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三振の取れない外国人リリーフは短命⁉

先日、日本ハムが今季53試合に登板しセットアッパーやクローザーを主に務めたM・トンキンを契約期間をもう一年残しながら自由契約としたことを発表しました。

確かに当初期待されたような打者をねじ伏せるような投球は見られず、年俸と働きが見合っていない部分はありましたが、それなりに結果を残していたので少々驚きました。

昨年に、西武が同じくセットアッパーを主に務めていたB・シュリッターを自由契約にしたことを想起させるような今回のトンキンの自由契約から、私の中で「三振の取れない外国人リリーフ投手は余程の貢献度がない限りは見限られやすいのでは」との仮説が浮かび上がってきました。

ですので、本noteでは本当に三振の取れない外国人リリーフ投手は、早くに日本球界を離れてしまう傾向にあるのかについて分析していこうと思います。

まず、使用するデータとしては、過去5年分(2014~2018)を使用していきます。

そして、過去5年分の両リーグのK%(対戦打者に占める奪三振の割合)の平均が表①となります。

そのK%の平均を下回った数値を残した外国人投手をまとめたものが表②となります。

対象は全部で105名存在し、SP(先発)とRP(リリーフ)とSP/RP(先発・リリーフ)はそれぞれ58名、36名、11名という振り分けになっており、先発投手もしくは先発・リリーフどちらも務めた投手が60%以上を占める結果となっています。

先発投手だと、三振奪取能力よりも少ない球数でより長いイニングを投げてもらうことが優先されますので、K%が低く打者を圧倒するような投球スタイルではなくとも、各球団獲得に動くのでしょう。

実際、先発投手を務める投手だと数年に渡って活躍する投手が何人も存在し、B・ディクソン、J・スタンリッジ、L・メンドーサ、B・ウルフ、D・ブキャナン、K・ジョンソンなど、派手さはないながらも確実にローテーションを守り、計算が立つような投手が多いことが分かります。

一方、リリーフ投手は先発に比べてその数は少なくなっていますが、そこにはやはりリリーフ投手には高奪三振率の投手を充てたいとの思いがあるように思います。

わざわざ外国人枠を割いてまで起用する選手ですから、当然試合終盤の競った場面で起用することを想定で基本的には獲得されているはずで、そうなるとできるだけバットに当てさせない、空振りの取れるボールというリスクの低いボールを投げることのできる投手が優先されるのは自然な流れでしょう。

では、ここからが本題ですが、実際に三振の取れない外国人リリーフ投手は早くに日本球界から離れてしまう傾向にあるのかについて、表②中の該当投手が翌年もNPB各球団と契約を結んだか結んでいないかという点から判断しようと思います。(2018に関してはまだ去就がはっきりしない部分もあるため、現時点(12/16現在)で判明してるところで判断)

表②の翌年NPB残留列にフィルターをかけたものが上記表となりますが、これもSPとRPとSP/RPの3種それぞれの数を集計すると、SPが26名、RPが30名、SP/RPが6名という数値となります。

この数値だけ見ると、SPもRPも然程変わらない数値となっていますが、元々の対象の数がSP58名に対してRPは36名ですから、翌年残留者を割合で見るとSPは44.8%でRPは83.3%と倍近い差があることが分かります。

これだけ差があるということは、やはり仮説通り三振の取れない外国人リリーフ投手は短い期間でNPBから離れる傾向にあると言えるのではないでしょうか。

最後に、もう少し細かく見ていくと、球団別には西武が過去5年で7名のリリーフ投手がこの対象となっており、西武が自前で獲得してくる投手が中々活躍できないのにはこのような点も一つ理由としてあるのかもしれません。

今季のシーズン途中に獲得し優勝に貢献した、D・ヒースやK・マーティンはK%がそれぞれ36%と29.5%とNPB内でも屈指の三振奪取能力を誇っており、今後は西武の獲得するリリーフ投手もこのような路線に切り替えていくかもしれませんね。

#野球 #プロ野球 #外国人 #投手 #三振

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