前上記noteにて渡邉についての私の評価は述べていますが、本noteにてより詳細に分析していきます。
以前のnoteのタイトルの通り、金足農業の吉田よりも渡邉の方が純粋な実力や伸びしろを見ると断然ドラフト1位に相応しいと私は考えています。
○成績
甲子園での登板成績が上記表となります。
大阪桐蔭打線には捕まってしまったものの、その前の2登板では無失点に封じるなど、ポテンシャルの高さを見せつけました。
イニング数を上回る三振を奪えており、そこは評価できるポイントです。
ただサンプル数は少ないですが、四死球が少し多めなのは気になります。
将来的にはそれをカバーできるだけの球威を身に付けられるとは思いますが、最初は少し制球面で苦労するかもしれません。
○投球
投球スタイルとしては、140キロ中盤から後半のストレートと130キロ台のスライダーでゴリゴリ押していくような王道スタイルで抑えていく投手です。
190㎝と体格もかなり立派で、LAA・大谷を彷彿とさせるフォームから投げ下ろされるボールは威力十分です。
元の体格は立派ですが、故障歴も多くあるようですので身体づくりは時間をかけてきちんと行いたいところです。
持ち球としてはストレート、スライダー、カーブ、スプリット、ツーシームの4球種を投げ分けています。
●ストレート
常時140キロ台を記録し、MAXでは149㎞も記録する投球の中心となるボールです。
シュート回転?真っ垂れ?系の沈むタイプかつ球威も十分で、打ってもゴロになりやすい球質なように見えます。
将来的に球速は今よりも伸びていくでしょうが、大谷と同様に球速ほど空振りが取れず、ストレートは大したことないとか言われそうですね。
ゴロになりやすい球質というところで、長打に対するリスクヘッジがきっちり出来たボールになりそうですし、今後も投球の軸となっていくでしょう。
●スライダー
この投手の一番の武器はこのボールです。
120キロ台後半から130キロ台中盤の球速帯で推移し、縦に鋭く落ちていくスラッターと呼ばれるボールをこの投手も投じてきます。
高校生にしては中々の完成度のボールで、空振りorゴロを誘えるようなこちらもリスクヘッジの出来ているボールになっています。
またきっちり右打者のアウトコース、左打者のインコースにボールを集められるコントロールも持っています。
身体が出来上がり、出力も上がってくれば、自然とプロレベルでも武器となるボールになってくるでしょう。
●カーブ
あまり多くは投じないですが、120キロ前後の球速帯でカウント球として使用しています。
球速帯がスライダーとそこまで変わらず、緩急をつけるというよりもカウントを取る用の緩いスライダーみたいなイメージです。
ボールの強度自体はイマイチで、パワーカーブ的に使いたいのであればもっと強度が欲しいですし、目線を変える用途であればもっと球速差が欲しいところです。
現状のままだと使えるボールではないかなという印象です。
●スプリット
様々な動画を確認しましたが、このボールを投じられているところを確認できませんでした。
一応レパートリーには入っているけどもほとんど投じられないボールなのでしょうか。
おそらく自信のないボールなのでしょうが、このボールがもし使えるようになれば、かなり投球の幅が広がることでしょう。
●ツーシーム
140キロ前後の球速帯でグッと右打者には食い込んできて、左打者には逃げていく軌道を描きます。
ゴロを取るための球種でしょうが、そもそもストレート自体がゴロになりやすい球質ですので、正直あまりこの球種は今後使用する必要はないのではと思いますね。
○その他
守備面ではバント失敗した打球をファールゾーンまで追いかけ、スライディングキャッチするなど、大柄な体格のわりに機敏な動きを見せていたのは評価できます。
甲子園での初戦と2戦目は序盤にピンチを招きながらも凌いでいた姿から、ピンチになっても精神的に動じない強さもあるように感じます。
投球以外の部分も評価できる部分が多いように思います。
○総評
現状でも素晴らしいボールを投げていますが、まだ伸びしろも多く残しているところがこの投手の魅力です。
きっちり肉付けをし、出力を大きくすればとんでもない投手になる可能性を秘めていると私は思っています。
それこそMLB行きも視野に入れられるくらいの潜在能力はあるのではないでしょうか。
そこも込みで私の中でのドラフト1位指名評価です。
将来像としては、少しスケールの落とした投手・大谷でしょうか。
MAX165㎞とはいかないでしょうが、常時150㎞のストレートにスラッターとカーブとスプリットという組み合わせで、王道スタイルでチームのエースとして活躍してくれるのではないでしょうか。
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