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丸の穴をどう埋めていくか

昨日、FA宣言していた丸佳浩が、広島から巨人へ移籍することを正式に発表しました。

先日noteにまとめた通り、丸が広島に残留する可能性はかなり低いと見ていたので、その決断に特段驚きはありませんでしたが、本当に移籍するとなると悲しいものですね。

そして、実際に移籍が決定したことによって、来季の広島にはWAR7.1を稼ぎ出す中堅手という大きな穴が開いてしまうということになります。

では、来季以降も優勝を狙っていく中で、埋めなければならないこの穴をどのようにして埋めていくべきかについて、本稿では述べていきます。

①中堅手

丸が本格的に中堅手のレギュラーを掴んだのが2013年で、そこから6年間広島の中堅手の座を担っていました。

戦線離脱したのが今季の筋挫傷によるものくらいで、それ以外は特に休むことなくコンスタントに試合に出続けていましたから、その6年間でその他に中堅手に入った選手は殆どいません。

そのような状況の中で、中堅手のポジションに入ることが最も期待されるのは野間峻祥でしょう。

今季丸が戦線離脱した際には、中堅手に入りその穴を最小限に埋める活躍を見せました。

ただ、今季初の規定打席到達を果たし、打力も大幅にアップさせた野間と雖も、1年間通じて攻守で丸の穴をきっちり埋めるというのは容易ではありませんし、むしろ無理難題に近いのかもしれません。

今季の走攻守について、野間と丸の指標を比較したものが表①となりますが、野間が丸を上回っている部分は走塁(BsR)の部分だけで、UZRに関しては守ったイニングが大幅に違うため、イニングを合わせて算出すると丸の方が上となります。

今後は年齢的にも守備面が向上していくことは考えづらいため、現状は丸の方が数値的にも守備力は上ですが、来季以降は野間の方がより守備力を持った中堅手になることも十二分に考えられます。

守備・走塁面では丸以上の活躍を期待できるかもしれませんが、打撃面では今季レベルアップを見せたものの、wOBAで見るとリーグ平均(.330)レベルの打力で、来季以降丸と同レベルのNPBトップクラスの成績を要求するのは酷でしょう。

打撃面に関しては、来季より本格的に外野守備に取り組む西川龍馬も、時に中堅手に据えつつ埋め合わせを図るような形が良いように思います。

西川の中堅守備がハマり、その打力をより生かせる形が作れるのであれば、野間に代わって西川がメインに取って代わることも考えられますが、それはキャンプからOP戦にかけてのテスト次第でしょう。

ただ、西川も通年でその打力を発揮しても、打率.300で二桁本塁打でOPS.800オーバーくらいでしょうから、それでも丸の穴は完全には埋まり切らないわけです。

以上より、中堅手という面から見た大きな穴は、当面は守備走塁に勝る野間をメインで据えつつも、打力で勝る西川の起用も図ることで塞いでいくしかないでしょう。

それ以外の方策として、新たに外国人野手を引っ張ってくるという選択肢もありますが、今季リリーフ陣のやりくりに苦労したところを見るに、投手に外国人枠を3枠割きたい事情もありますし、新戦力の台頭で投手陣全体の底上げがない限りは出番も限られてくるでしょうから、獲得したとしてもあくまでスペアという立ち位置となるのではないでしょうか。

②3番打者

2014年以降は、基本的には丸が3番打者を務めることがほとんどで、特に25年ぶりの優勝を遂げた2016年以降は、「タナキクマル」として1番から3番までの打順は固定化されていたため、その他の選手が入ることはありませんでした。

ただ、前述の通り今季は約1ヶ月の離脱期間があったことで、3番に他の選手を入れざるを得ないケースが生まれてきました。

そこで3番には、バティスタと松山の2名が起用されています。

この両名が起用されたのは、単純に打力に優れているからという点と、「タナキクマル」の固定化された打順の流れを弄りたくなかったためと推測されます。

本来なら、1~3番打者は足を生かせるような選手で固めたいと考えるはずですので、足に不安がありとはいえ鈴木誠也を3番に上げそうなものですが、あえてバティスタや松山を起用しているということは、打順の流れを変えたくなかったのではないでしょうか。

そう考えると、丸離脱時の3番打者は、丸が復帰することありきでの起用となっているはずですので、他球団に移籍してしまった来季以降はまた事情が変わってくるでしょう。

となると、来季以降は十分な打力を持ち、かつ走力のある選手となると、鈴木誠也が一番適任者なように思えます。

ただ、日本野球界の4番打者に対する特別視があることを考慮に入れると、一度4番に定着した鈴木誠也は据え置きで、全く別の選手が起用されるかもしれません。

まとめ

来季以降は、中堅手には野間もしくは西川を据える形になり、3番打者には鈴木誠也が起用される形になるでしょう。

「タナキクマル」という象徴の崩壊により、3連覇を成し遂げたチームとは来季以降はまた別物のチームとなっていきますが、投手陣も含めた全体のレベルアップを図ることで、丸の抜けた穴を最小限にとどめ、強いチームであり続けてもらいたいものです。

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #丸佳浩 #FA

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