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猫と夢の中で話したい

最近猫がカフェ・オ・レを飲みたがる。もちろん、絶対飲ませない。

ミルクの香りがするからだろうか。

カフェインレスコーヒーをうっかり机に置き去りにして、舐められたのが痛恨の極みであった。

人間の刺身も肉も口にしない。口にしたいのは、デカフェだけ。

・・・どっかの探偵みたいだ。

うちのセミ猫は寝相が悪い。寝言もよく言う。
寝ている時の方がよく話す。
そう言えばほっぺに手を当てて寝ているのは、実は顎に手を当てているのではないかと、最近気づいた。猫は夢の中で顎に手を当てて何を考えているのだろうか。

夢の中では、きっと事件を嗅ぎまわる探偵みたいなことをしているのではないか。

『ふむふむ、これは〇〇のブレンドコーヒーの香りですね』

『犯人が残した大事な証拠だ、一口飲んでみましょうか』

『むむ、この口当たりは若干の砂糖を感じます。とはいえ、香りにも混じらない品の良いものだ。この香ばしさは、グラニュー糖ではないな。そう・・・、これはてんさい糖だ!ここまで分かる私は天才か?!」

「この調子で事件の詳細を明かしましょう!そう、犯人はこのコーヒーを入れたあなたよ!」

とかなんとか。コーヒーを飲み終わったら、顎に手を当てて思考を巡らす姿勢をすることだろう。

うちカフェ探偵セミ猫様。

おー、話してみたい!夢の中のセミ猫探偵はさぞ迷探偵に違いない。傍らの飼い主がその人が犯人(コーヒーを淹れた人)でないことをいちいち訂正する。

『セミ猫探偵様、その方はコーヒーを淹れた方ではございませんよ』

『そうよ、私は、そっちのサラミのサンドイッチすら作っていないわよ』

『なんですって~!恥ずかしい~』

犯人を外す度にダッシュして暴走するんだな。そして、ひとしきり気まずがってから、そっと扉の隙間から顔を覗かせて様子を見ながら戻ってくる。

ラスト一人のその人が犯人でしかないってところになったら、助手兼飼い主がさらに手助けしてあげたい。

『カップの色と大きさ、サンドイッチの中身の好みから推察して、犯人はきっとあの方ですよ』

なんてこそこそ隣で耳打ちしてあげる。

楽しそうだな~!

ても、まず、なんで猫が事件の起こるおうちにお呼ばれするのか、そこから理由付けがいる。まさか、毎回勝手にティーパーティーに不法侵入で乱入するわけにはいくまい。お話としてはボツだけど、夢の中なら許される妄想だ。

猫の寝顔を見ながら、ああ、今迷推理しているんだろうなあとか、コーヒー飲んで味わっているのかなあ、恥ずかしがってダッシュしてるのなあとにやにやしながら妄想する飼い主が痛い。
だけど、これは寝言の多い猫を飼った人間だけの特権なのだ!

寝言は寝てから言いなさい!と、朝から甘えてくる猫に注意されている気がするのは気のせいだ。

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