コーヒー屋が研究したキャンプコーヒーのすすめ
どこで飲むコーヒーが一番美味しいか、僕は大自然の中、澄んだ空気の中で飲むコーヒーが一番だと思います。
そんなキャンプでのコーヒーが飲みたくてはいられなくなって、先日、コーヒーを楽しむために富士に行き、一泊して美味しいコーヒーを楽しんできました。
今日は、コーヒー屋が考えるキャンプコーヒーの美味しい楽しみ方を、キャンプならではのポイントを合わせてご紹介したいと思います。
キャンプコーヒーに必要な道具
・バーナー
・水(1杯分250ml)
・ケトル(コンパクトなもの)
・マグ(チタンマグか紙コップでも)
・ドリッパー(折り畳みできるものやステンレスのもの)
・フィルター
・コーヒー粉(1杯分15g)
・タイマー(スマホでOK)
必要な道具はこんな感じでした。
バーナーやケトルはどんなメーカーのものでもいいと思います。お湯が沸かせて注げればOK。水は滝から汲んでもよし。ペットボトルで持ち運んでもよし。
お湯はこんなバーナーで沸かして、
気合入れてその場でポーレックスの手挽きミルで挽いてドリップしました。
おすすめドリッパー
ドリッパーを買うときのポイントはこの3つ。
1. 割れない 2. コンパクト 3. 対照的な形
持ち運びする上で割れるリスクがあるので、ステンレス製のものがおすすめ。できればコンパクトに折りたためると荷物の場所も取らず運びやすいかも。折りたためるキャンプ専用ドリッパーってだけで気持ちも高まります。形は上から見たときに真ん中を中心に対照的な形であれば、どれも安定して抽出ができると思います。
僕のおすすめはこの3種類。
左からKALITA WAVEドリッパー、Tetra Drip、Snow Peak フォールディングコーヒードリッパー「焚火台型」 。(それぞれAmazonのリンク貼りました)
一番左のKALITA WAVEはおうちでも使えるし、ステンレスでコンパクトなので持ち運んでも邪魔にならない。いつもの感じでドリップしたければこれがおすすめ。
真ん中のTetra Dripは、組み立て式なので最強にコンパクト。1杯分ずつつくるにはちょうどです。
一番右のSnow Peakのドリッパーは僕の中では一番お気に入り。そのままパタンと小さくなるので、組み立てる必要がないし、Hario V60-02の紙フィルターがぴったりで3杯分のコーヒーまでまとめてつくれるし、1杯分ももちろん美味しく作れるし、なによりキャンプコーヒー感が一番あってテンション上がります。
この感じ。キャンプコーヒーって感じで最高です!
これがおうちに置いてあるだけで、キャンプに行きたくなります!
キャンプならではのポイント
大きなポイントは、なにより寒いことだと思います。
気温が低いので次のことが、美味しくコーヒーを楽しむ上でポイントになると思いました。
寒さ対策-1. 粉に挽いておくと楽
寒くて手もなかなか動かないので、ミルで手挽きをするのは寒さによっては難しいと思いました。今回持っていったポーレックスのミルが金属製ということもあり握るだけでめっちゃしんどかったです。笑
淹れるまでの工程を楽しむならミルはあった方がいいですが、美味しく飲む分には粉にして密閉容器で運ぶのも一つ手です。さっと粉を入れてすぐドリップできた方が、流れはスムーズでした!
豆はこんな感じの真空パックで15gずつ運びました。これはなかなかによかったので、「キャンプのためのコーヒー」として商品化して販売もしているので良かったら。
寒さ対策-2. 金属マグより紙コップ?
好みだと思うんですが、金属のマグだとキンキンに冷えているので、熱いコーヒーを落としてもちょっとぬるめになってしまいました。それはそれですぐ飲みやすくてよかったのですが、アツアツで楽しむには意外と紙コップの方がいい説あります。
ゴミを出したくないようなキャンプでは金属マグで。ゴミが出ても良ければ紙コップでもいいかもしれません。
それか、お湯が沸いたらまずマグにお湯を入れて温めて、そのお湯をケトルに移して再度沸いたら、予熱したマグにすぐドリップすれば、温度は高くもつかもしれません。
寒さ対策-3. 少し長めの抽出時間
アウトドアだと抽出温度は下がります。山に登った場合沸点が下がるのでお湯の温度がいつもより低いのと、気温が低いと注いでいる間にどんどん冷めていきます。
おうちで淹れるよりも抽出温度が下がるので、味の出具合である抽出率も下がります。カバーするために、いつもより長めの抽出時間がおすすめ。いつもより15秒〜30秒くらい長めの注ぎ時間でもいいかも。
僕はいつも1:45で注ぎ切って2:45くらいにポタポタ落ちきるくらいが好きなのですが、今回は2:00で注ぎ切って3:00で落ちきるレシピで抜群に美味しくできました!
水量対策-1. シンプルなレシピにする
キャンプでは水を無駄にできません。沸かしたお湯をぴったりコーヒー用にするために、わかりやすい数字のレシピにしておくと便利です。
ドリップコーヒーは、粉とお湯の比率で濃さが決まり、注ぐ時間や挽き目による味の出具合(抽出率)で味わいのバランスが決まります。詳しくはドリップのレシピを研究した僕のnoteを見ていただけたらと思うのですが、要は粉やお湯の重さをはかることが、いつも同じ美味しさにするために大事な要素になるんです。なんか今回はたまたま酸っぱい、今回はたまたまいい感じとかって、味わいがブレのって面倒ですよね。
キャンプでドリップするためにスケールを持ち運ぶのは大変なので、シンプルなレシピにしておきましょう。1杯分15gの粉で、お湯は250ml。2杯分ずつつくるなら、30gの粉に500mlのお湯。粉を小分けにしておくと、その場ではかる必要なく便利です。
水量対策-2. シェラカップで水の量を計る
かけるお湯の量で濃さが決まるので、沸かすお湯の量はシビアに。シェラカップではかると便利です。2杯分ずつつくるなら、500mlペットボトルの水そのまま沸かせてドリップすればOKです。
お湯が沸く時間を有意義に
僕はどうしても職業病なのか、コーヒーができるまでの動きを効率的に、そして仲間を待たせずコーヒーを作りたいなと思ってしまいます。みんなにとって最高のコーヒー体験にするために。
「コーヒー作るよ!」って声かけて、「飲みたい〜〜!」ってなったとき、みんな淹れる様子を見にきて、でも最後の人にコーヒーが渡るのが30分後とかけっこうしんどいですよね。効率的にみんなの分をつくって、美味しいコーヒーを飲む時間をみんなで共有したいものです。
まず気温の低いキャンプでは、お湯が沸くのにいつもより時間がかかります。何よりもまず先に、お湯を沸かしてから器具などを準備しましょう。食後のコーヒーにするなら、食事を始めたタイミングからもうお湯沸かしはじめてもいいかもしれません。
キャンプドリップの効率を上げる
効率的にみんなのコーヒーをつくるために、2つの方法があると思いました。
1つは、大きなドリッパーでまとめてコーヒーを淹れるやり方。このSnow Peak のドリッパーなら、同時に2-3杯分くらいならおいしく作れます。お湯を一気に500ml沸かして、30gの粉にドリップすれば、おいしいバランスになる2分くらいで注ぎ終えられると思います。お湯を沸かす時間はまとまってかかりますが、その間はうまく別のことをして、同時にまとまった量のコーヒーができれば一気にみんなで楽しめますね。あとは、一杯ずつつくるよりもまとめてつくった方が、よりアツアツで用意できると思います。
2つ目は、ケトルを二つ用意して、沸いたら次の水を火にかけてからドリップする方法。
ドリップしている間に次のお湯が沸いて、すぐに2人目のドリップにうつることができます。ドリップはお湯が沸くまでの時間が一番ネックになるので、これを効率的に回そうということです。
1杯ずつドリップすることで、マグに直接ドリップできますし、豆もその人ごとに選べるかもしれないし、今〜さんのコーヒー淹れてるよ、という自分のためのドリップという感じも楽しいかもしれません。
実際にキャンプに行ってコーヒーを作ってみて思ったポイントはこんな感じでした。
もっと険しい場所でのキャンプの場合、荷物を減らすために豆や器具も最小限にしたいですね。ドリップが風で飛ぶ場合はエアロプレスという圧力を加えるコンパクトな器具もおすすめです。
備え付けテントや、ロッジ、バンガローなどがあるキャンプでは、牛乳を持っていってカフェオレをつくったり、ラム酒入りのカフェオレでも最高かもしれません。
キャンプで美味しいコーヒーを楽しもう
空気の澄んだ、景色の綺麗な大自然で飲むコーヒーは、なにより最高です。
なんでだろう?いつもより香りがはっきりと感じて、味も美味しさが際立って感じられました。水や淹れ方もあるかもしれませんが、飲む環境はとっっても大切です。
ドリップは難しそうに思えるかもしれませんが、器具と豆があれば、誰でもできます。大事なのは美味しい豆を手に入れること!
ドリップの淹れ方は動画にまとめたので気になる方は見てみてください。
いつもの日常に疲れた方、非日常で元気になりたい皆さん、せっかくならぜひキャンプで美味しいコーヒーを楽しんでみましょう!!
川野優馬
さいごに
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「キャンプのためのコーヒー」もつくりました。
持ち運びや使い切りに便利な、15gの小分けで豆or粉を真空化。キャンプコーヒーの楽しみ方ガイドも一緒に。手軽に美味しいキャンプコーヒーを楽しみたい方はぜひ!
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