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1か月予報(9/11~10/10)

9月9日発表の1か月予報です。

南西諸島~西日本は気温が高く雨が多くなりそうです。

1.一般向け

西ほど気温高く

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向こう1か月の気温は沖縄・奄美と西日本で高く

東・北日本でほぼ平年並みの予想です。

台風14号が週末から週明け沖縄から東シナ海を北上する予想で

南から暖かい空気が流れ込みやすいためです。

台風の影響がなくなった後も、暖かい空気に覆われやすいため

暑さがしつこく残りそうです。

油断せず熱中症対策に努めましょう。

東・北日本もほぼ平年並みの予想ですが

時々寒気が流れ込むため平年よりも気温が低くなるタイミングもあり

それも考慮すると、平年よりも高い日があり相殺されて

全体で平年並みの予想となっているため、気温差が大きくなると言えます。

体調管理に注意して過ごしましょう。

西ほど多雨傾向

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向こう1か月の降水量は沖縄・奄美で平年並みか多く

東日本太平洋側と西日本でほぼ平年並み

その他は平年並みか少ない予想です。

南西諸島と西日本は来週にかけて

台風14号や秋雨前線の影響を受け多雨傾向です。

台風の動向次第では大雨となる恐れもあるため要注意です。

一方、北日本は平年より高気圧に覆われやすいため

平年と比べ晴れる日が多くなるでしょう。

西日本の日照不足続く

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また、日照時間も雨の多い南西諸島や西日本で寡照傾向です。

先日、気象庁から日照不足に関する情報が出されるなど

西・東日本は日照時間が少ない状態が続いています。

(広島・鳥取は平年の40%台)

特に西日本に関して、

この先も日照時間が少ない状態が続くと予想されるため

農作物の管理に注意が必要です。

2.専門向け

熱帯対流活動

MJOの東進は不明瞭で

期間を通してインド洋~インドネシア付近に負偏差で対流活発

太平洋中部~東部で正偏差と不活発を示唆しており

東西コントラストが明瞭。

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200hPa速度ポテンシャル(熱帯域)

SSTのラニーニャ的分布とインド洋の高温が要因となっている。

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海面水温偏差(9/6~9/7)

上層

200hPa速度ポテンシャルは上記の熱帯対流活動と同じく

日付変更線より西で広く負偏差、東で正偏差のコントラストが明瞭。

その中心はインドネシア付近とインド洋西部にみられる。

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200hPa速度ポテンシャル(1か月)

インド洋西部の対流活発に伴い

200hPa流線関数は中東付近に高気圧性循環偏差がみられ

チベット高気圧の西への強い張り出しを示唆。

この波列が東に伝わり、日本の西で高気圧性循環偏差

東で低気圧性循環偏差となり

偏西風の蛇行が大きく東谷傾向。

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200hPa流線関数(1か月)

週ごとに見るとインド洋の対流活発域は徐々に東進しており

これに伴い偏西風北偏域も徐々に東進し

3・4週目は日本域にかかってくる。

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200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

中層

500hPaは200hPaのジェット蛇行に伴い

日本の東で正偏差、東で負偏差が明瞭。

その傾向は特に1週目に強く出ている。

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500hPa高度(1か月、1週目、2週目、3・4週目)

下層

熱帯の対流活動に伴い、偏東風強化が働き

850hPa流線関数で太平洋では南北対の高気圧性循環偏差がみられ

太平洋高気圧の強化に寄与している。

また、日本の西のリッジ形成に伴い北日本付近も高気圧性循環偏差となり

本州付近は相対的な低気圧性循環偏差。

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850hPa流線関数(1か月)

これにより海面気圧は日本の南と北日本で顕著な正偏差となり

本州のすぐ南には気圧の谷が形成されており

日本の南に秋雨前線が停滞しやすく、

北日本は高気圧に覆われやすいことを示している。

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海面気圧(1か月)

南西諸島付近は1週目と3・4週目に負偏差となっており

1週目は台風14号接近に伴う負偏差域と考えられる。

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海面気圧(1週目、2週目、3・4週目)

3・4週目については850hPa流線関数の熱帯起因の低気圧性循環偏差域が

北へ拡大しており、さらなる熱帯擾乱等の影響を示している可能性がある。

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850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

前線や熱帯擾乱の影響で南西諸島と西日本は多雨傾向。

気温については、東谷傾向のため、寒気が流れ込みやすく

2週目にかけて北・東日本に負偏差域がかかっている。

一方、西日本は正偏差域がかかっているが

熱帯擾乱から運ばれる暖気や

日本の南で強まる太平洋高気圧を回る暖気の影響を

受けているものとみられる。

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850hPa気温(1週目、2週目、3・4週目)

まとめ

インド洋西部の対流活発により

ジェットの蛇行の波列が伝わり日本付近は東谷傾向。

これにより北・東日本は寒気の影響を受ける。

また、上空リッジにより北日本は高気圧に覆われやすい。

インドネシア付近の対流活発により太平洋高気圧の西への張り出しが強い。

これにより日本の南に秋雨前線が停滞しやすい。

熱帯擾乱や高気圧縁辺流が運ぶ暖気により南西諸島と西日本は高温傾向。

(画像:ウェザーマップ)

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