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我が家の庭の風景 part.94「リンドウとサフラン」

猫と暮らしていると、人生を複数回生きているような気分がする。これは童話の『100万回生きた猫』の影響だろうか。

猫といると、昨年と同じことをしても全く苦にならない。むしろ喜んでくれた事は、今年も喜んで同じことをしてあげたいと思う。我が家の庭に対しても、同じ気持ちだ。

陽光を受けて、花弁がゆっくりと開いていく。そんな花が好きだ。薄い紫色の花弁が光に透けて、つぼんだ時の深淵のような紫から、神々しいような色に変わるのが良い。私は紫色の花が好きだ。

昨年買って根付かなかったので、もう竜胆を買わないと思っていたが、今年も買ってしまった。サフランは、去年の球根を再利用しようと思っていた。しかし、結局は今年の夏に昨年よりたくさん買い込んで植えた。
全く懲りない人間である。
猫に呆れられても仕方がない。

サフラン
めしべ収穫

同じ紫色でも、微妙に色味の違うサフランとリンドウ。ジーパンにジーパンの上下の服を合わせる人のようにセンスがないと言われそうだ。しかし、誰に何を言われても良いではないか。好きなんだもの。玄関先の目立つところに2つとも飾っておきたい。サフランは寒さに強いので、外に置いて、リンドウは玄関の中で鉢棚の上に飾っている。

日当たりが弱かったようなので庭に出した
朝日でキラキラ
早朝はつぼんでいる

日当たりが弱いとリンドウの花弁は外側にそり返るようだ。それはそれで丸くて可愛い。しかし、わざわざ奇形を作って愛でる趣味はない。それがあるような姿で咲いてほしいので、二日に一度は外に出して日に当てている。想像していたより花期が長く、11月いっぱいと今になってもまだよく咲いてくれている。買った時の鉢で元気なので植え替えなかった。

朝晩にくるくると花弁を巻いて蕾むリンドウ。
サフランはゆっくりと花弁はなびらが開く。一株にそんなに花芽はつかず、リンドウのように一日のうちに一斉に花開くわけではない。

朽ちるサフラン。開くサフラン。
蕾が可愛い。
浅く植えても大丈夫!

サフランの紫の花弁には薄く線が入っているように見える。それがいかにも異国風で見ていて、飽きない。花びらが朽ちていく様子に桜のような繊細さは無い。ただ、茶色くなっていくわけではないので、押し花などに利用できないかと思ったが、無理だった。花弁が額にしっかりと付いていて、簡単に抜き取れない。さらに、強く握ると、花弁が繊細で指の腹で溶けてしまった。

私には夢がある。調理用のサフランのめしべを我が家に常備しているが、それは買ったものだ。スーパーのスパイス棚には大抵売っている。それを我が家の庭で育てたサフランで常備したいのだ。
これは昨年から計画したことだったが、去年は球根を増やすどころか買った球根の花すらろくに咲かなかった。
しかし、今年は、新たに買った球根だけでなく、昨年の球根もよく芽吹いている。
一年目は何事も試行錯誤でうまくいかないことだろう。二年目にやっと計画が立てられるようになって、三年目にようやくその計画を実行に移せるのではないか。

私も新卒一年目に何か夢を持って、会社に入れたら良かったと思う。その仕事に興味がなかったわけではないが、キャリアプランなんて何もなかった。そして何にも見えないまま流れで辞めてしまった。

我が家の庭のサフランのめしべが収穫できるようになったので、常備はしているものの高価なのでもったいなくて、月に1回も使わないまま、放置されているサフランのめしべをパエリアを作るのに使った。
イカやエビは安くは無いので、私にとっては贅沢ご飯だ。家族がいるからトントンだが、1人分のご飯としては、材料費が食べに行くのと変わらないくらいにかかっている。手間を考えると食べに行ったほうが安い。

パエリアに使った後も、そのサフランがもったいなくて、その出がらしをお茶として飲んだり、さらに朝ごはんの味噌汁に使ったりした。大根は庭でとれたものだから、こっちは確実に安上がりだ。いつか味噌を手作りしたいなと思っている。しかし、枝豆や大豆を植えると消費できないだろうから迷っている。今年は、父が庭にえんどう豆の種をまいたようだ。私はそら豆の種を植えた。

サフランが浮いている庭大根の味噌汁。

サフランの球根も安くはないけれど、サフランのめしべを買って料理したほうがよっぽど安いほどの値段はしない。ただ球根がめったに売ってない。私が知っている限りでは、ホームセンターのDCMに、毎年8月に出るだけだ。しかも、熱心に通わないとうまいこと手に入らない。ネットで買えば、倍以上にお高い値段がする。 

サフランの球根を掘り上げた方が良いそうだ。水仙の球根は、植えっぱなしでも勝手に増殖して咲いていく。
庭に直に植えても良いんじゃないかと考えることもある。ただ、それで咲かずに球根が腐った場合がもったいない。
結局安全策で、今年は全部鉢に植えてみた。それが功を奏して、全部発根した。浅いプラスチックの鉢植えでも全く問題なかったようだ。
サフランは強い花だ。耐寒性にも優れている。来年こそは地植えしたい。
ただし、どこに植えたか忘れないようにしなければならない。どこに植えたか忘れてしまうと、せっかく花が咲いてもめしべを収穫することができない。

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