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リアル店舗がネットショップをやる意味

僕はコーヒー専門店LIGHT UP COFFEEを2014年からやっています。

お店オープンの1年前からネットショップをはじめて、そして今みんなの働き方や暮らし方の変化に伴って、ネットショップの意味が増してきたと感じています。


このnoteでは、リアル店舗がネットショップをやる意味について、これまで7年やってきて思ったことを書いてみようと思います。


ネットショップはプロダクトに集中できる

リアル店舗を1からつくるって、なかなかに大変です。お金も時間もかかる上、どんな店舗にするかというデザインを決めたり、細かいものを揃えたり。世界観が伝わったり、五感で楽しめる空間がそこにあるということは最高なことなんですが、一方でリスクやコストも多く伴います。

そんな中、今や当たり前といえば当たり前なのですが、ネットショップは誰でもすぐにはじめられるので、「何を届けるか」という、商品そのものに最初から集中することができます。お店作りの煩雑な業務にエネルギーを奪われずに、本来作り込むべき商品に打ち込めるのはとても大きいです。


僕の場合は実はお店を作る前にコーヒー豆をネット販売するところからはじめたのですが、どんなパッケージデザインにして、どんな配送方法だと受け取る側が楽で、どんな豆の種類にするかを決めるところからはじめました。それからずっと、コーヒーの焙煎の品質にフォーカスし続けられることができて、1年やったところで、この美味しさならお店を出せる、と決意できました。


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今お店をやっている方だって、必要な許可さえ確認すれば、すぐにネットショップをスタートできます。

お店に寄りたい時にはお店で買って、家で楽しみたい時にはネットショップで買ってくれる。僕たちのネットショップも、お店の近くに住んでらっしゃる方も最近は多く利用してくれています。体験したいときはお店に、モノを得たいときはネットで。家にいる時間が増えるからこそ、みんな使い分けて楽しんでいると思います。


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場所にとらわれずできる

どの場所からだって、同じように全国に届けられるので、繁華街の中心や人通りの多い駅前にお店をつくる必要がなくなります。

こう言うと、ものすごい普通っぽいのですが、僕たちのコーヒー屋は住宅街に店舗があったからこそ今回のコロナで大きな打撃を受けずに続けることができました。わざわざ観光地として遠方から足を運んで頂かなくても、歩いて気軽に立ち寄ってもらえる。これが仮に家賃の高い繁華街、目立つ場所で運営していたら、今のように続けていられなかったかもしれません。人が住んでいるってとても大事だと認識しました。


店舗としてのアクセスや人通りを意識して今まで飲食店や物販店はお店を構えることが主流だったかもしれません。でも一気に状態は変わり、居住区だったり、都心から離れているところであっても、店舗がある意味が出てきました。

そんな時に、ネットショップで売るということを、立地に関係なく進められるというのはとても大きな要素です。


インターネットでの発信と、商品作りができれば、家賃が安い場所であっても固定費を少なく届けることができます。もう色んなお店がネットショップを持っていますが、まだ悩んでいる方や、いつかお店を作りたいと思っている方は、ぜひまずは、場所にとらわれずにすぐできるネットショップからはじめてみるのも大きな選択肢の一つだと思います。


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リアル店舗のあり方が明確になる

ネットショップがあると、その中でお店がある意味やリアルだからこそ届けられる価値について考えるようになります。


僕らのお店で言うと、こんなエピソードがありました。

2020年の4月ごろ、はじめての緊急事態宣言が東京に発令されて、まだ慣れない中みんながお家に籠もっていた時期かその直後くらい。お店に来てくれたお客様にコーヒーを作りながら何気ない日常会話をしていると、その方がふとポロっと涙を流されました。どうしたんですか?と話しかけると、「久々に人と話して、その温かさで感動して」とのことでした。それを機に、僕らは、コーヒーというモノを売っているのではなく、コーヒーがある時間やお店でコーヒーを作ってもらうという体験を届けているのだなと再確認しました。

それからというもの、どんなコミュニケーションを来てくれた方と取るのが良いのか、初めての方・コーヒー好きな方にはどんな声をかけるべきか、何をおすすめすべきか、試飲でこんなのを飲んでもらおう、こんなメニューを作ろう、、、といったようにお店だからこその「サービス」を今まで以上に意識してみんなで議論し続けました。


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五感での体験やコミュニケーション。そこに場所があるって、特別なことだと思います。そして、豆を買うだけならネットでできるのに、わざわざ足を運んで時間をかけて来てくださる方達がいるということ。本当に頭が上がらないほど嬉しいことですし、だからこそ、どうやったら来てくれる期待を上回った体験にできるか、来てよかったなと思ってもらえるか、わざわざ行く動機になり得るか、突き詰めていく意味があります。

そんなリアルに店舗が存在する意味、についても、ネットショップがある一方で、体験や空気、世界観をつくれる場所としての立ち位置として、より明確に意義を考えることができると思います。そして、改めてお店がそこにあるって、最高だな、、、と思います。


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店舗の大きさの限界を超えた販売ができる

僕らはコーヒー豆をネットショップで販売しながら、家にいるコーヒーの時間を楽しくする商品もいろいろ作っています。コーヒーを好きになる階段の一段目になろうと、コーヒーとお菓子のセットをつくったり、ミルクと温めたらすぐにラテが作れる冷凍の「エスプレッソキューブ」をつくったりしています。


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エスプレッソキューブは多い日には1日1000個以上出荷しているんですが、お店だと1日1000杯のコーヒーを出そうとなると、僕らの住宅街の小さな店舗だと物理的に限界があります。オーダーを受けた瞬間につくるわけではなくて、作りながらオーダーを受けて、順に送っていく対応ができるネットショップだと、お店のサイズやオペレーションの限界を遥かに超えた対応ができるはずです。

逆を考えると、オーダーを受けてから1杯ずつつくってくれるお店は、その1杯ずつという価値にも意味があるということかもしれません。


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ネットショップのものづくり

ネットショップの商品を作る時には、商品のクオリティの他に、配送可能性が重要になると感じています。何度も自分宛に配送テストを行って、受け取っても崩れないか、鮮度や美味しさは自分たちが想定した状態で届くか、パッケージを開けて楽しむまでに予期せぬ不都合は起きないか、試しながらつくっています。

お店だと、実際に自分たちの手でサービスができますが、ネットショップは送っておしまい。どんなモノにするかで、本来届けたくない体験にもなってしまう可能性があるので、お店での提供と違う観点で考える必要があると感じています。


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ネットショップはたのしい

日本中、世界中のモノがすぐに買えるネットショップは最高にたのしいですよね。

僕は毎日飲むコーヒーを、自分たちで焙煎したコーヒーだけでは飽き足らず、海外の美味しいコーヒー屋さんから日々ポチポチ買っています。ノルウェーのオスロからだって送料800円でコーヒー豆が買える時代。


買うのも、売るのも、気軽で楽しくて最高ですね。

みんなでネットショップを楽しみましょー!



川野優馬


さいごに

僕はSTORESというサービスをつかってネットショップをはじめました。更新や集計も楽で、ネットとリアルの販売を繋ごうとしている素敵なビジョンのサービスです。


ネットショップをはじめた当時の流れもnoteに書いてみたので、よかったら見てみてください。


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