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小説の「玉子焼きサンド」
生きることは、食事することだ。
食事した日数分だけ生きている。
食事の数だけ人生がある。
サンドイッチにしても同様だ。
玉子サンドにハムサンドにフルーツサンド。辛子マヨにヨーグルトソースや生チョコなど、サンドイッチの種類の数だけ好みと思い出があるものだ。
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谷瑞恵さんの物語には子ども頃ティーンズ向け小説で出会った。それからオレンジ文庫などもう少し幅広い世代向けの小説に移行されたようだ。
ティーンズ向けといっても設定が作り込まれたものが多かったので、この小説はまるで別人が書いたかのような驚きがあった。
食に関する小説は最近様々ある。描き方は作家の方それぞれだが、食べ物の美味しさの描写に主軸が置かれた話と食をきっかけにした事件や思い出を語った物語と2種類ある。
この話は後者だった。
関西が舞台だが関西弁がほぼ出てこない。しかし、出てくるサンドイッチは関西らしい。
玉子焼きやコロッケサンドなど中身だけで成り立つおかずが挟んであるサンドイッチを私はこれまでほとんど食べたことがない。
コロッケはコッペパンに挟んであるのをサンドイッチと呼んでいいなら食べたことがある気がする。しかし、玉子焼きサンドなんて目にしたことがあっただろうか。
コンビニやパン屋さんで目にしたことがない気がする。まず、サンドイッチ専門店に行った記憶がない。フルーツサンド専門店なら一時期流行っていたのか目にしたことがある気がする。ただ、玉子焼きサンドの存在を知らなかったかと言えば聞いたことはある気がする。
玉子焼きは甘い玉子焼きとしょっぱい玉子焼きと好みが分かれると言われる。
シリーズの短話が纏められている短編集なのでいろんな食べ物が出てきたが、一番食べたくなったのが食べたことがない玉子焼きサンドだ。
本物を知らずに作る再現料理をこれまでも何度かやった気がする。
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玉子焼きを作って、パンに挟むだけのサンドイッチだ。思い立って食べる時にりんごの皮とレモンの皮で足浴した。足元からレモンが香って清々しく、まるでピクニックして食べている気分だった。国産レモンは傷はあって皮が硬いが香りは格別だ。
食べ終わって足を拭いてクリームを塗ると、ガサガサした足の裏の肌が少し滑らかになった気がした。
読書して、物語の登場人物と同じサンドイッチを食べて、肌を労わるこんないい日があるだろうか。
午前中に少し庭作業しただけで身体のあちこちが痛んでいたけれど、ランチでリフレッシュできた。
ただ言っておくと、私は普通の玉子サンドの方が好きだ。作るのは玉子焼きサンドの方が簡単だが、それは譲れない。玉子焼きは塩派だ。
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