ようやく生まれてきた余裕

勝利を最優先事項とするプロ野球のチームにとって、敗戦とはその対極にあるものです。

しかしどれだけ強いチームでも4割近くは負けてしまうのがプロ野球のペナントレースです。

その中で必要なのは、如何に敗戦に寛容になれるかという視点ではないでしょうか。

そのような視点がないと、負け試合には明らかに不要なリソースを割くこととなり、将来の勝利までも奪ってしまいます。

その点から見ると、リーグ3連覇を目前とした広島はここ最近ようやく敗戦に寛容になってきたと言えるように思います。

優勝がほぼ確定的になったところで、ようやく首脳陣にも余裕が生まれてきたのか、ポストシーズンに対する備えの為か、リスクの排除を行なったり、チャレンジングな起用を行なったりしています。

本noteではようやく余裕が見え始めた広島の選手運用について考察していきます。

①降雨により1時間以上時間の空いてしまったジョンソンをさっさと降板させる

9/19の試合は、降雨により試合開始が1時間遅れてかつ途中で1時間以上の中断が入り、試合が終了したのが日付を超えるという選手にとっても観客にとっても勝敗以前に疲労感の感じる試合でした。

阪神の日程的な問題で試合を強行せざるを得なかった状況でしたので、仕方ないと言えば仕方ないのですがね。

途中の1時間以上の中断は2回を終了した時点からでしたので、間隔の空いてしまった先発投手としてマウンドに上がった広島・ジョンソン、阪神・才木をお互いのチームがどうするかと言う点に注目が集まりました。

結果的に広島はジョンソンを降ろし、阪神は才木を続投させるという結論を出しました。

もう優勝が確定的な中で、先発陣の中で数少ないゲームメイクの計算の立つジョンソンをここで故障のリスクを負わせてまで投げさせるべきではないとの判断なのでしょう。

このような時々の状況に応じた柔軟な考えに基づく投手起用は見られなかった部分ですので、感心してしまいました笑

②新戦力の台頭チャレンジ

最も象徴的だったのは、昨日のセカンド曽根の起用でしょう。

菊池の疲労軽減の効果もありますが、次世代を見据えた育成的な目線による起用の意図もあるように感じました。

どちらにしろ、レギュラーの疲労軽減かつ将来に向けた投資という点で素晴らしい一手だったように思います。

それに加え、敗色濃厚になると同時に鈴木誠也を降ろし、余計な疲労をかけないようにしている点も素晴らしいです。

今季故障明けでコンディションに不安の残る選手ですから、極力疲労度を減らそうとするこのような起用は目先を考えても、将来性を考えても非常に有用な一手でしょう。

後は以前から述べていますが、田中のフルイニング出場を止めてもらえれば、個人的には特に言うことはないです。

上記のような事情より、これまで常に勝ちに全力を尽くすような采配から、負けることを寛容に捉え、来たるポストシーズンや将来へ向けた取り組みに目を向けていることが分かります。

正直遅すぎる感が否めませんが、今後はきっちりこのような長期的目線で采配を振るうことでより長い黄金期を迎えることができるのではないでしょうか。

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #選手運用

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