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2023年広島打線の打順構成ついて考える

先日Twitterで以下のような募集をしたところ、非常に多くのリクエストを頂きました。
リクエスト頂いた方、ありがとうございました。

その中でも打順関係のお題を多く頂いたので、それにお応えする形で2023年シーズンにおける私の理想と考える打順構成について、述べていきたいと思います。

まずこちらが個人的な2023年の理想打順構成となります。
6小園海斗
7西川龍馬
8秋山翔吾
3マクブルーム
2坂倉将吾
5デビッドソン
9野間峻祥
4菊池涼介

以下にて、それぞれを解説していきます。

1番打者

この打順に求めるもの、理想像

1番は走者なしで迎えることが多いことで上位打線の中でも自由度があり、中軸ほどの打力は必要ないため比較的若手を据えやすく、積極性も活かせるところという認識を持っています。
四球を取れるというよりは、二桁本塁打も期待出来る長打力を持ったヒットメーカーのような打者を個人的には推奨しています。

というのは、打線の起点として先頭打者本塁打のようなチームを活気づける一打が欲しいですし、1番も下位からのチャンスに対してはポイントゲッターにならないといけないことを考えると、四球を狙いにいくより積極的に打って出る打者の方が適任のように思います。
加えて、盗塁が出来るスピードも持ち合わせていると文句なしといったところでしょうか。

理想像でいうと、山賊打線における秋山翔吾であったり、1シーズン214安打を放った時のマートン仁志敏久、ビッグレッドマシン時代の野村謙二郎、古くは真弓明信といった核弾頭のような打者になるでしょうか。
ただNPB歴代でも屈指の強力打線を誇った3連覇広島においてはどうだったかというと、不動の1番打者だった田中広輔は待球的アプローチで四球を多くもぎ取るスタイルで、私の推奨するタイプとは異なっています。
しかし、二桁本塁打は狙える水準以上の打力を持ち、かつ後ろの打者たちが強力だったこともあり、出塁型のリードオフマンとして高レベルに機能したのです。

なぜこの打順に据えたのか?

以上から考えると、若手で積極性が光り、二桁本塁打を狙える長打力と安打製造機の資質を持つ小園が適役だと判断します。
打順的に投手の後ろで待球的アプローチを求められることもありますが、あえて小園をここに置くことで、スイング率が高すぎる今のアプローチ面に対して成長を促す効果も期待出来るのではないでしょうか。

今季通算でのOPSは.700を切ってることを考えると、まだ打力不足のようにも見えますが、感覚を掴んで打率.299/OPS.756をマークした7月以降の状態であれば十二分に任せられるはずです。
ここを足がかりに、将来的には3番に入れるような打者に進化していくことを期待しています。

2番打者

この打順に求めるもの、理想像

2番は一般的なイメージのある小技の繋ぎだけでなく、1番同様下位打線からのチャンスで返す役割、そもそも打席数も多いことから水準以上の打力が必須です。
打席内で色々制約がかかることで不利カウントになりやすいところでの対応力、空振りをしない高いコンタクト力も必要になってくるところです。

また、どうしても右方向への打球をせざるを得ないポジションのため、自然と右方向への打球が多くなるタイプの打者が良いのではないかと思います。
それだけでなく、時には狙いすまして右方向だけでなく左方向にも打ち返すような狡猾さもあれば、文句なしでしょう。
もちろん、走力があるとその後の仕掛けや中軸打者への配球にも影響しますし、あるに越したことはありません。

総じたイメージとしては、状況に応じた高い対応力とコンタクト力を持ったアベレージタイプ寄りの打者というイメージです。
3番に入っても違和感のないような打者が理想的ではないかと思います。

なぜこの打順に据えたのか?

以上より、アベレージタイプでコンタクト力は折り紙付き、状況に応じた対応力や打力も十分、かつ広角に打ち分けられる西川は最適だと判断します。
昨季は一時期2番を務めましたが、96打席でOPS.802とまずまずの水準でこなしていましたし、かつての前田智徳のように変に考えすぎなければ大丈夫なはずです。

その他考えられる選択肢として挙がる2番菊池は、右打ちから作戦系まで何でも出来る打者であるものの、OPS6割台の今季の状態では打力不足です。
また、元来プルヒッターである彼の良さを前面に出せないというデメリットも大きいと判断しました。

また、今季序盤にポイントゲッターとして見事に機能した1番西川も捨てがたい選択肢であることを考えると、小園と西川を入れ替える形も想定出来ます。
ただ、より小園の良さを活かすためや、純粋な打力を考えると小園→西川の流れの方が良いと判断しました。

3番打者

この打順に求めるもの、理想像

3番は高い打力を求められるのはもちろんのこと、オールラウンドな役割を求められるポジションでしょう。
アウトカウントの増えた場面で回ってくることが多いため、そこでポンと長打を出せる長打力高い出塁能力で出塁し、その後足でかき回せるような機動力といった、様々な能力の求められる打順ではないかと考えます。
2番打者をよりグレードアップさせた打者というイメージです。

加えて確実にストレート系を叩けるのかどうかも、個人的には重要視している点です。
少なくとも投球割合が40%近くあるストレートを叩いて高確率で長打に出来れば、大きな得点源となり得ます。
特に3番は1、2番の後ろということで、機動力を意識させる走者が塁上にいることが多く、そこで速球を狙って潰せるか
また、後ろにチーム最強打者の4番が控えることで、四球を嫌がって速球系をゾーンに突っ込んできたところを潰せるかは、3番にとっては重要な仕事です。

理想像は、年間20本塁打を超える長打力を持ちながら、四球でチャンスメイクもでき、しっかり速球を潰せて、バッテリーに一定の警戒をさせる走力を持っていた広島時代の丸佳浩です。
彼が抜けた後の広島打線の安定感、得点力の低下具合を見ると、その存在がどれほど大きかったのか、よくよく思い知らされました

なぜこの打順に据えたのか?

本人のやりやすさ今季の好調時の長打の出し方BB%は10%、OPSは.900を超えていた西武時代のスタッツを考えると(35歳のシーズンに同等の成績を望むのは酷ですが…)、今季同様に秋山をここに据えたいと思います。
また、西武時代の2019年からレベルの上がったNPB規格のストレートに対して、Pitch Valueで見ても西武時代と大きく変わらない水準で対応出来ているのも、3番を任せたい理由の一つです。

今季はポイント後ろめで高めのストレートに負けてしまっていた反省から、来季はポイントを前に出す形を意識しているようで、そうすれば自然と引っ張りの形も増えて長打増にも繋がるのではないでしょうか。
加えて、レフト方向の打球が伸びやすいマツダスタジアムの特徴を活かした、逆方向への本塁打も見られるようになれば、マツダスタジアム開場以来丸佳浩しか超えたことのない左打者による20本塁打も見えてくるはずです。

また、状態によっては西川との入れ替えもアリかと思います。
西川と秋山の間で明確に打力の差はないと思いますし、ポイントを前に出す意識であれば、自然と引っ張りの打球も増えて2番にも適応出来るのではないでしょうか。

4番打者

この打順に求めるもの、理想像

4番は基本的にはOPSがチームで最も高いような、チーム最強打者を配置する形で良いように思います。
3番よりは打撃に特化した打者で、最も多く得点圏で走者を抱えて回ってくる打順な以上、長打力を活かして打点を稼げる存在として君臨してほしいポジションです。

なぜこの打順に据えたのか?

ややボールを見る傾向にあってトータルでは打点を稼ぐアプローチっぽくないですが、状況に応じて変幻自在の打撃が出来ることを考えれば、昨年同様にマクブルームで問題ないでしょう。
1番から3人左が続いたことを考えても、バランス的に右打者で最も計算が立ち、高OPSも期待出来る彼が適任なはずです。
チャンスでは決めに行くアプローチにシーズンが進むにつれて徐々に変わっていき、後半では150kmオーバーの速球にも対応出来るようになっていた対応力で、更なる成績向上に期待したいところです。

5番打者

この打順に求めるもの、理想像

5番は前2人を長打力重視で配置していることもあり、バランス的に水準以上の長打力を持ちながらも、アベレージに寄せたタイプの強打者であることが好ましいと思います。
高OPSの打者が前にいる以上、走者を置いた打席が必然的に多くなるので、その走者をホームまで迎え入れる根本的な打力はもちろんのこと、しっかりコンタクトしてインプレーを起こせる打者が望ましいでしょう。

また、長打力のある打者を前2人に並べていることを考えると、ここから仕切り直すという点でも足を使える好打者をあえて配置する考えもあります。
3連覇広島で鈴木誠也の後ろを、長打力には欠ける安部友裕や野間が任されることがありましたが、このような狙い故だったのでしょう。
ただ、この配置を活かすには後ろの打者がストレートを叩けて、高い長打力で走者を返せるような強打者である必要があり、打線の層の厚さが必要な配置であると考えます。

なぜこの打順に据えたのか?

5番は4番が右のマクブルームということもあり、左でコンタクト寄り強打者に該当する坂倉を据えたいと思います。
坂倉も3番に入れるだけの能力はあると思いますが、秋山のやりやすさや走力、坂倉自身が直近2年は5番を主戦場に好成績を収めていることを考えると、特に動かす必要はないでしょう。

坂倉が捕手に専念するとのことで、先発との兼ね合いでスタメンから外れる場合も考えられますが、その時は西川を5番まで下ろす形で中軸を形成するのもアリでしょう。
捕手の負担云々と言われることもあるでしょうが、チームの主軸とならなければならない存在な以上、そこは言い訳にしてほしくないです。

6番打者

この打順に求めるもの、理想像

6番は中軸が残した走者の掃除役、かつ中軸より楽に振れるポジションとして、長打を期待できるフリースインガー的打者を据えたいポジションです。

3連覇時のエルドレッドのように中軸に置いても違和感ない水準の打者で、率云々というよりは一発の怖さを常に相手に与えるような打者が理想でしょう。

なぜこの打順に据えたのか?

長打力が持ち味である新外国人のデビッドソンは、ここに当てはまるところではないでしょうか。
三振は非常に多いものの、MLBでも2年連続で20本塁打以上を放った実績があり、日本野球への適応次第ですがタイプとしてはここにピッタリのように思います。
三振が多いとかアプローチ面はあまり意識しなくていいので、とにかく長打に出来ると思ったところは積極的に振っていって怖さを出してほしいと思います。

昨年からの成長があれば、しっかり振れて長打力もあり、フェニックスリーグでのクラッチヒッターぶりを見ても、末包なんかはフィットしそうなところです。
デビッドソンが日本野球に苦しむようであれば、3Bに挑戦する堂林にここに入ってもらい、その長打力で走者のスイープを期待するのも良いでしょう。

7番打者

この打順に求めるもの、理想像

この辺の打順になると前後の打者タイプによって期待したいことが変わってくるでしょうから、一概にこうが良いとは言えません
ここだと6番に右の長距離砲を据えたいことを考えると、7番には左の巧打者として走者を掃除した後のチャンスメイクを担う役割を期待したいと思います。
加えて、同じタイプの打者を続けて置かないようにすることで、ジグザグ度を強めたいという意図もあります。

なぜこの打順に据えたのか?

ということで、7番には今年安定した打撃で3割をマークした野間が適任だと考えます。
1番打者での起用も考えられるところですが、チャンスで走者を返すにはやや長打力不足な面があり、それならば後ろの打順に置くほうが良いと思います。
今季はチームトップながら7盗塁と少なく、もう少し足を活かせれば、チャンスメイク役として更に幅は広がるでしょう。

8番打者

この打順に求めるもの、理想像

ここも7番と同様に、打者のタイプとしてあまり求めるものはないと思います。
基本的には相対的に打力のない選手が配置されるところで、変に制約なくフリーに振れるポジションではないでしょうか。
唯一、後ろが投手ということで、四球上等の攻めで来られたところに我慢して対応出来れば問題ありません。

なぜこの打順に据えたのか?

8番は上下のバランスも考えて菊池を据えたいと思います。
打力的には7番でも良いですが、上に入るのが自由に振らせたいデビッドソン、菊池は元来フリースインガータイプということを考慮すると、8番に落ち着くのかなと。
本来は自由に振れることで良さが出るタイプなので、8番でフリーに振ってもらえれば、昨季のような長打力を発揮出来る可能性もあるでしょう。
また、會澤がスタメン出場時はこの打順で良いのではないでしょうか。

DHありの場合は?

こちらもリクエスト頂いたので、DHありの場合だとどう組むかについても、簡単ではありますが触れておきたいと思います。

6小園海斗
7西川龍馬
8秋山翔吾
3マクブルーム
2坂倉将吾
Dデビッドソン
9野間峻祥
4菊池涼介
5上本崇司

実際どのようなプレーを見せてくれるのかは分かりませんが、デビッドソンの3B守備がかなり怪しいとのことなので、DHにデビッドソンを入れて、3Bには上本を入れるのが自然な形なのではないかと考えます。
上本は四球をもぎ取ることも出来れば、高い技術で率も十分残せる打力もありますし、今季序盤のように上位に繋いでいく打者としては申し分のない存在でしょう。

他にもパターンは色々考えれられると思いますが、基本線はこんなところでしょう。
あとはDHのところに末包、堂林、松山が入ったり、ベテランの秋山をDHに回して上本をCFに回すパターン、坂倉をDH起用して守備力のある石原を捕手に起用したりと、パターンを考えたらキリがないのでこの辺にしておきます。


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