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ペルソナ手法の意義

はじめに、ペルソナ手法の意義というのは、製品開発をする際にチームメンバー間で認識の齟齬をなくすことにあります。

藤本隆宏教授の「もの造り哲学」論によると製品やサービスというのは、「製品」=「情報」+「媒体」であり、

製品開発=「情報の創造」
生産=「情報の転写」
販売=「情報の対顧客発信」
消費=「情報の解釈」
と考えることができます。

つまり、情報が正確にチームメンバーで共有されなくては製品開発はうまくいきません。
そして、想定ユーザー、顧客のイメージこそプロダクト開発において最も重要な情報と言えます。
しかし、情報というのは複数の部署をバケツリレーのように転送されていきます。
その際、担当者の思い込みや誤解が混ざり、元の情報との誤差が生じます。ペルソナは複数の部署や担当者の間でターゲットの顧客像を共有できるため、こうした誤解を最小化させ、開発意図に沿った製品を生産、販売できます。

また、ペルソナとよく比較されるものにユーザー・プロファイリングが挙げられます。

プロファイリングとは、ユーザーの購買行動を中心とした膨大な定量的なデータをベースにユーザーの記録と類型であり、定量の表層的なデータの組み合わせを論拠としたものである。
対して、ペルソナは、ユーザー本人ですら知覚できない深層にある欲求や非論理的な感情の動きを解き明かし、生活者やユーザーの様々なレベルの多様なゴールの達成を支援することが目的である。
ペルソナはプロファイリングと似ているが、活用や用途の幅が違い、商品・サービスの新規開発をするためには、ペルソナの方が適している。

誰しも友人のために何かしてあげたいと思えば多くの具体的なアイデアや考えが浮かぶことだろう。
それは、その人の価値観や考え方、好きなもの、嫌いなもの、これまでの付き合いからの経験から想定できる相手の反応。
こうしたものをありありとイメージできる状態を作ろうというのがペルソナ手法の目指すところと言える。

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