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階段の三段目理論

いいものだからこそ広めたい。

でも、いいものを広めるって難しい。


なんで難しいか。

いいものを「いい」と理解するほど、追求していくほど、自然と階段を登っていくからだと思う。


でも広めたい相手はまだ階段を登っていない人たち。

伝えるべき情報の粒度やレベル、伝えなくてはいけない魅力が、発信側と受け手側とでずれてしまうことがあるのかな。


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コーヒー屋をやる側の僕たちは階段を登ってしまった。

僕は、最初はラテアートでコーヒーを好きになって、いろんなコーヒーを飲み比べて階段の一段目を踏み出し、家でコーヒーを淹れてみて階段の二段目となり、豆の個性が楽しくて仕方ない三段目になった。

でも、伝えたい相手は階段をまだ登っていない人たち。コーヒーの面白さや楽しさにまだ気づいていない人たち。



コーヒー専門店で、自分はコーヒー詳しくないけど楽しめるのかな、入って良いのかな、と感じたことはありませんか?


スペシャルティコーヒーって端的にいうと農園ごとに仕入れた美味しいコーヒー。でも、チェーン店ともコンビニとも缶コーヒーとも違う美味しいコーヒーなんだよってことをみんなに知ってもらうために、差別化するために、「いいコーヒーなんです」って外に向けて言うことになる。そして、「いい」って言えばいうほど見る人は、いわゆる「こだわりのお店なんだな」と気難しく敷居が高く感じてしまう...。

シングルオリジンのコーヒー屋さんのSNSを見ると、「丁寧に一杯ずつ」「素材の風味」「質の高い」みたいな言葉が並び、見る人によっては「自分はコーヒーの味わからないしなあ」と行きづらさを感じてしまったりもある。

みんなコーヒーが好きだからこそ、本当はもっと産地の話とかそれぞれのコーヒーがどんな風に美味しいかとか語りたいし、伝えたいことはたくさんある。でも、「他と違う」って言えばいうほど「違いがわからないといけないのか」とも伝わってしまうのかもしれない。


そんな、「よさ」と「広さ」のジレンマをもって僕らは伝え続けている。


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「いい体験」をどうやったら気軽に広くわかりやすく伝えられるか、が一番発信側が頑張らないといけない。

階段の三段目にいる人たちが、階段の二段目の人たちに伝えるのならいいかもしれないけど、まだ階段を登っていない人たちに伝えるなら、ものすごーく噛み砕いて、楽しそうに見せてあげないといけないのかもしれない。


そのあたり、いい感じの楽しみ方になってきたと思うのがワイン。

ナチュラルワインの登場で、「よくわからなくても美味しい」みたいな、自然に気軽に楽しむ感じの楽しみ方が出てきた。もっともっと気軽に広がってほしいけど。


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よさを知りながら、正しい相手に正しく伝えていくこと、それがマーケティングなのかな。


コーヒーでどうやったら、美味しいコーヒーを気軽に楽しんでもらえるか、まだまだ僕も答えが見つかっていないけど、例えばLIGHT UP COFFEEでは、初めてきた方には、豆や淹れ方なんて聞かずに、とにかく気軽に違いが楽しめる「飲み比べセット」を楽しんでもらおうと意識している。


「わからないけど楽しそう」「なんか美味しそう」「やってみたい」

って思ってもらえるような第一歩がつくれたらいいな。


わからないけど楽しい、そこからわかるともっと楽しいという余地があるといい。伝えたいことがある、楽しいことを広めたい僕たちは、自分がどんな階段を登って今の楽しみがあるのか、その一段目に立ち返って発信してみるのが良いのかもしれない。


川野優馬


さいごに

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