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【漢詩】月苔日錆[げったいにっせい]

 花の色なら紫色が好きで、日暮れ時や朝焼けも紫がかった空が好きです。しかし、紫色を詠むことが難しくて、青色を選びました。押印できなかったのです。
 中国語のルールも全くわからず、4行で起承転結を作るのも難しいです。さらに根本の4行で風景を読むことも難しい。1枚の絵にならないバラバラの部品がバラバラのまま紙の上に並んでいる状態です。背景は、白の画用紙で、そこに青い花と青みがかった黒い鳥と青い池と空には暮れ時の苔むしたような月と同時に青みがかった太陽が空に浮かんでいるのです。
 今年買った桔梗は葉っぱは生き生きとしていますが、8月で咲かなくなりました。日が昇ると花弁が膨らみ、日が沈んでいくと蕾んでいきます。蕾んでいる時の方が色が濃いような気がします。咲かなくても、桔梗は美しいのです。

【白文】
桔梗萎青
黒鳥瞳睛
夕映池碧
月苔日錆

【書き下し文】
桔梗青く萎む
黒鳥の瞳睛
夕に映る池碧し
月苔し日は錆る

【現代語訳】
日中咲いていた桔梗が花びらの色を濃くしながら、蒼く萎んでいく
黒い鳥は瞳も黒い
夕暮れの景色の中でも池は木々を映して青い
昏時に空に昇っている銀色の月は青く苔むし、同時に沈みゆく太陽は赤銅色に錆びて見える

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