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2019年 広島各選手ワンポイント寸評~野手編~

2019年も残すところ僅かとなりましたが、私の2019年作成したnoteでは連勝連敗を繰り返した広島の野球や、昨年まで優位性を保っていた得点力の低下について取り上げるとともに、選手個人をピックアップして好不調の要因や選手としての特徴を分析していきました。

振り返っても我ながらかなり多くの選手を取り上げているなと思いますが、若手選手をひとまとめにして取り上げたものも含めると46選手を取り上げてきました。確かに中々の多さですが、取り上げられていない選手もまだ残っているため、これまで取り上げられなかった選手たちについて、ワンポイントずつ簡単ではありますが以下にて一人ひとり分析を行っていこうと思います。

まずは野手について取り上げていきますが、条件としては40試合以上出場者でこれまで一度も個人としてフォーカスしてこなかった選手としたいと思います。

1.會澤翼

會澤

126試合 447打席 104安打 12本塁打 63打点 2盗塁 .277/.387/.439/.826
BB%13.0 K%18.1 wRC+128 BsR-5.6 UZR1.3 WAR3.8

2019年は自身初の規定打席到達とともに3年連続となるベストナインを獲得し、プレミア12ではメイン捕手としてチームを優勝に導くなど、名実ともにNPBを代表する捕手へと成長を遂げました。そしてオフにはFA権を行使せずチームへの残留を表明し、ファンを安堵させたのは記憶に新しいところです。

ポイント:年々洗練されていく打撃アプローチ

會澤の特徴としては、捕手としては傑出した打撃力にあるというのは周知の事実でしょうが、その中身を掘り下げていくと単純な打撃力だげでなく、それ以外の部分にも特徴はありました。

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それがBB/Kで示される打撃アプローチです。今季のBB/Kは0.72で両リーグ17位(60名中)となっており、チーム内(100打席以上)では鈴木誠也に次ぐ2位の成績です。このBB/Kは初のベストナインを獲得した2017年から年々向上しており、今季は自己ベストの数値となりました。

年々ボールゾーンにバットが出なくなっており、一方で空振り率は増加していることから、しっかり打つべきボールを見極めて強いスイングが出来ていることが窺えます。このような捕手らしい割り切りが徹底できるようになったがゆえに、2017年以降トータルの打撃成績が大幅に向上したのではないでしょうか。

傑出した出塁能力を持った丸佳浩が移籍し、かつ1番打者として高出塁率で大量得点のお膳立てをしてきた田中広輔が不振に陥ったことで、チーム全体の出塁能力が大幅に悪化した中でも、このようにきっちり四球を勝ち取れる會澤の存在はチームの中で貴重なものでした。ただ5番や6番を任される中で、後ろの打者が弱いがゆえに勝負を避けられた面も否定できませんが‥。

来季は會澤の打力、そして出塁能力の高さを生かすために、その後ろの打者の存在が得点力アップのカギを一つ握ることとなるのではないでしょうか。

2.松山竜平

松山竜平

110試合 327打席 76安打 6本塁打 49打点 0盗塁 .259/.327/.374/.701
BB%8.9 K%12.8 wRC+93 BsR-2.1 UZR-4.5(LF)/-4.0(1B) WAR-0.8

前年初の規定打席に到達して打率.302をマークし、今季はマークが厳しくなることが予想された鈴木誠也の後ろを打つ打者として、大いに期待された松山竜平でしたが、二度の頭部死球の影響もあってか復調が大幅に遅れ、OPSは.701にとどまるなど、チームが4連覇を逃す一因ともなってしまいました。

ポイント:ストレート対応の劣化

リーグ3連覇を果たした2016年~2018年のチームの中で、一つ特徴的だったのがストレートへの抜群の対応力でした。ストレートへの強さを示すwFAという指標では、3年連続でリーグダントツトップの数値をマークし、圧倒的な得点力の源泉ともなっていました。(詳細はこちら)

そんな中で松山もストレートへの強さを見せていた選手の一人で、2017年には18.2でNPB内14位(468選手中)、2018年には16.3でNPB内20位(452選手中)とNPBの中でも高い順位をキープするファストボールヒッターでした。それが2019年は一変し、0.3という低い数値でNPB内順位も142位(490選手中)と大きく数値を落としてしまいました。2018年のwFAチーム内トップ3であった丸佳浩・田中広輔・松山がそれぞれ移籍や不調によって、チーム全体のストレートへの対応力が劣化したことが、得点力減に大きく影響したのは間違いないでしょう。

ここまで松山が数値を落としてしまった要因としては、復調のきっかけを掴みつつあった中で、頭部死球を受けたり、体調不良で一軍登録を抹消されたりと、元々スロースターターにも関わらず春先に打席数を積めず、ストレートへの感覚的なズレや本来の打撃を取り戻すことに時間がかかったためだと考えられます。

ただ打席数を積んだ7月以降は打率.299、OPS.790と復調の兆しは見せたため、35歳という年齢は気になるものの、希望が全くないわけではありません。来季こそは鈴木のマークを少しでも緩め、かつ高出塁率を誇る鈴木をホームへ返すような打撃を期待したいところです。それが広島の2年ぶりの優勝の必要条件となってくるはずです。

3.安部友裕

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114試合 295打席 67安打 8本塁打 28打点 9盗塁 .254/.315/.390/.705
BB%7.8 K%20.3 wRC+92 BsR-2.6 UZR-0.1(3B)/1.5(1B)/-0.4(2B) WAR0.3

2017年には規定打席に到達し、リーグ4位の打率.310をマークした実力者ですが、ここ2年は腰痛の影響からか打撃・守備両面で精彩を欠くようなシーズンとなっています。来季は外野への再挑戦も表明しており、3BのレギュラーのみならずUTプレイヤーとしてチームの穴を埋める役割が求められるところです。

ポイント:ゴロ打率の低下

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上述のように2017年に打率.310をマークしましたが、そこまで打率を押し上げた大きな要因はゴロ打率の高さにありました。当時のゴロ打率は.395と破格の数値をマーク、また内野安打も2016年から+10本の14本放ち、このゴロ打率で打率を大きく引き上げていました。ただゴロ性の打球は傾向が出てしまうと、相手チームからはシフトなどで対策されやすい側面もあるため、翌年以降の成績が懸念されましたが、その心配はドンピシャで当たってしまうこととなります。

案の定翌年以降はゴロ打率が大幅に低下し、2018年は.219、2019年は.255と.150~.200近く低下しています。グラウンドボールヒッターである安部にとって、この低下分が打率に直結してくる部分が非常に大きいために、この2年は低打率に喘ぐこととなっています。

その点について課題意識を持っているのか、ここ2年はフライ性の打球の比率は増えており、今季は自己最多の8本塁打に加えて、逆方向に本塁打を放つなど打撃スタイルは徐々に変貌を遂げつつあります。また2018年には失われていたプルヒッターの傾向も戻ってきており、更なる長打増に向けては準備は整いつつあることが分かります。

この長打を増やすスタイルでいくなら、今後は当然フライボールを打つことを志向していくべきでしょうし、ストレートへの対応力も持つ安部が新たなスタイルで完全復調を遂げれば、チームにとって大きくプラスに働くことは間違いないでしょう。

4.長野久義

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72試合 197打席 45安打 5本塁打 20打点 0盗塁 .250/.310/.383/.693
BB%7.6 K%20.3 wRC+82 BsR-3.0 UZR0.6(LF)/-0.9(CF)/0.8(RF) WAR-0.3

丸佳浩のFA移籍に伴う人的補償にて広島へやってくることとなった長野久義ですが、移籍初年は苦手の春先で不振に苦しみ、二軍降格も経験するなど苦しいシーズンとなりました。一方で得意の夏場から秋口にかけては復調した姿を見せ、4番を任されるなど来季へ向けた希望も見せたシーズンでした。

ポイント:コンタクト力の低下

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72試合という出場試合数やOPS.693という数値は自己最低の成績となってしまった長野ですが、その元凶となってしまったのがおそらくコンタクト力の低下ではないかと考えられます。

K%は自己最低の20.3と三振が多くなっており、BB/Kも自己最低レベルの0.38とボールの見極めに難が生じていることが何となく窺えますが、その他にも空振り率も自己ワーストの11.2%ですし、ボールゾーンの投球に対するコンタクト率は前年から10%以上落とした51.3%と、とにかくボールの見極めとコンタクト力に問題があったことが分かるかと思います。

元々ベースから遠く離れた所を立ち位置とし、ボール1個分はずれるような独自のストライクゾーンを形成しているため、外いっぱいのボールの見極めは苦手としていますが、そのあたりが更に立ち行かなくなっているのかもしれません。ただ上述の通り夏場以降は好調をキープしていたため、もう少しサンプルサイズが大きくなればもう少し数値も変わってくるかと思いますので、来季も同様の傾向にあるのか注視する必要がありそうです。

2019年の成績を見ると、35歳という年齢を感じずにはいられませんが、そうは言えども好調時の長野はきっちりストレートを捕まえられますし、長年常勝軍団である巨人に所属していたことから、ここ一番での勝負強さも持ち合わせている点は広島の在籍野手の中でも稀有な存在です。来季はその人柄の良さばかりが注目を集めることのないよう、成績面でチームを引っ張ることを期待したいところです。

5.メヒア

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56試合 173打席 42安打 7本塁打 17打点 0盗塁 .259/.306/.426/.732
BB%6.4 K%26.6 wRC+90 BsR-0.7 UZR-1.8(3B)/1.2(1B) WAR0.1

2019年も二軍ではOPS1.014と圧倒的な成績を残したメヒアですが、バティスタのドーピング違反もあって一軍での出場機会は大幅に増え、貴重な経験を積んだ一年となりました。ただ肝心の打撃成績は、162打数で7本塁打、OPS.732と外国人選手としては寂しい成績となっており、ある程度一軍レベルの経験を積んで言い訳の利かない来季は正念場となるでしょう。

ポイント:打球角度とプルヒッティング

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192cm98㎏と立派な体格や一軍での本塁打を見ても、パワーがあることには間違いなく、放った打球の強さを示すHard%も41.4%(150打席以上の選手では両リーグ14位)と非常に高いため、本塁打を量産出来る条件は十分に揃っているように見えますが、実際は本塁打量産とはなっていません。加えて打球の強さは十分にもかかわらず、打率も平凡なものとなっています。

その要因としては、打球に角度がしっかり付かないことや、引っ張り切れていないことが考えられます。事実FB%44.8はGB%48.3を下回る数値となっています。加えてフライ性の打球の内、引っ張った打球の割合が僅か21.6%で逆方向への割合が49.0%と、引っ張った強いフライを打てていないというデータも出ています。確かにストレート系に差し込まれたようなフラフラとした当たりが、ポテンとRFの前に落ちるようなシーンはシーズン中何度か見られましたし、ストレート系をしっかりハードヒッティング出来なかったことが本塁打の伸び悩みへと繋がったのでしょう。

変化球は器用に捌く一面がある中で、一定以上のストレートには弱いのは球速向上の著しい現代野球においては致命的な弱点です。もしかすると二軍生活が長く、二軍のスピードに知らず知らずのうちに最適化されているのかもしれませんが、まずは速いストレートを力強く引っ張ることを念頭に置いてもらいたいものです。それが出来るようになれば、本塁打を量産出来るような条件は揃っているため、一軍定着はおろか主軸の一人として期待出来るレベルまでになるはずです。

6.小窪哲也

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51試合 125打席 28安打 1本塁打 5打点 0盗塁 .246/.306/.298/.605
BB%8.0 K%15.2 wRC+53 BsR0.4 UZR-1.5(3B)/0.2(2B)/0.0(1B) WAR-0.5

2019年は3B候補の相次ぐ不振もあって、2016年以来3年ぶりに100打席以上の打席数を確保しましたが、OPSは.605にとどまり、3BのUZRもマイナスを計上するなど、攻守に衰えを感じずにはいられない成績となってしまいました。このレベルの成績の選手が、一定期間一軍の3Bを務めることになる3Bの層の薄さを感じずにはいられません。

ポイント:打球性質傾向の変化

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小窪哲也というと、積極打法のアベレージヒッターというイメージですが、打球性質の傾向としては常にFB%がGB%を上回るフライボールヒッターの傾向を示していました。

しかし2019年はその傾向が一変し、GB/FBが1.69とGB%がFB%を大きく上回る傾向が出ています。ただゴロ打率は.296と低くありませんし、フライ打率は.156ですから存外結果には悪く表れていませんが、OPSでもゴロ(.630)>フライ(.438)となっているのはかなり危険な傾向なように思います。

普通は長打が生まれやすいフライ性の打球にてOPSが低いということは、長打が出ていないということに他なりませんし、それだけ弱い当たりのフライしか打てていないということでしょう。またいくらゴロ性の打球で安打となっていても、安部のところで述べたように対策を敷かれやすく、再現性は然程高くありません。ですので、来季以降このレベルの成績を残すことすら危ういと感じます。

もう一花咲かせるためには、もう一度強いライナーもしくはフライを打ち返すことを強く意識する必要があるのではないでしょうか。守備走塁に特筆すべき点はないため、一軍で一定の打力を発揮できなくなっては、出番はどこにもありません。

7.磯村嘉孝

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65試合 117打席 30安打 4本塁打 21打点 0盗塁 .278/.307/.472/.779
BB%4.3 K%20.5 wRC+104 BsR-0.3 UZR0.6 WAR0.7

會澤、石原に次ぐ3番手捕手という位置づけがここ数年続いていましたが、2019年はOPS.779をマークし優先的に代打起用されるなど打撃面で進境著しく、會澤に次ぐ2番手捕手の座を確実なものとしました。ただ下の世代には坂倉将吾や中村奨成といった有望株が控え、ドラフトでは2名の捕手が指名されるなどその座は安泰とは言えません。會澤も正捕手として君臨するため、秋に挑戦した1Bや3Bもこなしながら、出場機会を確保できるかが今後のカギとなるでしょう。

ポイント:フライの質向上による長打力アップ

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2019年の磯村と言えば、東京ドームでのバスターでの決勝打や8月の巨人戦でのサヨナラ犠飛に代表される数々の決勝打や、得点圏打率.389を記録したことからも分かる勝負強さが印象的ですが、それだけでなく根本的な打力も大幅に上がっています。その中でも大きな変化は長打力アップでしょうか。

自己最多の4本塁打を放つだけでなく、2018年はISO.063であったのが、2019年は.194まで上昇しており、根本的に長打力が大幅に向上していることが窺えます。それを支えたのは質の高いフライを飛ばすことで、Soft%を57.7から43.9まで低下させることで、フライ性の打球時のOPSを2018年の.370から1.092まで向上させることに成功しました。FB%も40.3から48.2まで伸ばしており、フライ性の打球の母数増と質の向上によって大きく打力を向上させたわけです。

加えてストレートもしっかり捕まえられるようになり、wFAは-4.5から3.0まで急上昇しています。ストレートへの対応力が向上したために、強烈なストレートを持つリリーバーが登場してくる試合終盤でも活躍するケースが増えたのでしょう。

以上のような要因から打撃のレベルアップに成功しましたが、あえて課題を挙げるとすると、シンプルながらもスタンス広めで下半身の負荷の大きそうなフォームなため、夏場辺りの疲労が蓄積してきた際に打力を発揮できなくなりそうな点でしょう。実際2019年も6月~8月といった夏場は、打率1割台~2割前半に低迷しています。下半身を鍛えながらこの辺りの改善を図りつつ、上述の通りUT性を向上させていくことが、今後磯村が生き残っていく術となっていくのではないでしょうか。

8.三好匠

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43試合 92打席 14安打 2本塁打 7打点 1盗塁 .182/.267/.273/.540
BB%9.8 K%30.4 wRC+33 BsR0.3 UZR2.3(3B)/-0.7(SS)/0.4(2B) WAR-0.2

シーズン途中に下水流昴とのトレードにより、楽天から移籍してきたのが三好匠ですが、確かな守備力と意外なパンチ力や選球眼を発揮し、チームに欠かせない存在となりました。ただOPS.540やK%30.4は決して看過できる数値ではなく、如何に総合的な打力向上を図れるかが今後の課題となってくるでしょう。

ポイント:UT性の高さとパンチ力&選球眼

三好の一番の良さと言えば、何と言っても内野各ポジションをハイレベルでこなせるUT性の高さでしょう。高校時代は九州国際大付属のエースとして140㎞台のストレートを武器に選抜で準優勝に導くほどの力量から分かる通り、野手としても強肩を武器としており、足の運びもまずまずで守備範囲も広く、3B守備は絶品ものです。加えてSSや2Bも水準レベルで守れるため、ベンチに一人置いておくと、首脳陣としては非常に心強い選手と言えましょう。

打撃では2試合連続本塁打を放ったことから分かる、ツボに来ればスタンドまでボールを運べるパンチ力と、低打率ながらBB%9.8を記録するような選球眼が特徴的です。ただ空振り率が15.4%とコンタクト力には難があり、飛ばすツボも非常に狭いのが現状となります。そのために、全体的な打撃成績は伸びてきていないのでしょう。今後に向けては、コンタクト力を犠牲にして長打に特化していくのか、コンタクトを意識してバランスの取れた打撃のどちらを目指していくのか、方向性をはっきりさせる必要があると思いますが、個人的には長打特化型を目指してほしいと思っています。

というのも三好自身がドアスインガーなため、インサイドのボールを捌くのに苦労する場面が多いですが、長打のリスクを考慮してアウトサイドのボールの増える試合終盤には逆に生きるケースも増えてきます。ですので試合終盤から登場しチームの守備を固めながら、長打に特化した打撃で敵軍リリーバーを打ち砕くような活躍を期待したいところです。中日の堂上直倫がロールモデルとなると思うので、まずはそこを目指してもらいたいと思います。

9.曽根海成

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64試合 31打席 5安打 0本塁打 2打点 5盗塁 .200/.310/.200/.510
BB%9.7  K%32.3 wRC+29 BsR3.0 UZR-1.0(3B)/0.3(2B)/0.9(RF)/-0.5(LF)/0.6(SS) WAR0.2

移籍2年目の2019年は守備走塁要員として一軍定着を果たし、自己最多の64試合に出場を果たしましたが、打席機会は非常に少なく、打撃面で中々経験を積むことは出来ませんでした。しかし、守備走塁要員としては一定の活躍は見せ、そのような面で活路を見出せそうな雰囲気は見えてきたように思います。

ポイント:高い走塁能力とUT性

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打撃面では打席数があまりに少なすぎるため、特に触れるような面もなく、守備走塁面から分析を行っていくこととなりますが、中でも特徴的なのが高い走塁能力です。

出場機会は然程多くないにも関わらず、盗塁のみならず走塁面も評価する指標であるBsRは3.0を記録し、両リーグでも20位に入る好成績を挙げています。2桁の出場試合数で20位以内にランクインしているのは、オリックス・佐野皓大のみということから、その凄さが良く分かるかと思います。中でも走塁能力に秀でており、盗塁以外の走塁を評価する指標であるUBRは2.9を記録しています。代走での出場機会が多いとはいえ、積み上げ指標ながら31打席しか立っていない曽根が、レギュラークラスでその快足が持ち味の西武・金子侑司(2.8)以上の走塁力を示している点は評価されるべきでしょう。代走要員としてはこれ以上ない成績です。

また守備面でも、実に5ポジションで出場したという点も大きな特徴と言えましょう。どのポジションもサンプルサイズは大きくないものの、LF以外は全てUZRがプラスの数値を記録していることから守備力もそれなりに高いことが窺い知れます。この汎用性の高さを見ると、是非ともベンチに置いておきたい選手であることが分かるのではないでしょうか。

今季高卒一年目であった小園を筆頭とした内野手たちは、有望株が揃っており、曽根も若手と言えども中々出場機会や打席機械に恵まれないことが今後も予想されます。その中で、今季のように守備走塁面で高い貢献を見せ続けることが、打席機会の創出に繋がると思いますし、それを契機としてレギュラー獲得の足掛かりを築いていってほしいところです。

データ参照:1.02-Essence of Baseball(https://1point02.jp/op/index.aspx)
      データで楽しむプロ野球(https://baseballdata.jp/)

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