混沌とした「好き」

人が好きだ。

それは、相手が醸し出す雰囲気や程よい距離感、居心地の良さまで総じて自分にとって心地よいと感じる人。尊敬できたり、素敵だと思える部分があったりももちろんしている。そこから少しでも違和感を感じると、好きとは言い難くなってくる。

なぜだろう。何なんだろう。そこにあるのは「親愛」という感情なのだろうか。人として相手のことが好きであることは、自分が自分でいられる感覚があるとでもいうのかもしれない。どうにしても、そこに好意があるからこの感情は存在する。
極端に例えれば、親戚のお兄さんお姉さんのようなある意味気を使いすぎない関係性。これが感覚としては一番近いなと思う。「友情」も「愛情」も、そこに感情があるから存在し得るはずなのに、その境界線はあまりに曖昧すぎる。

それでもただ一つ言えるのは、「恋愛」とは違った感情だということ。それだけは自分の中で確かなもので。はじめに書いた元々の「人として好き」の状態から何らかのきっかけがあったときに「恋愛としての好き」にグレードアップする、のかもしれない。

「人として好き」だから、出かけるのも嫌じゃない。だけど、わたしが相手に感じている「好き」と相手の「好き」の種類が違っていたら。それは何という形でなら成立するんだろう。

実際、「好き」の種類が違っていたことを知ってしまった時、この戸惑いは隠せない。一瞬で意識し始めるし、自分が自分でなくなる。冷静に考えようとしても、ちょっと無理がある。矛盾する。気持ちに従順になるならその好意を受け入れて、きちんと向き合ってみた方がいいんじゃないか。頭を働かせると、中途半端に向き合うのも失礼なんじゃないか。そんな気さえしてくる。全くもって、答えが出ない。

怖いとか苦手とか、そういうことは全く思ってなくて。
気持ち悪さがあるわけでもない。
嫌いじゃないのは確かだから。

だからもう、今自分の中にある感情に従ってみるしかないように感じ始めた。向き合わずになあなあにする方がよろしくない。失礼な気がする。ちゃんと答えを出せるまで、待っていてほしい。わがままだとは思うけれど、ちゃんと考えよう。

どうしようもなく人が好きだ。
だからこそ、怖がってしまう。
今を手放したくなくて。

これから先の文章は、わたしが伝えきれなかった
渡すことができなかった取り留めのない手紙です。
この時の気持ちを無かったものにしたくないのでここに綴ります。

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わたしはあなたのことが、まずひとりの人として好きです。
あなたの雰囲気も、程よい距離感も、さりげない気遣いも。
優しすぎるところも、人をほっとけないところも。
ものすごく女の子扱いしてくださるところも。
好きです。
いつも、ありがとうございます。
これまで、どれだけ助けられてきたか。

でもそれは、あなたの一面でしかなくて。
わたしはあなたのことを知らなすぎる。
臆病だから踏み込んでいくことも怖い。
だからかな。
恋愛って考えたら戸惑いでいっぱいになった。
あなたの気持ちを知って、より戸惑っちゃったんです。
このままじゃいられないのかなって。
ごめんなさい、わがままで。鈍くて。

わたしのこの「好き」って気持ちは元々恋愛じゃなかった。
多分、友達とか家族とかに見せる親しみだったから。
だから、あなたの好意に気づけなくてごめんなさい。
気づいてなかったとはいえ、蔑ろにしてごめんなさい。
だけど、これだけは覚えていてほしいんです。
嫌いじゃない。
居心地が良いと感じているのも、
その居心地の良さに甘えてしまっているのも、
そして、あなたを意識し始めているのも本当。
お出かけの最後に名残惜しさを感じたのも、
あなたにお相手ができてしまったら寂しいと感じたのも、全部本当。
それは嘘じゃない。

だからこそ、苦しめてますよね。
わたしがこうだから。
悩ませてますよね。
恋愛的な好意だと、
言い切れない曖昧さを持ち続けているから。
中途半端ですよね。
変に期待させてることになるのかもしれない。
「そんなことないよ」ってあなたは言うのかもしれないけれど。
なんだか勝手に、罪悪感を感じてたりする。

もしあなたの時間を、あと少しでも使わせてもらえるなら
ちゃんと向き合わせてください。
どんな答えになるかもわからないけれど。博打じみてるけど。
もちろん無理は言いません。
貴重な時間です。替えはきかない。
あなたをちゃんと見てくれる人に使うのが一番だと思っているから。
気ぃ遣いさんで、人のことをよく見ていて思いやれるあなたを
わたしのわがままで引き留めるわけにはいかないから。

ここまででわかるかもしれない。わたし、めっちゃ矛盾してる。
そんな面倒な人間です。
結論もなく、取り留めもなく、
ただわたし自身の頭の中をひたすら書き綴って。
これが、わたしです。
普段うまく紡げなかったり飲み込んじゃって仕舞い込んだ気持ち。
話すには少し、まとまりが無さすぎる。
メッセージにするにはちょっと長すぎる。
長々とお付き合いありがとうございました。

それでも時間をくださるなら、
気が向いたときにで良いから
なんでわたしなのかだけ教えてもらえませんか？

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ここまで読んで下さったあなたも、お付き合いありがとうございました。