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1ヶ月予報(2/26〜3/25)

2月24日発表の1ヶ月予報です。
北ほど高温傾向で季節進行が早いでしょう。

1.一般向け

季節進行早く

向こう1ヶ月の気温は北日本で高く、東日本で平年並みか高く、その他はほぼ平年並みの予想です。平年と比べてシベリア高気圧が弱く、冬型になりにくいため、全国的に寒気の影響を受けにくい見込みです。このため、北ほど高温傾向となっています。季節進行が早く、春の訪れを感じられそうです。2月の気温が低かった分、3月に入った途端、一気に花粉の飛散量が多くなる恐れがあるため、花粉症の方はしっかり対策をとったほうがいいでしょう。また、雪国では雪崩に要注意です。一方、日本のはるか南海上では気圧が低く、沖縄には南からの暖かい空気が流れ込みにくいため、高温傾向はそれほど明瞭ではありません。

全国的に少雨小雪

向こう1ヶ月の降水量は北・東日本日本海側と沖縄・奄美で平年並みか少なく、その他はほぼ平年並みの予想です。冬型になりにくいため、日本海側は平年よりも雪の日が少なく、降水量が少なく予想されています。また、沖縄・奄美は高気圧に覆われやすいため少雨傾向です。太平洋側の地域も湿った空気の影響を受けにくい時期があるため、どちらかといえば少雨傾向となりそうです。低気圧が発達してこないのであれば、高温傾向であっても春一番は吹きにくいかもしれません。

2.専門向け

熱帯

熱帯の対流活動は期間を通してインドネシア付近〜太平洋西部で活発の予測。
ラニーニャの傾向が見られる。

200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1ヶ月)

上層

ヨーロッパからの波束伝播により、中東付近に高気圧性循環偏差が見られ、その波列と上記の熱帯の対流活動に対応して、華中付近にも高気圧性循環偏差が見られる。このため、日本の西で偏西風が北偏傾向。

200hPa流線関数(1ヶ月)

中層

上層ジェットの蛇行に対応し、モンゴル〜中国東北区付近に正偏差が見られる。また、日本の南東海上は負偏差。アリューシャン付近は正偏差が強く、ラニーニャの影響によるPNAパターンに対応するものと見られる。日本付近は全体的に東谷傾向。

500hPa高度(1ヶ月)

下層

熱帯の対流活発に対応して、インド洋東部〜南シナ海付近に明瞭な低気圧性循環偏差が見られ、フィリピンの東海上も弱いながらも低気圧性循環偏差。また、中層のリッジに対応して、北太平洋中部には高気圧性循環が見られる。

850hPa流線関数(1ヶ月)

海面気圧は大陸で広く負偏差で、シベリア高気圧は弱い傾向。アリューシャン低気圧の東側は負偏差で、北日本中心に低気圧の影響を受けやすい時期があると見られるが、冬型が弱いため寒気の影響は限定的。日本海側の降雪は少ない傾向。またた、日本の南は広く負偏差となっており、下層循環に対応しているものと思われる。南西諸島の東では正偏差域が狭い範囲ではあるが見られ、南西諸島が高気圧に覆われやすい時期があることを示している。

海面気圧(1ヶ月)

850hPa気温はシベリア高気圧が弱いことに対応して、大陸では顕著な正偏差。これに伴い北日本中心に正偏差となっており、高温傾向。日本の南東海上では普遍さが見られ、東谷と対応している。これにより、西〜東日本では正偏差が弱くなっており、日照時間によっては低温側に振れる可能性も視野に入れておいたほうがよさそう。

850hPa気温(1ヶ月)


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