記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

特別な才能もない典型的な負け組のカイジ

今年になって、毎週書いているなという気がします。映画の感想文です。

最初に書いておくと、この映画の原作を私は知りません。

おまけに映画の2作目から見ました。

当時はその映画に全く興味がなかったのに、後になって惜しいことをした気がして見たくなることありませんか?

ー天邪鬼なのか、私は結構流行過ぎてから今更その本を読んだり映画やアニメを見たくなることがあるんですよね。

こちらもその類です。以下、感想はネタバレします。

【映画感想文】「カイジ 人生逆転ゲーム」

2作目から見ても十分面白かったです。荒廃した近未来の日本という設定のようでした。人々は一部の富裕層から使い捨ての駒にされ、ほとんど貧困層で国が成り立っているようでした。

下層で暮らす人々の不満を晴らすため、一攫千金のゲームを企画してそのゲームに知力を絞って様々な人々が参加します。典型的負け組と説明にありましたが、そういう人たちが多い社会なら別に珍しくもない平凡な青年なのかなと思います。何だか身につまされますね。

ただ、ちょっとカイジがヒトと違うところは熱中しやすくてさらに義侠心に満ちているところではないでしょうか。騙し合いのゲームに参加する人の割には他人を信じる傾向があります。

これと似たジャンルの松田翔太さん主演の「ライアーゲーム」というやはり2作目まで出た映画があったのですが、そちらの主人公はどちらかといえばなるべく人を信じないで最後の一線だけは超えないという感じだったので対称的です。

1作目では、賞金ゲームの話が半分でカイジという青年の人間性がどうやって作られたか人生の話が半分になっています。

カイジが「熱」なら、ライアーゲームの方が「冷」でした。そもそもカイジは”地下にうごめく虫けら”のように扱われている人なので、天才的なライアーゲームの主人公とは人生も真逆です。

勝つか負けるか人生を勝ち組と負け組という価値観で分けようとしながら、他人を蹴落とせないカイジを通して、観る人は人間の良心とは何かちょっと考えさせられます。

借金を背負った人々を地下帝国で1日350円で働かせる世界。現実にあったら恐ろしいですね。貨幣価値が今と違うわけでもなさそうでした。

ただ、麦酒を買う時に焼き鳥も買うか悩むところに妙に親近感を覚えます。私はお酒をあまり飲みません。しかし、共感できたのは、その人生観です。いらないはずのものがいるもので人生の楽しみが無駄なところにあったり、その無駄で人生をさらに駄目にしてしまったりするのです。

原作は漫画なんですよね?結構難しいことを語っている漫画だなあと思いました。青年漫画なんでしょうか。

原作は多分こちらのようです。

底辺に落ちたり、ちょっと人生上向いたり、沈んで沈んでちょっと浮上したりする人生。ものすごくわかるような気がしながら、そんなスリルばかり味わって生きていたくないなと思って見てしまいました。

この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします。いただいたものはクリエーター活動の費用にさせていただきます。