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我が家の庭の風景 part.118「ハーブを守る方法がない」

 ハーブが庭から消えていく。鳥に食べられるのだ。当たり前だと思う人もいるかもしれない。しかし、私は虫よけのためのハーブに鳥よけが必要だとは思ってもみなかった。小さな柔らかい若芽を好むのは虫も鳥も変わらない。想像すれば当たり前に理解できることでも、現実に接してみるまでは思いもつかないということは多い。
 キャットニップの種をまいたら、育った先から消えていく。当たり前だと思う人が多いだろう。さんざん庭に猫が居着いていると書いてきたのだ。いや、もしかしたら飼い主のいない猫たちが食べているのは、キャットニップではないかもしれない。ハーブの種を今年まきすぎて、どの鉢がどのハーブかわからなくなっている。育った苗を抜いて、新たなハーブの種をまいたりもしているので、残った前の種が遅れて芽吹いてもなんの種の芽だかわからない。葉っぱを見ても名前が出てこない程度しか、ハーブの知識がないのである。
 そんな知識不足の私に育てられたハーブたちは、今年割とよく芽吹いて育った。だって、強くて育ちやすいと書かれているハーブの種を選んで買ったんだもの。何もしなくても育ってもらわなくては困る。
 我が家には二匹の猫がいて、一匹はどうやら穀物アレルギーだ。昨年までは猫草を育ててあげていたが、今年は残っている種はタンスの肥やしになっている。しかし、我が家のアレルギー持ちの三毛猫は子猫の頃にひもじくて草ばかり食べていたのか、草を食べるのが大好きだ。台所の勝手口から戻ってくるたびに猫じゃらしのお土産を期待される。
 昨年ショウガの葉っぱを食べることはわかったけれど、まだ芽吹いてもいない。大体生姜や茗荷の葉っぱは固くて猫の胃腸を傷つけそうだ。念に一度はいいけれど、毎週はあげたくない。
 そこでキャットニップを育てることにした。育ててみるまで気づかなかった。外で育てたら、庭に居ついた猫たちがキャットニップを食べてしまうではないか。室内で育てても、やはり猫たちが食べてしまうだろう。室内でよく育つかもわからない。一袋の種しかまいていないので、猫が体調不良になるほど食べている心配はない。ただし、育っていく姿を見られなかったのは悲しい。どの鉢がキャットニップか忘れたが、猫が食べるのがキャットニップだと決めつけている。
 ほかにも鳥や猫が食べていそうなハーブはある。葉っぱが細いのはキャットニップではありえないので、それはたぶん猫と鳥の気まぐれで食べられているだけだと決めつけて気にしていない。
 問題はキャットニップだ。家の中にも外にも猫がいる家でどうやってキャットニップを育てたらよいのだろう。猫が入れない開かずの部屋を作るべきだろうか。そんな湿っぽい空間で、健全なハーブが育つのか。
 キャットニップを育てたら、大きく成長する前に猫が食べてしまう。繰り返しになるが、なぜ、私はそれに今まで気づかなかったのか。そういえば、去年まで育てた猫草は外の猫たちに食べられることはなかった。市販の猫草より天然の雑草の方がよほどおいしいのだろうか。そうだとしたら、キャットニップは猫草より雑草より猫にとっておいしい、名前にふさわしい猫の大好物ということになるのだろう。

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