會澤翼の進化
今季ここまで打率は.300を超え、二桁ホームランを記録するなど、捕手としては出色の打撃を見せ、チームに大きな相対的プラスをもたらしている會澤翼。
今日の頭部死球が心配ですが…
DELTA社のポジション別wRAAによると、22.7のプラスを出しています。
これは、丸・山田・鈴木誠也・坂本に次ぐ傑出度ですから、いかに會澤の打撃が他チームの捕手に比べ抜きんでているかよく分かりますね。
昨年ベストナインを獲得するなど、その打力は評価されていましたが、今季はさらにワンランク上へ駆け上がりましたね。
では、何が変わってここまで成績を伸ばすことができたのかについて、本稿では分析します。
過去4年間及び今季の打撃成績をまとめたものが表①です。
打撃に関してはキャリアハイと言っても良い2014年を超える数字を残していることが分かります。
8番を打つこともあるため四球が増えている側面もあるとは思いますが、四球増かつ三振の割合も減らしており、アプローチの面の進化もうかがえます。
このように、30歳を迎え非常に成熟した打撃を見せるようになりましたが、その他にも會澤の進化がうかがえる数字があります。
過去4年間と今季のGB%(打球に占めるゴロの割合)、FB%(打球に占めるフライの割合)をまとめたものが表②です。
これを見ると明らかですが、優れた打撃成績を収めている2014年、そして今季はFB%が極端に高くなっています。
意図的にフライを打ちにいっているのかは定かではありませんが、MLBでも流行したFBR(フライボールレボリューション)を取り入れたりでもしたのでしょうかね?
意図的であれば、これは會澤の力だけでなく、広島のデータ班も絡んでいるでしょうから、しっかり分析できてるんだなあと感心するばかりです。
何はともあれ、打撃成績の良い年にFB%が高く出ているということは、フライを打つことが、會澤の打撃自体にマッチしているということで間違いないでしょう。
また、打撃フォームにもマイナーチェンジが見られます。
これが2016年の打撃フォームです。
これが昨日のホームラン時の打撃フォームです。
大きく変わった部分はありませんが、少し左足をオープン気味にして、バットの置く位置を体に近づけています。
その結果ボールを両目でより見やすくなり、ブレが少なくなったり、バットを出しやすくなることから速いボールへの対応もより良くなったのではないでしょうか。
実際に数字で見ても、ストレートへの対応力は今季格段に上がっています。(wFAが2016年は-1.8から2018年は+9.9へ)
メカニクスに関してはど素人なので、この指摘が本当に上記のような結果を導いている一要因となっているのかどうか分かりませんが苦笑
以上をまとめると、
①四球増三振減に見られる成熟してきたアプローチ
②FB%の上昇
③打撃フォームのマイナーチェンジ
この3つが會澤の打撃の進化の要因ではないでしょうか。
下には坂倉や中村奨成といったプロスペクトが控えていますが、彼らが一本立ちするまでとは言わず、末永く正捕手の座を維持してもらいたいものですね。
データ参照:1.02 Essence of Baseball(https://1point02.jp/op/index.aspx)
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