3か月予報(10~12月)

9月24日発表の3か月予報です。

秋は暖かいですが、冬は寒くなりそうです。

1.一般向け

秋にかけては暖かく

向こう3か月の気温は全国的にほぼ平年並みの予想です。

ただ、月ごとに見ると特徴があります。

10月の気温は沖縄・奄美と西・東日本で平年より高く

北日本はほぼ平年並みの予想です。

これは太平洋高気圧の勢力が例年より強く

南から暖かい空気が流れ込みやすいためです。

季節の進みは遅くなるため、紅葉の見ごろの時期も遅れるかもしれません。

冬は一転低温傾向

11月は全国的にほぼ平年並みの気温となり季節は順調に進みます。

そして12月は沖縄・奄美と西日本で平年並みか低い予想です。

この冬はラニーニャもエルニーニョも起きない可能性が高いとされていますが

ラニーニャっぽい状況となるため、日本付近は冬型が強まりやすい傾向があり

西で低温傾向の予想となっています。

ですから、一気に冬がやってくる感じとなります。

秋は暖かいですが油断せず、冬物の準備は早めにしておきましょう。

日本海側は降水量多い

降水量は3か月平均では全国的にほぼ平年並みの予想。

月ごとに見ると10・11月は平年並みです。

一方、12月は冬型が強く、寒気の影響を受けやすい

西日本日本海側で平年並みか多い予想

西日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並みか少ない予想です。

北・東日本の日本海側もどちらかと言えば降水量が多くなる確率が高く

初冬は雨や雪が多くなることが考えられます。

冬用タイヤなどの準備は今年はいつもより早めがいいかもしれません。

2.専門向け

SST

SSTは太平洋赤道域西部で高く中部～東部は低く

ラニーニャ的な分布の予想。

また10月を中心にインド洋の熱帯域も高温偏差。

海面水温（3か月）

上層

SST分布に対応して200hPa速度ポテンシャルは

インドネシア付近が負偏差で対流活発

日付変更線付近では正偏差で不活発を予測している。

200hPa速度ポテンシャル（3か月）

また、10月はインド洋も対流活発の予測となっている。

200hPa速度ポテンシャル（10月）

インド洋～インドネシア付近の対流活発に対応して

200hPa流線関数は大陸付近で東西に高気圧性循環偏差域がみられ

日本付近は北日本付近からその東で低気圧性循環偏差。

200hPa流線関数（3か月）

これは太平洋中部の不活発に対応する

日付変更線付近の低気圧性循環偏差の影響も受けていると思われる。

このため、偏西風は大陸上で北偏傾向、日本の東で南偏傾向で

日本付近は平年並みの位置を流れるとみられる。

ただ、12月は日本付近も高気圧性循環偏差。

200hPa流線関数（12月）

中層

500hPa高度は200hPaのジェットにも関連して

シベリア付近は正偏差でリッジの予測、日本付近はトラフとなる。

500hPa高度（3か月）

期間後半になるにつれて、日本付近の負偏差が強まる予想。

500hPa高度（10月、11月、12月）

下層

インドネシア付近の対流活発により太平洋赤道域で偏東風が強まり

低緯度帯中心に高気圧性循環偏差が顕著。

850hPa流線関数（3か月）

10月がその傾向が明瞭で、南からの暖気が入りやすく

日本付近は南海上中心に850hPa気温は正偏差。

850hPa流線関数（10月）

850hPa気温（10月）

12月はインド洋の850hPa低気圧性循環偏差はやや弱まり

偏差の中心がやや東に寄る。

850hPa流線関数（12月）

波列が北東に伝わり、西日本付近は相対的な高気圧性循環偏差

東日本以北は低気圧性循環偏差の予測。

中層のリッジトラフや、850hPaの循環場に対応して

海面気圧はシベリア付近で正偏差でシベリア高気圧が強く

アリューシャン付近は負偏差で低気圧が強く

全体的な傾向として冬型が強まりやすい。

海面気圧（3か月）

11月は500hPa高度負偏差に対応する

850hPa気温の低温偏差が出ているが

このあたりのSSTは高温偏差であり顕著な低温にはならない予想。

850hPa気温（11月）

12月は前述のとおり500hPaトラフが深く

地上も冬型が強く、シベリア高気圧は西日本への張り出しが特に強い予測。

海面気圧（12月）

西～東日本で負偏差域がかかり低温傾向。

北日本は200hPaの偏西風北偏の影響で寒気流入が弱く平年並みとなりそう。

850hPa気温（12月）

（画像：ウェザーマップ）