僕がコーヒーのおかげで得られたこと
僕はコーヒーが好きで、最初は家で淹れていただけだったんですが、気づいたらコーヒー屋をはじめて8年になりました。
コーヒーを好きになって、いろんなコーヒーを飲んでいく中で、たくさんのことを知ったし、興味がどんどん広がりました。
今日は僕がコーヒーのおかげで得られたことや気づけたことを書いてみたいと思います。
飲食の面白さ
まず何より、飲食の面白さを知る入り口になりました。僕ははじめはただアルバイトでコーヒーを出す仕事をしていただけだったのですが、エスプレッソマシンを買って家でエスプレッソやラテを淹れるようになったり、ドリップしたりしている中で、どうやったら美味しくなるだろうっていう探究心が湧いてきました。同時に、同じように美味しい飲み物にも興味を持つようになって、紅茶やワイン、ジン、ウイスキー、日本酒と、いろんな美味しい液体が好きになって、専門店に行ったりして、最終的には自分の日常にはまったワインと日本酒はボトルで買って家でも楽しむようになりました。
さらには、美味しい食べ物や、飲み物とのペアリングも面白くて、レストランもたまに狙って気になるお店を回るようになりました。よくいくお店となると、結局家の近くの気軽な定食屋さんとかお蕎麦屋さんとかになってくるのですが、たまに行く初めてのレストランはいつもわくわくして、レストランの体験自体がとても好きになっていきました。
そのレストランはどんな人がやってるんだろう、どんな料理を出すんだろう、何を伝えようとしてるんだろう、何を楽しさとしてやってるお店なんだろうとか、勝手にわくわく想像したり、こんな伝え方いいなとか、こんな味わい面白いなって、自分のコーヒーの仕事の参考になることも多かったり、空間とかお客さんの過ごし方とかそのお店の文化とか、刺激たっぷりで面白いです。
そんな、美味しさや、レストランの面白さに気づくきっかけになったのがコーヒーです。僕がコーヒーを淹れるようになって、いろんなコーヒー屋を回るようになったからこそ、飲食店も回るようになりました。コーヒーは、こんなふうにして、飲食体験に興味を持つ気軽なきっかけになるのかもしれないと、改めてコーヒーの力を認識しています。
五感に関わる体験への興味
さらに、美味しいとか、居心地がいいとか、そこから広がって、五感に関わるいろんな体験に興味を持つようになりました。
例えば温泉とか、サウナとか、キャンプとか。「あったかいな」だけじゃなくて、気持ちがどう変わるとか、見える景色とか空間とか。日常でできることで言えば日光浴とか、カメラとか、映画とか。
感覚的なことはもともと好きなタイプだったのかもしれないのですが、コーヒーを好きになってより一層、自分が感じるということが楽しくなりました。
感じるって、人間としてすごい大切なことだと思うんです。今やあらゆる情報や娯楽がインターネットを通して、画面越しに得られるようになっています。でもその中で、豊かだなと感じる瞬間は、生きている心地がする時間は、やっぱり肌で感じている時だと思うんです。自分が感じている心地よさが、最も疑いもなく、考えることもなく、ストレートに入ってくるリアルな情報であって、人として大事なことなんだと思ったりします。
そんな、感覚の面白さへの扉を開けて、「感じていいんだよ」と気づかせてくれたのがコーヒーでした。今は僕は伝え手として、五感の魅力を伝える入り口にコーヒーがなったらいいなと、そんな思いでコーヒーの仕事をしています。
コーヒーで出会ったたくさんの人たち
そして、コーヒーのもう一つの力として、コミュニティとしての力があると感じます。「コーヒーは人をつなぐ」と言ってしまうと、なんだか少し安っぽく感じてしまうかもしれませんが、実際本当にそうで、コーヒーが好きだというだけでどの国行っても仲良くなれるし、コーヒーがある場でこそ人は肩の力を抜いて打ち解けていくと思います。
コーヒーショップの元となったのは、コーヒーハウスという、17世紀半ばから18世紀にかけてイギリスで流行した喫茶店でした。社会階級や仕事の垣根を超えて人がつながり、議論し、新たな仕事や世論がつくられていきました。元々コーヒーがある場所はそんな役割だったのですが、現代においても持っている人をつなぐ力は同じだと思います。
同じお店では常連さん同士がよく会うことで仲良くなっていったり、コーヒーのイベントにいくといつものメンバーで仲良くなったり、「このお店に通ってる」とか、「こんなコーヒーが好き」っていう嗜好や行動は、実際コミュニティをつくっているんです。
僕はコーヒーを好きになって、同じコーヒーを愛するたくさんの仲間と出会いましたし、大学生の頃に知り合ったコーヒー仲間とは一緒にヨーロッパにコーヒーを飲むためだけの旅行に行ったり、メルボルンにも行ったり、コーヒーのイベントで仲良くなった方とは一緒にコーヒーの事業をやるようになったり、本当に数えきれない出会いがありました。海外に行ってもコーヒー屋の誰とでも仲良くなれる自信があります。コーヒー片手にお話しするだけで、コーヒー愛がつないでくれて、すぐに仲間だと感じさせてくれます。
そもそもは、そんな風にして、コーヒーに対しての「好き」という気持ちや情熱自体が、コーヒーから得られた最大の力なのかもしれません。好きだからこそわくわくするし、やりたいことも、興味も広がっていきます。
改めて、コーヒーのおかげでたくさんのことに出会えて、毎日が楽しくなったなと思います。
これからも僕はコーヒーを軸にして、いろんな経験をしていきたいと思います。
川野優馬
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