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バリスタという仕事。

バリスタと聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?

コーヒーの知識や技術がすごい人ってイメージを持つ方も多いかもしれないと思うんですが、僕は、バリスタとは、コーヒーをつくる仕事というよりも、コーヒーを通した体験を届ける仕事だと思うんです。


バリスタを目指す人が何から勉強するのが良いのか迷ったり、バリスタという仕事の価値やコーヒー屋が大切にしていることがオープンになりづらいなと思ったので、今日は僕が思うバリスタの仕事について書いてみたいと思います!


バリスタの語源

もともとバリスタ(BARISTA)は、イタリア語が語源で、

BAR(バール) + ISTA(イスタ = 〜の人) = BARISTA

でできた言葉です。バールは、立ち飲みのカウンターでコーヒーを楽しめる場所。

語源からも大事なのは、カウンター越しに相手がいるということです。


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どんなコーヒー屋にいきたい?

今バリスタにどんな役割が求められているか考えるとすると、自分がどんなコーヒー屋に行ってみたいかを想像するとわかりやすいと思います。

コロナによってライフスタイルも変わって、リアルのお店にいく理由に、その場所で得られる体験という目的はとても大きくなったと思います。

お店で見える景色、香り、バリスタとの会話、友達との会話、好みの提案、新しい発見。

きっと行きたいと思うお店には、何らかの「そこにしかない体験」があるはずです。


そう考えるとバリスタは、その来てくれた目的を理解して、満足してもらうことが仕事になるんだと思います。


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満足とは

満足。一体何を満ち足らすのでしょうか?

無意識に無作為にお店に来てくれることなんてなくて、少なからず来てくれた方は何らかの目的や期待を持って来てくれているはずです。その期待を満たす体験を届けられて満足になるんだと思います。


ちょっと話がそれますが、バリスタとして働いている人、飲食店で働いたことがある人は、お客さんが来てくれるのは当たり前に感じる人も多いかもしれません。

お店に人が来てくれるというのは、実際にお店をやっている立場からすると、ほんっっっとうに有難いことで、わざわざ時間を割いて足を運んでくれるなんて、あり得ないほど嬉しいことです。だって、自分が提供したいものを用意して待っていて、そこにそれを目掛けて来てくれるんです。。すごい。。。

そんな期待を満たすどころか、超えた感動を届けたいですよね!!


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バリスタに必要な能力

お店に来てくれる方は、何らかの動機や期待をもって来店してくれます。そうなると、バリスタにとって必要な能力は、その期待を察して、期待を叶えつつ、それ以上の体験を届けることだと思います。

この人は何を楽しみにしてるんだろう?地図を見てるからはるばる来てくれた?何を得たくて来てくれたんだろう?

そんなことをちょっとした会話や観察によっていち早く理解して、それを叶えつつ超えていく体験を提供していくのが、人が立っているからこそできることだと思います。


こんなnoteも書いたのでよかったら見てみてください。


人によってはもちろん、美味しいコーヒーを飲むことを目的に来店してくれます。これが一番シンプル。この時はじめて、美味しいコーヒーを作る技術が絶対的に必要になってくるんです。技術や知識は達成すべき目的ではなくて、あくまで期待を叶えるための手段なんです。

コーヒー片手に本読むことを目的にしていた方には、邪魔しないようなコミュニケーションが必要になるかもしれないし、コーヒーの淹れ方や豆のことを知りに来た方には、飲んでもらったコーヒーの品種や精製方法などのお話を伝えることで満足してくれるかもしれません。

頼んでないものでイチオシのコーヒーを試飲で飲んでもらったり、期待してる以上にバッチバチに美味しくコーヒーを淹れたり、フードペアリングで予想以上の美味しさがあったり、想像していなかった感動まで伝えられたら最高だと思います。


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バリスタの意思

そう考えると、バリスタを目指そうと思った時には、どんな手段でどんな体験を届けたいかと思う意思が一番大切になるんじゃないかなと思います。

こんなコーヒーでこんな気持ちになって欲しい、こんな方にこんな体験で伝えたい、みたいな、想像力と自分の意思の掛け合わせ


いろんなコーヒーを飲んで、自分は何をいいと思うのか、何ができたら楽しいと思うのか、という意思を確認して、その手段として技術や知識をつかんで行けたら、その人にしかできない価値をつくれるんだと思います。

どれだけ自分と向き合ったか、どんな経験をしてきたか、が表れる仕事かもしれません。


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技術は目的ではなく手段

繰り返しになるんですが、コーヒー屋をやっている立場からして、コーヒーの淹れ方や技術は決して目的にはならないと思います。何か伝えたいことや届けたいことがあってこその手段なんです。

だからこそ、バリスタは技術を突き詰める仕事ではなく、どんなことを人は感じていて求めていて、それにどう応えるのがいいんだろうと、想像を膨らませる仕事なんだと思います。もちろん技術も知識もそのためには大切で、目的に沿った手段を磨き、その手段で本当に伝わったのかまで確認することも必要です。

そもそも技術の良し悪し、例えば美味しいコーヒーを作れたかどうかの美味しさ、を判断する軸だって、何を伝えたいかという意思次第で変わってきます。目的をかなえるために手段があるんです。


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ちなみになんですが、僕がコーヒーをやっている意思は、コーヒーを通して五感に目を向けるきっかけを伝えたいなーというところです。

コーヒーをきっかけに、僕はワインもビールもウイスキーもジンもお茶もスパイスも食事も、カメラも温泉も好きになりました。情報にありふれた中でも、自分が感じる感覚に意識を向けるって大切でかけがえのないものだよ、なんてことを、コーヒーの美味しさを通して、肩の力を抜きながらふわっとでも伝わっていったら嬉しいなと思いながら、コーヒーをつくっています。


そんな意思が、コーヒーという日常的で気軽な液体を通してみんなに届けられるのなら、バリスタはなんて最高な仕事なんだろうと思います。



川野優馬



さいごに

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