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雨の日にしたいこと第二十三回「焼ける匂いで冷める」

先日、レーズンパンを焼きました。
我が家の鉄板のない小さなオーブンレンジで焼いたにしては、まあまあの出来だったと思います。
しかし、ホームベーカリー様には敵いませんでした。ホームベーカリーでいつも焼いている食パンの方が食べやすいと言われてしまったのです。

まず丸い形にできてません。
「オーブンが狭かったよ」と訴えてきます
ザラメがなかったので、粉砂糖をふりかけました。
自宅で育てたハーブティーとともに。

オーブンで40分発酵させたパンに溶き卵を塗って、砂糖をふりかけ、10時に切れ込みを入れて、バターを凹みに押し込んで15分焼きました。
オーブンだけのせいではないでしょう。私が不器用だから、こんなにぺしゃんこになってしまったのです。
けれども、市販のよりそんなに味が悪いかと言うと、そんなに高級な材料が買えなかったとしても、食材がそんなに悪いわけでは無いですから結構美味しくできてしまいます。

家で焼けばいいと思うとパンを買わなくなるのですね。猫パンだけは買いたいなと思いながら、そのお金があれば飼っている猫に贅沢をさせてあげたほうがいいんではと思ったり。
結局1ヵ月に1回はパンを買おうという思惑は実行できていません。

パンを焼いている間にいろんなことをします。朝ご飯を作ったり、夕ご飯を作ったり、食器を片付けたり、たまには床掃除をしたり、猫にご飯をあげたり、ブラッシングをしたり、スマホを見たり、焼き上がりの前には飲み物の準備をするようになりました。

ホームベーカリーを買って2年以上が経ちました。ハーブを育て始めたのも2年以上前です。そしてようやく私はパンが焼ける間に、庭からハーブを摘んできて、オリジナルのブレンドでフレッシュなハーブティーを入れることができるようになったのです。

カモマイル、レモンバーム、モヒートに塩ひとつまみとレモン汁を少し加えて。

そんな中で育てている植物などを題材に帰ってきた物語も、そろそろ終わらせようと思うようになりました。花やハーブの話を自由気ままに帰ってきたけれど、それ以外の話も書きたい意欲がようやく芽生えてきたのです。

やっぱり続きを書こうと思う事はあるかもしれません。こんな記事を出したすぐ後に結局その続きを書いてしまうかも。
「妄想なんて人に宣言しないで、勝手にやっとれ」という感じでしょう。でも、私が書いているものは妄想であって、全てが妄想ではないんですよね。0から100を生み出すようなプロのような技術は無いわけで、現実のものを題材にしていると、私も歳をとってきて、その思想の影響を受けて、物語が古臭くなっていき、あるいは時間が経って辻褄の合わないことになるか、登場人物も私とともに老いてしまうわけです。

楽しかった話題に急に冷めてしまうようです。
パンを焼きながら、趣味に飽きないようにするためには、少し冷ます時間が必要なのかもしれないと思うようになりました。
焼きたてのパンはおいしいけれど、焼いたお菓子は少し冷ましてからの方がおいしい。クッキーは炊いて、焼きたてだとふにゃふにゃです。

バターを上に乗せて焼いたレーズンパンは少し冷ましてから食べました。バターで口の中を火傷したくなかったからです。

膨らみが足りなかった。パンより、もっと私の妄想は膨らみ切らないまましぼんで消えてしまいそうです。そしてまた私は新たな妄想をするでしょう。パンを焼く間に、私は日常の家事に追われ、妙に冷静になって日頃の自分の行いや言動が急に恥ずかしくなってくるのです。

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