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理学療法士としての成長を考える

本日は理学療法士として成長するために大切だと思っていることを書いていこうと思います.私のnoteをご覧いただいてる方は,理学療法士(中には作業療法士や柔道整復師,鍼灸師の方も)として成長したいという方だと思います.そんな方に向けた
記事になります.
これは私の尊敬する,ある理学療法士の先生に教えて頂いたことですが,自分なりに解釈したものを記事にしたいと思います.


◎何故この記事を書こうと思ったか

私は理学療法士になりたての頃,何から勉強していいか分かりませんでした.休みの日はセミナーに参加して,次の臨床の時に実践して・・・. 良くなる人もいるけれど,良くならない人が圧倒的に多いことに悩んでいました.
臨床3年目のときに,職場が変わり,私が尊敬する理学療法士の先生に出会いました.その時に,この考え方を教えて頂いて実践するようになってから,少しずつ成長できていると実感しているからです.
☑︎目の前の患者さんが良くならない・・・
☑︎お金や時間を貰ってリハビリしているのに治せないことに罪悪感を感じる
☑︎勉強しないといけないのは分かっているけど,何を勉強したらいいか分からない

こんな悩みを抱えている理学療法士の先生はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか.私もずっと悩んできました.患者様が治らないと申し訳ない気持ちになるのは,現在も同じです.ただ,「何を勉強したらいいか?どうやって勉強したらいいか?」を教えて頂いてから,その方法を実践しています.
今回は,その方法をご紹介します.興味のある方は最後までご覧頂き,ひとつの参考にして頂けたら思います.

◎私が日々大切にしている4つのこと

① 1日に1本論文を読む
② 触診練習をする
③ 画像を診る
④ 一生懸命患者さんを診る
そのほかにも,カンファレンスを行ったり,学会発表をすることも成長する上で大切なことだと教えて頂きました.


◎1日に1本論文を読む

セラピストには,知識も技術も必要です.知識だけ持っていても,それを活かせる技術がないと臨床では活きてきません.その逆も然りです.
知識をつけるためには「1日に1本論文を読むことが大切」と教えて頂きました.
読む論文の内容については,
☑︎解剖学に関すること
☑︎病態に関すること(変形性股関節症、変形性膝関節症など)
☑︎理学所見について(整形外科的テスト、その感度や特異度など)
☑︎患者さんに質問されて分からなかったこと など
1日に1本読めば,1年間で365本 10年間で3650本と膨大な知識量になります.

◎触診練習をする

セラピストは,毎日患者さんの身体を触らせて頂くお仕事です.
特に運動器の領域においては,触診技術が大切だと教えて頂きました.
触診技術がないと,患者さんの痛いと言っている組織が何か分からないです.
膝関節内側部痛を認める患者さんを例に考えてみます.膝関節内側部には,MCL,鷲足,内側広筋,内側膝蓋大腿靭帯,内側膝蓋支帯など,その他様々な組織があります.
患者さんの痛みを拾っている組織が分かれば,治療も自ずと決まります.逆に何が痛いか分からないと,治療も何をしていいか分からないですよね.
そのために必要な技術が触診技術です.正確に触診ができれば患者様の病態解釈がしやすくなります.

◎画像を診る

レントゲンやMRI,CTなどの画像も大切な所見の一つです.
変形性膝関節症の患者さんを例に考えています.Kellgren-Lawrence分類,(以下,K-L分類)が「I」の人と「Ⅳ」の人だと,行う評価や治療が異なると思います.
私は,K-L分類「Ⅰ」の方だと軟部組織が疼痛を拾っている可能性が高く,K-L分類「Ⅳ」の人だと軟骨下骨を含めた関節内症状の可能性もあると考えてリハビリを行っています.画像所見は病態解釈する上で大切な所見になります.

◎一生懸命患者さんを診る

これが何よりも一番大切です.毎日画像を見て,触診練習をして論文を読んでいても
患者さんをおざなりに診ていては成長できないと思います.
患者さんを一生懸命診るからこそ,勉強してきたことが臨床に活きてきますし,新しい発見もあります.
私は最近こんな経験をしました.
結帯動作をしたときに,肩関節前方部痛がある患者さんです.下垂位外旋や肩関節内転の可動域制限を認め,棘上筋や烏口上腕靭帯に圧痛がある.その圧痛所見も普段感じている疼痛と一致していたため,棘上筋や烏口上腕靭帯に治療しました.
下垂位外旋,肩関節内転可動域は拡大しましたが,結帯時の可動域と疼痛は変化がありませんでした.次回再評価すると,座位姿勢の時点で,肩峰に対して骨頭が前方偏位していました.骨頭の前方偏位を徒手的に抑制した状態で結帯すると疼痛が減弱しました.この患者さんは肩関節前方部痛があるけれど,原因は肩関節後方組織の柔軟性低下によるものだったと感じました.それ以降は,座位姿勢での肩峰と骨頭の位置関係も評価するようにしています.
「肩関節前方部痛があるから前方にアプローチ」だと良くなっていなかったと思います.


◎まとめ

本日は,私が理学療法士として成長するために大切なことを記事にしました.
こんな記事を書いた私ですが,まだまだ未熟者です.
触診のセミナーに行くたびに,自分が触れていると思っていた組織が触れていなかったと気づいて落ち込むことがよくあります.
でも気づけて良かったと思う部分もあります.正確に触診できていた部位は自信を持って,触診できていなかった部位は日々練習して触診できるようにする.画像を診るのも論文を読むのも触診練習も日々の努力だと思います.
「理学療法士の成長に近道はありません.日々の努力がとても大切です.」
これも教えて頂いた言葉です.私はこの言葉を大切にしています.

最後までご覧頂きありがとうございました.

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