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DGDVのクライメート領域への挑戦 -Lowercarbonとの出会いが生んだTokyo Climate Bridge-

​DGDV西川です!2025年1月28日(火)、米国を代表するクライメートVCであるLowercarbonと東京にてイベントを開催することになり、我々がクライメート領域へ注目している理由、及びイベント誕生ストーリーについて、書いてみました。初Noteで緊張です!


① 新たなフロンティアーDGDVが挑むクライメート投資

DG Daiwa Ventures(DGDV)は、昨年末に3号ファンドを立ち上げ、従来の投資領域(AI、セキュリティ、ブロックチェーン、バイオヘルス、フィンテック、XR)に加え、クライメート領域へ拡大しています。私自身、前職の住友商事で電力関連の案件に携わり、またひと昔前のクリーンテック領域にも投資経験があったため、このクライメート領域を担当し、戦略作りを進めていました。

とはいえ、クライメート領域は非常に広範(エネルギーから物流・アグリ・ファッションまでなんでも入る!)で、どこから手をつけて良いのか悩んでいました。そこで、現地の専門家の話を直接聞くのが一番だと感じ、同僚の野島さん(彼の米国投資家ネットワークには本当に脱帽!)と共にサンフランシスコに飛び、米国のクライメートVCと積極的に情報交換を行いました。

現地での情報交換を重ねる中で、クライメート領域が「従来の日本のモノづくりの強みが活かせる領域である」ことがわかってきました。特に素材、ハードウェア、製造業、ロボティクスなどの分野で活きる可能性が大きいと感じました。
これらの領域は、米国の投資家や起業家からも日本市場への引き合いが強く、DGDVとして創業当初から大事にしてきた「日本発のグローバルスタートアップを輩出する」というミッションに合致しており、今まで海外投資実績を重ねてきた我々だからこそだせるバリューがあると考えました。

サンフランシスコで20社以上のクライメートVCのGPに意見をぶつけた結果、ソフトウェアやAIからの観点では検討ハードルが高いとされていた日本スタートアップ市場において、違った魅力を見いだせると多くのVCが賛同してくれました。これをきっかけに、クライメート領域を流行として捉えるのではなく、日本をさらに強くするための大きな挑戦として本格的に進めることを決意しました。

②クライメート投資の先駆者—LowercarbonパートナーShuoとの出会い

サンフランシスコ訪問の数ヶ月前から、クライメート領域のVCにアポを取ってできる限り多くの投資家と繋がろうとしていました。その中で、Lowercarbonとの出会いが実現しました。Lowercarbonは、米国の著名投資家であるChris Sacca氏(Twitter、Uber、Instagramの初期投資家)が立ち上げた、USD 2Bilを運用する世界的なクライメート特化型VCです。Antora、Solugenをはじめ著名なクライメートスタートアップをポートフォリオに持ち、米国でも最もアクティブなクライメートファンド且つ業界のリーダー的存在です。

初めての面会では、我々の投資領域外であったクライメート領域の専門家に対してどれほど有意義なディスカッションができるか不安であったものの、Shuoはそんなことは全く関係ないというようなスタンスで非常に親切にかつ丁寧に我々にサンフランシスコのクライメートテックのエコシステムについて教えてくれました。そして、政策・慈善事業・アクティビス等、様々なステークホルダーによる影響を考慮したうえで、最終的に世界を大きく変えるためにはクライメート領域がビジネスとして(安くて、簡単に、良いサービス・モノが得られる)成功することが重要と語り、現実的なアプローチでマネタイズを徹底する考えを語ってくれました。Shuoは、ソフトウェア領域の成功法は一定確立されているが、クライメート領域においての成功法は確立されてないとし、独自の成功尺度を見出す為に、起業家と一緒に挑戦を繰り返すことが米国におけるクライメート投資の先駆者であるLowercarbonとしての責任だと強い意志を示してくれました。

その中で、我々の日本のクライメート領域における可能性についても共感し、「日本市場も非常に面白い、是非一緒に探索しよう!」と言ってくれたことが、今回のイベント「Tokyo Climate Bridge」の土台となりました。
Lowercarbonのオフィスを後にした車の中で、野島さんと私は、儲からないイメージが先行するクライメート領域で独自の投資哲学を持つShuoに感銘を受けながら、我々もクライメート領域で挑戦する決意を新たにしました。

③Tokyo Climate Bridge—コンセプトとクライメートイベントの舞台裏

Lowercarbonをはじめとする米国クライメートVCとの出会いは24年5月、その後も急速にクライメート領域での活動を進めて来ました。例えば、ドイツのクライメート領域スタートアップCambriumへ投資実行、6月のNY Techweekで弊社のサイドイベントを開催&東海岸ベースのVC巡り、7月にサンフランシスコ再訪と更なるクライメートVCネットワーク拡大、9月のNY Climate Weekへの参加等です。Climate Week時点では、クライメート米国VCに、「既にほとんどの米国クライメートVCと友達になっている!」と言われるほど、ありがたいことにコミュニティに少しずつ入れてもらえるようになりました。

これらを経て、2025年1月28日にTokyo Climate Bridgeを開催することが決まりました。(弊社の実行リーダーの大久保さんに大感謝!)

本イベントでは、LowercarbonチームとのQ&Aセッションのあるピッチイベントに加え、「Equity Story構築方法」というスタートアップのピッチを実例に、米国投資家として刺さるストーリーをその場で実演するセッション等を企画しています。クライメート領域のみならず、米国投資家の見る世界を学ぶ良い機会と考えています。また、グローバルな視点を持つスタートアップやVCが集まり、ネットワーキングを通じて新たな機会が生まれる場としても機能すると嬉しく思います!

実は、サンフランシスコでShuoとの話が進んだその晩、野島さんと私は日本との連絡を深夜まで取り合い、興奮気味で「イベントができそうだ!」と大久保さんに電話したことを今でも鮮明に覚えています。それから数ヶ月、企画を練り直し、ようやくここまで来ました。クライメート領域においても、我々はまだまだ未熟ですが、皆様是非お力をお貸しください!

最後に、クライメート領域に投資すると宣言することは、テック領域全般に投資すると同じくらい広い意味を持つと米国VCからも指摘されており、現状クライメート領域に関係がないとお思いの方も、是非ご参加検討いただけますと嬉しいです!



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