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床田寛樹は来季広島投手陣の救世主!?

昨年開幕ローテーション入りし、初勝利を挙げながらも、左肘の故障によりトミージョン手術を行ったため、その後は一軍登板から遠ざかっていますが、二軍戦には今年の夏場頃から復帰し、フェニックスリーグを含め好成績を収めています。

そもそも床田とはどんな投手なのかという点ですが、一言で言うと非常にまとまりのある投手で、140㎞前半から中盤の真っスラ気味のストレートをコマンド良く投げ込み、スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップと球種も多彩で、トータルバランスに優れた先発適正の高い投手です。

そんな床田ですが、上述の通り復帰後の二軍戦及びフェニックスリーグでは表①のような好成績を収めており、特にフェニックスリーグでは3登板いずれも7回以上を投げ、2失点以内に抑えるなど安定した投球を披露しました。(特にパリーグを制し、有望なメンバーを揃えた西武打線相手に計2試合でそれぞれ7回無失点、7回1失点の好投)

上記リンクの動画と昨季と9/15に先発登板した際の球種データ(表②)を基に、もう少し床田の投手としての特徴について掘り下げると、ストレートは常時140㎞前半から中盤を記録し、真っスラ気味に変化することからゴロ性の打球を量産していきます。

昨季のわずか3試合の登板の中でも、GB%(打球がゴロになった確率)は56.9%(昨季セリーグ平均が48.9%)を記録するなど、ゴロ生産能力の高さは証明されており、菊池を筆頭にレギュラー格の内野陣に守備能力の高い選手の多い広島向きの投手であると言えましょう。

それに加え、両サイドにきっちり投げ分けられるコマンド能力の高さも魅力的で、右打者に対しては勿論のこと、サンプルは少ないながらも左打者のインサイドにもきちんと投げ込めているなど広島の左投手ではあまり見たことのない精度を誇ります。

変化球の中では、投球割合の最も多いスライダーがマネーピッチとなるボールです。

縦変化よりも横変化が強めのボールですが、所謂スラッターっぽいボールで、130㎞中盤まで計測することもあり、打者の手元でグッと曲がるような軌道で、右打者の膝元や左打者の一番遠いところへ投じられます。

途中までストレートに近い軌道で来て、打者のチェックポイント(ピッチトンネル)を過ぎたところから大きく変化していくため、打者としてはかなり厄介なボールでしょう。

その他にもカウント球のカーブや右打者用のフォークを混じえて打者を打ち取っていくスタイルです。

もう少しフォークやチェンジアップの精度が上がればなおよしですが、それは今後の課題でしょう。

また肘の手術後、投球できない間を肉体改造の時間に当てたのか、上の二枚を比較しても分かる通り、体(特に下半身)が一回り大きくなっており、出力も上がったように感じます。

あくまで参考ですが、表②の昨季との平均球速比較においても、球速上昇の傾向が見られ、ストレートの平均球速142.6㎞というのはDeNAの濱口(143.1㎞)や今永(143.4㎞)と大して変わらない数値で、この数字を常時出せるのであれば左投手の中では上位の出力レベルを持つことになり、期待度はより膨らみます。

トータルバランス型の投手が肉体改造をして、好成績を残すケースは他球団でも散見される例ですので、むしろ昨年ケガをしてその期間を肉体改造に当てることができたのは、床田の投手生命を長期的に考えると良かったのかもしれません。

このように、昨季開幕ローテーションに入ったというところから、実力面は確かなものはありましたが、この1年半の間に大きくパワーアップした姿を見せており、順調であれば来季は間違いなく先発ローテーション争いに加わってくるでしょうし、それなりの活躍は間違いなく期待できそうです。

年々台所事情の苦しくなっていく投手陣の中で、昨季の薮田や今季のアドゥワのような、シーズン開幕前は予想だりしなかったサプライズ活躍枠に、床田がなることに期待です。

そうすればV9以来となるセリーグ4連覇も見えてくるのではないでしょうか。

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #床田寛樹

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