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GROWTH MINDSET – しなやかマインドセット

「しなやかマインドセット」と日本語では訳されているGrowth Mindset

「自分の能力は生まれ持ったものではなく、伸ばすことができる」

と信じる人間の考え方を指します。

学術用語では、Fixed mindset と対応する形でGrowth mindsetと言われています。

「しなやかマインドセット」(Growth mindset) は、

人の努力や頑張りを促し、最終的に良いパフォーマンス、目標の達成に繋がるとされています。

逆に自分の能力は努力で変わらないと信じてしまう

「硬直マインドセット」(Fixed mindset)は、

努力を低下させ、パフォーマンスの低下につながると言われています。
(特に自分の能力が低い、と考えているとき)

これらのシンプルな理論をどう日常に活かせるのかをまとめた書籍が発売されています。

「Mindset – The New Psychology of Success – 」

自分自身も頭では、自分の能力は成長することができる(というかそう思いたい)と思いながら、色々と勉強していましたが、この理論を踏まえて、今までの思考にある種の確信を持つことができました。

自分自身は、リーダーシップに関心を持って研究を進めており、リーダーシップを成長させていくという観点でもこの考え方は、凄く大切だと感じています。

とある研究ではリーダーの出現の30%ぐらいが、遺伝で説明できると言われていたりします。

しかし、言い換えると70%はそれ以外のもので説明できるということです。

生まれつきの能力はもちろんあるかもしれないですが、

「努力で良いリーダーになることができる」とまずは考えることが、

リーダーの成長には非常に重要であるということです。

「しなやかマインドセット」はシンプルな知識で多くの方が理解はできるものの、なかなか実践しようとすると難しいのではないかと思います。

実際この理論を提唱している研究者の方も教育現場では、少し意図と違う形で使われていると指摘しています。

一つには、この「しなやかマインドセット」努力が同じものとして扱われてしまっているということです。

努力はもちろんその生徒の成長に重要ですが、うまくいっていない生徒の気持ちを、そのとき少し上げるためだけに、例えば、”よく頑張った!よく努力した!”などの努力だけを褒めて、その生徒の成長についてのフィードバックをしていない…というようなことです。

もちろん、その生徒(スポーツ現場であれば選手)が努力していることはとても良いことで、それを褒めるということは非常に重要だと思います。

しかし、生徒・選手が成長できていない、というのは良くないことなのではないでしょうか。(スポーツの場合は、レクリエーションで行っている場合はまた違うのかもしれませんが)

生徒・選手の「しなやかマインドセット」を育てたいのであれば、生徒・選手の今の成長の度合いをしっかり明確にし、「ここまで何を試して、これからどうしていくか」ということ等について、生徒・選手と共に考え、話し合うことが重要だと指摘しています。

また、「硬直マインドセット」(能力は生まれつきで努力で伸ばせないと信じる)が、生徒・選手が成長していない理由に使われてしまっていること。

教師や指導者の方々が、「あの生徒は硬直マインドセットだからだめなんだ!」のように、生徒・選手が成長できない理由を探すのではなく、どうしたらその生徒の成長を促せるか考えるのかが、本当にしなやかマインドセットを理解している教師(指導者)だ。とも指摘されています。

そして、この理論を提唱した研究者の方の記事では、「しなやかマインドセット」のコンセプトが教育現場に浸透して、いろんな人達が「自分はしなやかマインドセットを持っている」と言うようになっているが、マインドセットは「しなやか」なのか「硬直」なのか、どちらかというものではないというのを、理解することが必要だと語られています。

”the path to a growth mindset is a journey, not a proclamation”
”「しなやかマインドセット」への道のりは旅であって、宣言ではない”

この「しなやかマインドセット」を教育の場(もしくはスポーツ現場等)、私たちが関わる人達に、真の意味で促していくためには、まずは自分の「硬直マインドセット」を認めること。

私たちは「しなやかマインドセット」「硬直マインドセット」もどちらも持っている。

そしてたぶんこれからもずっとそうで、自分たちの「硬直マインドセット」から来る考えや行動に常に気づいていることが非常に重要なのではないかと思います。

学ぶことを辞めれば教えることもやめなければならない

自分も常に肝に銘じておかないなと思っている言葉であり、コーチングを学んでいる多くの方が、聞いたことのある言葉なのではないでしょうか。

しかし、前回の記事でも書いているように、正しい知識というのは、往々にして役に立たないことが多い…それは、わかっているけど、それができない。ということが多いのではないでしょうか。

自分自身も、「しなやかマインドセット」「硬直マインドセット」もどちらも持っている。ということを念頭に学びを継続していきたいなと思います。



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